ラグビー・サントリー監督 エディ・ジョーンズ氏に聞く
ラグビー界では知らない人はいない、名将の中の名将。エディ・ジョーンズ監督の現在の夢は、明治大学の教授だ。なぜ明治なのか。それは明治の持つタフさにあった。彼の常にハングリーでタフな生き方は明大生に大いなる示唆を与えてくれる。
フォーカス
自分がどれだけハングリーになれるかは成功の素。そのための第一歩は夢を見つけることにある。
「ハングリー精神を得るためには、夢を持っておかないといけないと思うのですね」。ここでジョーンズ監督は10月に亡くなったスティーブ・ジョブズ氏の話を紹介してくれた。
人生でしないといけないことがある。夢に向かってフォーカスをすること。彼はハングリー精神でいるために毎日自分に向かい「今日、自分の夢に向かって進むことができたか」と問い掛けていた。
ジョーンズ監督は、このメッセージに大変共感した。
「常に何かを成功させるためには、燃えるような情熱がなければいけないと思うのですね。人にもよるのですけど、自分でそれを探し求めることができる人もいれば、そうでない人もいる。環境がそうさせてくれる人とか、コーチがそうさせてくれるとか。また失敗するのが嫌だなって自分の気持ちを高める人と、成功したいって思って自分の気持ちを上げる人もいますね」。
ジョーンズ監督自身は成功していることを夢見て、それをモチベーションに変えている。2003年のW杯決勝、彼が率いるオーストラリア代表は延長戦の末敗れ、世界一を逃した。だがそれは夢の始まりだった。「もう少しだったのですけど、優勝できなかった。その後また優勝したいなと思えるようになりました。それが自分の次の4年間の夢だったわけですね」。次のW杯で彼は南アフリカ代表の技術アドバイザーとして金メダルを獲得する。
やり続ける
誰もが全て真っすぐに成功へ直進できるわけではない。しかもハングリーに生きれば生きるほど、壁にぶつかったり失敗する機会は増す。だから、成功する上で重要なのは「タフ」であることだという。
「落ちている時にタフネスというのが大切になってくるのです。世界を見ても試合に勝つ人、お金をいっぱい持っている人、成功している人にはとてもタフ人が多いですね。なぜならミスを犯しても乗り越えられる精神があったから」世界中の成功者の多くは失敗を経験している。ミスを起こしたり、失敗を乗り越えるにはタフじゃないとできない。「私の思うタフの意味とは、状況が変わってもやり通すこと。自分の価値観の正しいことをやり続けたりとか、悪い状況の中でもやり続けること」
ではタフとはどこから生まれてくるのか。「遺伝子的なものもあると思いますし、それから大きいのは環境。ハードシップな状況」。厳しい状況に置かれれば、自然とタフになる。ジョーンズ監督もフッカーの選手としては、173cm・80kgと、小さかった。確かに昔から地区代表ぐらいまでは選ばれる力はあったが、もっと上を目指すには朝から夜まで毎日練習するしかなかった。なにより不屈の精神がなくてはならなかった。
将来は明治
貪欲に上を求める明治独特の校風は、ジョーンズ監督と通じるものがある。ジョーンズ監督が明大の教授になりたい理由もここにある。
「明治大学の印象はタフなんですよ。確信したのは(明大出身の)奥さん。彼女はとてもタフなので、やっぱり明治はタフなんだと」
さらにこうも付け加えてくれた。「明治の持っているものが好きなんです。頭のいい学生だけど、早慶とかに行けなかった学生が、明治に行き一生懸命競争するじゃないですか。なので明治に行けたら面白いかなって思っています」
最後に学生に向けこんなメッセージを残してくれた。「大学では自分が好きなこと、楽しいことを学習して、スキルとか知識を学べますよね。それは将来、自分の土台となるので必ず勉強すること。もう一つ大切なことは人間性を高めること。授業以外のところも頑張らないと駄目ですね。その二つのバランスを保たないといけません。だから授業中は居眠りしないで、自分のベットで寝ることですね」
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