ルーキー特集 世界に通じた実力 森薗政崇

2014.03.29

 世代屈指の若武者が明大の門をたたく。「天才卓球少年」と注目を浴びてきた森薗政崇(政経1=青森山田)が舞台を大学に変えプレーする。4歳から卓球を始め、名門・青森山田中高に進学。高校では3年次の高校総体シングルス優勝。世界ジュニア選手権でもシングルス3位と好成績を収めた。2014年3月時点での世界ランキングは日本男子勢で9番目の72位。3月いっぱいはドイツでプレーしている期待の成長株だ。

頂を目指す父子

 父から受け継いだ強さがある。父・森薗誠氏は学生時代関西学生選手権を制した卓球選手。息子には4歳から卓球を教え、自分の経験を生かした指導を行った。幼少期にオールフォアのスタイルに必要な回り込むための足を徹底的に鍛えさせた。礼儀も厳しく指導。朝起きてから寝るまで卓球に関わる全ての人へ感謝の気持ちを忘れさせなかった。その指導により「人より精神的に強くなれた」と試合時の集中力につながった。「世界チャンピオンになってほしい」。父の思いを胸に、最高の環境が整う名門・青森山田中に進学した。

海外で得た武器

 世界への道を開いた。中学進学後、弱点であったバックハンドを突かれ、なかなか個人タイトルをつかめなかった。そこで中学3年次に一度ドイツに渡り、自らバックハンドの指導を求めた。高校1年の時にもドイツに再度渡り、プロチームの監督の指導によって打球点の速いバックハンドを体得。幼少期から積み重ねてきたフットワークの速さがあっての成せる技だった。そのシーズン後は「確実に別人になっていた」(板垣孝司氏・青森山田中高監督)と卓球のスタイルに磨きがかかった。両ハンドで振れる高速卓球と培ってきた心の強さで、高校3年次には高校日本一の座に立った。世界ランキングも上がり始め、国外にも活躍の場を広げていった。
 次なる目標は大学界の頂点と世界への挑戦だ。「選手一人一人の志が高く質の高い生活を送れるのが明治大学」。頂点だけを求め、新天地での躍動を誓う。