100度目伝統の一戦に劇的決着で優勝!
「明治の矜持は取り戻した」(吉田監督)。紫紺軍団が復活だ!史上100回目の明早戦で、劇的な大逆転で33―32と勝利を挙げ、14季ぶり15回目の対抗戦優勝を飾った。前半を6点リードして折り返すも、後半は逆転を許した。それでも「逆転できると思っていた」(染山)。ラストワンプレーで古屋のトライと染山のゴールで1点差で勝利。6勝1敗とし、筑波大、帝京大と並び同率優勝を果たした。3校同時優勝は史上初。大学選手権の順位付けは、得失点差で3位になった。

4年生執念
染山の逆転ゴール成功と同時にノーサイドの笛が鳴り響いた。喜びを爆発させる選手たち。主将の竹内は、まだ興奮冷めやらぬグラウンドで吉田監督とがっちりと握手を交わした。吉田監督は「選手たちを心の底から誇りに思う」と感極まり男泣き。その姿に選手、観客が涙した。後半13分で13点のビハインドとなった。それでも「不思議と負ける気がしなかった」(染山)と誰もが諦めなかった。
今年のチームの強さが詰まっていた。FW・BKが一体となったラグビーを目指し、どこからでも点が取れる攻撃力が付いた。前半は司令塔・染山、山口修を中心に展開。斉藤春、猿楽がスピードを生かしたトライで得点を重ねた。
だが、最後は伝統のFW勝負で「前へ」の精神を貫いた。PGは狙わなかった。後半32分にスクラムから、相手に反則を立て続けに誘い、認定トライ。6点を追うロスタイムではゴール前で密集戦。最後はこぼれた球を、執念で古屋が飛び込んだ。
今季は「コミュニケーション」をテーマに掲げ、ミーティングを繰り返した。その中心にいたのは紛れもない竹内ら4年生。「4年生には底知れぬ力がある」(吉田監督)。最上生のここまで積み重ねた努力、時間、思いが、この対抗戦での優勝につながった。「いつも通り練習でやってきたことを出せば勝てる」(竹内)と試行錯誤を重ね自信があった。
明早戦でのトライは、認定トライを除き、全て4年生が奪ったもの。古屋はラインアウトの軸・寺田と代わって起用された選手だった。過去3年間、タイトルも取れず、明早戦でも負け続けた。最後の執念があった。「真っ向勝負して駄目だったらまた練習して真っ向勝負。弱い自分に勝たないといけない」(吉田監督)。伝統の「前へ」の精神と、矜持を取り戻した強い明治の姿が国立にあった。
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