平井五輪最終予選へ

2012.06.06

 ロンドン五輪まであと一歩だ!日本でただ1人OWS(オープンウォータースイミング)に本気で取り組んできた水泳部の平井康翔(政経4=市立船橋)が、今月10日ポルトガルで行われる五輪最終予選レースに出場する。幼い頃から夢見てきた大舞台を懸けた最後の挑戦。その胸の内を語った。なおOWSで五輪出場すれば日本人初となる。


――最終予選を控えた気持ちは
 五輪が決まる同じ場所で昨年W杯に出ていて、その時は9位で、既に五輪が決まっている選手にも勝っていた。わくわくもするけど、不安にもなる。でもそういう気持ちを味わえていることが幸せなことなのかなとも思う。

――最終予選への自信は
 今の取り組み方でいけばいける。4年前から目標を立ててきて、逆算して7~8割達成できている。それが自信になっている。しっかり決めて帰ってきたい。

――OWSの魅力とは
 泳力があっても勝てないところ。場所が海、川、湖だったりでトップの選手が変わるし、水温も18~30度の間でやって3分の1の人が低体温症や日射病になって棄権する。競泳みたいにこの人が絶対に勝つっていうのがない。

――競技を続ける上で苦しかったことは
 距離自体が長いから練習する時間も長い。遊びに行ったり、学校に行く時間が減った。学生だけど学生じゃない立場でもあるから、そこの気持ちの切り替えが難しかった。でも結果を出して、目標を達成したときの喜びがあるからここまで続けてこられた。

――最終予選への意気込み
 日本人で初めてOWSという競技で出るというのもあるし、1人の明大生として出たいっていうのもあるから、しっかり(五輪出場を)実現させたい。

――明大を意識する理由は
 知ってもらえるチャンスだし、自分が明大生だから興味を持ってもらえるのもある。明大の平井って認められたい。

――五輪への思いは
 極端だけど五輪に出られなかったら負け組だと思ってしまう。たかが五輪かもしれないけど、何が何でも達成したい。五輪出場も背負ってるし(今後日本の)OWSという競技がどうなるのかも懸かっている。

――OWSの行く末を背負っているというのは
 自分がこけたら日本人じゃ無理だな、自分が五輪に行けば日本できるんだなってメディアとか人の見方も変わってくる。まずは出るっていうことが大事。途中でどんなことがあっても結果の世界。あとは自分の基礎ベースを上げて、万全で臨むだけ。

◆平井康翔(ひらい・やすなり)大学1年次にコーチに誘われOWSを始める。昨年のユニバーシアードでは日本人初となる国際試合でのメダルを獲得。175cm・70kg