果たせ父越え 小川雄勢
親父を超えてみせる! 昨年3月の全国高校選手権無差別級を制した小川雄勢(政経1=修徳)はバルセロナ五輪銀メダリストで世界選手権を3度制した小川直也氏(平2営卒)を父に持つ。父と同じ明大に進み、父もなし得なかった五輪金メダルを目指す。
男気入学
父と同じ道で世界を目指す。身長190㌢、135㌔の大きな体格から、奥襟をつかんで攻め続ける。父である直也氏にそっくりな見た目もさることながら、その柔道スタイルも直也氏の現役時代と重なる。近年大学柔道界を席巻している東海大や日大からの誘いを断り、父と同じ明大へ。入学の決め手となったのは〝男気〟あふれる明大への愛だった。「父がいた大学だし、自分の原点でもあるので。ずっと入りたかった」(小川雄)。恩師である父の出身大学であり、柔道の楽しさを教えてもらった明大への愛を貫いた。柔道との出合いは明大柔道部の道場。父の練習に連れられて柔道場を訪れたのがきっかけだった。「何が楽しかったか分からないけど、とにかく楽しかった」?それまでもスイミングスクールやクラシックバレエなど多くの習い事に通っていたが、明大での柔道との出会いが強烈に印象に残った。父の直也氏は「あんまりやらせたくなかった」そうだが、小川雄は父の経営する道場で稽古をつけてもらうだけでなく、さらに練習量も増やしてもらうよう志願。父も「やるからにはちゃんとやれよ」と、自身の仕事を削ってまで息子との練習に時間を割いた。すると、高校2年次には全国高校選手権無差別級を制し、高校生の頂点に立つまでに成長。一躍東京五輪世代のスター候補に挙げられるようになった。
五輪金へ
大きな目標がある。「東京五輪で金を取る」ことだ。昨年は世界ジュニアや講道館杯など、世界レベルにある大会を経験したが、トップとの差も痛感。「戦術、体力、全てにおいてまだまだ。磨いていかないといけない」。世界のトップを目指すために、今季は9月の全日本学生体重別選手権での優勝を狙う。父の直也氏は明大で大学1年次に優勝し、その次の年の世界選手権優勝につなげた大会だ。父のなし得なかった大きな目標に向けて。小川雄の挑戦はまだ始まったばかりだ。
◆小川雄勢(おがわ・ゆうせい)神奈川県出身。バルセロナ五輪銀メダリストの小川直也氏を父に持つ。昨年は全国高校選手権無差別、全日本ジュニア100㌔超級で優勝を果たした。190cm・135kg
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