俺が室屋だ! 特別指定でFC東京へ

2015.05.13

 プロの舞台へ飛び込んでいく! 室屋成(政経3=青森山田)は4月21日付でJFA(公益財団法人日本サッカー協会)から特別指定選手に認定された。受け入れ先は大学1年次に練習参加したJ1・FC東京だ。プロの誘いを蹴って大学進学を選んだ室屋。着実にステップアップし、大きなチャンスを手繰り寄せた。今後の室屋は明大に所属したまま、FC東京の公式戦へ出場が可能となる。明大、FC東京での試合に加え選抜、代表とフル回転になる今シーズンは、室屋のサッカー人生の分岐点となる。

次の舞台
「上のレベルでやりたい気持ちが強かった」。大学屈指のSB(サイドバック)としての地位を完全に確立した室屋が見据えたのは、さらに上のステージだった。豊富な運動量、卓越したスピードが評価され「FC東京に入ったときに、どう活躍できるかを聞かせてもらった」。明大の神川明彦総監督、栗田大輔監督らの後押しもあり、迷いはなかった。最高の通過点にする。「最終目標はプロ入りではなくて、A代表に選出されて活躍すること」。プロへの足掛かりをつかんでもなお、満足はしない。武藤嘉紀選手、森重真人選手ら現日本代表選手5人が名を連ねるFC東京は、間違いなく室屋の成長を促す環境だ。イタリア人のマッシモ・フィッカデンティFC東京監督は、戦術面へのこだわりが強く「守備でのポジショニングをかなり細かく指導された」。対人プレーに重点を置く大学での練習との違いを早くも実感した。室屋が出場を目指すSBのポジションには、現日本代表の太田宏介選手と元日本代表の徳永悠平選手が君臨。リーグ2位と躍進を続ける今シーズンのFC東京の堅守を支えているが、最強のライバルたちの牙城を崩す意気込みは十分だ。「間違いなくA代表に近づけると思う」と室屋。A代表入りへ、この上ないアピールの場となる。

自分の道
大先輩を超えていく。3年次での特別指定選手認定、FC東京、背番号「36」。室屋はくしくも長友佑都選手(平21政経卒・現インテル)と同じ道を歩むことになる。攻撃参加が魅力のSBとして「長友2世」と評されることも多いが「自分は自分なので特別意識しているわけではない」。個人での打開が特長の長友選手とは違い、室屋は細かいパス交換で突破する。周りを生かした攻撃参加が室屋「らしさ」だ。長友選手、室屋の両者を見てきた神川総監督は「長友はこの時はこうだったね」とあえて言葉を掛け、筋金入りの負けず嫌いである室屋のハートに火を付けることも。憧れではあるが、足跡はたどらない。ここにいるのは室屋成だ。「本当に今年は『勝負の年』になると思っている。いろいろな環境でサッカーをやらせてもらうことができるので、支えてくれる方々への感謝を忘れずに。明治とFC東京、両方のタイトルに貢献し、その上でA代表入りという目標につながるシーズンにしたいし、しなければいけない」。「勝負の年」に懸ける思いはひとしおだ。進化を続ける室屋が新たな道を切り開いていく。