平井彬・関根 超大物ルーキー強さを証明!
最強ルーキー2人が初めてのインカレで、頂点に立った。平井彬嗣(政経1=市立船橋)が、他を寄せ付けない泳ぎで1500m自由形を優勝。同種目短水路日本記録保持者の力を示した。短水路200m自由形高校記録保持者で、インターハイ2冠の関根理沙(営1=神奈川総合)も不調を乗り越えて100m自由形を制した。水泳部に黄金時代到来の予感だ。
中盤から一気
日本記録保持者の肩書きはだてではなかった。序盤こそ4位につけていたが、中盤から圧巻の泳ぎを見せ、トップに躍り出る。そこからはまさに独壇場。一度も抜かれずにフィニッシュし会場を沸かせた。
レース前日にはコーチから「レースに勝つか負けるかでおまえのこれからの水泳人生が変わる」とげきを飛ばされた。「僕の水泳人生ここで終わらせるわけにはいかない」と、もっと高い次元へステップアップするために、意気込んで臨んだ決勝だった。
勝利のために
日本選手権でロンドン五輪の切符を逃し「うまく気持ちの整理ができなかった」と気の緩んだ時期もあった。朝練をサボる日もあった。その葛藤の中で前に進むためには「練習して勝つしかない」と切り替えて、自ら志願し名門・鹿屋体大での武者修行を決意。長水路1500m自由形の日本記録保持者・宮本陽輔(鹿屋体大)らと練習し己を鍛えた。「練習に対する意識改革ができた」。結果はすぐに表れる。「日本選手権ではスタート台に登った時に足が震えた」と心の弱さが弱点だったが「インカレでは落ち着いてできた」と確かな成長を見せた。
世界を目指す
次に目指すのは世界の舞台。兄の平井康翔(政経4=市立船橋)がOWS(オープンウォータースイミング)でロンドン五輪に出場したこともあり「競技者としては、見るのではなく出たい」と夢を口にした。世界への道のりは厳しいが「人生は一回きり。笑われてもいいから、やれる限り頑張りたい」と兄に負けないぐらいの貪欲さを見せた。
◆平井彬嗣(ひらい・あやつぐ)1993年千葉県出身。生後6カ月から水泳を始める。短水路1500m自由形日本記録保持者。趣味は練習へ向かう道に乗るロードバイク。172cm・67kg
日本一で復活
復活を印象付けるうれしい優勝だ。前半の50mを3位でターンすると、得意の後半もテンポを落とさず一気に逆転。まさに関根の勝ちレースだった。水泳部の同期であり、良きライバルでもある住吉茉莉(情コミ1=成田)とワンツーフィニッシュ。電光掲示板を確認すると、隣を泳いだ住吉と笑顔でハイタッチを交わした。「ワンツーフィニッシュをしよう」。レース前にはこんな約束をした。女子部員が少ない明大でお互いに支え合い、切磋琢磨(せっさたくま)する2人の絆があった。
選考会は不振
高校時代にジュニア五輪優勝、国体2連覇、インターハイ2冠と華々しい成績を残した。だが、ロンドン五輪選考会では決勝にも残れず惨敗。2月に故障した足首が完治していなかった。「しばらくは自分が落選したという実感が湧かなかった」。不調は続き、所属クラブの移籍も考えたという。それでも「自分が負けるわけにはいかない」と高校王者というプライドで立ち直った。
「目標」はリオ
入学して6カ月。スタートこそ出遅れたが、インカレ100m優勝、200m3位は十分な結果だ。目標としているのはリオ五輪。選考会の惨敗はリオへの出発点と考えている。「勝ちにこだわっていく。妥協は嫌い」。強気な姿勢で世界を狙う。4年後が楽しみなヒロインが現れた。
関根理沙(せきね・りさ)1993年神奈川県出身。2010年アジア選手権日本代表。11年インターハイ100m、200m自由形2冠。疲れた時の気分転換はピアノを弾くこと。159cm
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