西野 3連覇

2015.01.14

◆1・5~8日本学生選手権(春採アイスアリーナ)▼女子個人①西野

氷の女王

圧巻の演技で西野がインカレ3連覇を果たした。SP(ショートプログラム)ではミスもあったが首位につけると、FS(フリースケーティング)では今季初めて100点台に乗せた。12月の全日本選手権から調整時間は少なく、フリーの演技は通して練習できていなかったが「連覇は意識せず、自分の演技をすることだけ考えた」と今の自分にできることをやり切った。全日本選手権では多くのジャンプで回転不足を取られ得点が伸びず14位だったが「演技自体はシーズンで一番だった」とプラスに考えた。インカレでも完璧な演技はできなかったが、場面に応じて演技構成を変えるなど冷静な状況判断を見せた。躍進の裏にはコーチの存在がある。今季から「スケートの質を向上させたい」とコーチを樋口豊氏1人に絞って指導を受けている。樋口氏は全日本選手権3連覇の経歴を持ち、1968年、72年には冬季五輪に出場。西野が10歳のころから指導に当たっている。「バレリーナが滑っているような」演技をこれまでよりも意識させ、西野の表現力を引き出した。「もともと身体能力が高く上手だったが、まだ伸びしろがあった」(樋口氏)とスケーティング技術を向上させ、得点を上積みすることに成功した。また西野は「先生からは演技前に『エレガントに』と声を掛けられる」と言い、今季は指先まで神経を研ぎ澄ませ華麗に演技することを心掛けた。その成果もあり、演技構成点では日本トップレベルの評価を受けるまでに。まさに二人三脚でつかみ取った3度目の学生王者だった。2月にはユニバーシアード冬季大会が控える。「自分の力でつかんだ舞台を楽しみたい」。インカレでの自信を胸に、世界の舞台でもエレガントに舞う。