2冠達成驚異のストライカー 和泉竜司

2012.03.31

 高校サッカー界のスターがやって来た。FW和泉竜司(政経1=市立船橋)は、キャプテンでエースとして、昨年度の全国高校選手権優勝に貢献。2010年度のインターハイと合わせて2度、全国の頂点に立った。明大で”3度目”の日本一を目指す。


優勝の立役者

 持ってる男だ。全国高校選手権決勝、和泉がチームを優勝へと導いた。1点ビハインドで迎えた後半ロスタイムに同点弾、さらに延長戦で劇的な決勝ゴールを決めた。「優勝が決まった瞬間、頭が真っ白だった。涙さえ出なくて驚きのほうが大きい」。翌日のスポーツ紙の一面を飾り「市船の和泉」は全国に知られることとなった。高校ではエースナンバーの10を背負い、選手権でランキング3位の5得点を挙げた。2年次に出場したインターハイでも得点王にも輝いた。大舞台での勝負強さや最後まで諦めない精神力の持ち主だ。
 またゴール前でのアイディアが豊富で「得点に絡んでいきたい。常にシュートを意識している」と口にする。ドリブル、パスなど相手の裏をかくプレーが得意で多彩な攻撃のバリエーションを持っている。加えて本業のFWだけはでなく、MFもできる対応力を兼ね備えている。

大学も頂点へ

 頂点へのこだわりは人一倍強い。高校を選ぶ際にも、地元・三重の強豪校ではなく、サッカーの名門・市立船橋に進学した。高校で全国の頂点を2度も極めた男が次の舞台に選んだのは、09年度インカレ優勝、11年度準優勝の実績がある明大サッカー部。「(明大が)日本一になれるチームだから」と進学の理由を話す。
 「今は自分が出てインカレで優勝したいという思いが強い」と次なる目標を見据えている。高校日本一に満足することなく、さらに上へ向上心が尽きることがない。「大学卒業後はプロ入りが目標。将来は日本代表になって、W杯で活躍したい」舞台を大学に変え、4年間でどこまで成長できるか。日本一、そして世界を目指す挑戦が始まる。

 ◆和泉竜司(いずみ・りゅうじ)1993年三重県生まれ。小学3年でサッカーを始め、中学時代はFC四日市に所属。市立船橋高を経て明大へ。目標とする選手はバルセロナのビジャ(スペイン)。日本高校選抜、U-19日本代表候補。173 ㎝・68㎏