創立130周年に花添える

2011.10.28

 全員野球で完全Vだ併硬式野球部が、4季ぶり34度目の六大学リーグ優勝を果たした。全ての大学から勝ち点を奪い、2008年春以来7季ぶりの完全優勝。対東大第2戦、9回2死、エース・野村(商4)が投じた渾身の一球が、キャッチャー・川辺(商4)のグラブに収まった瞬間、歓喜の時が訪れた。

 ナインがマウンド上の野村の元に駆け寄り、喜びを爆発させた。野村が、ナインが、チーム全員が待ち望んでいた瞬間だった。

 春は2005年秋以来の勝ち点2に沈んだ。「これだけメンバーがそろっていてBクラスはない」(中村(将)・法4)。屈辱だった。とにかく悔しかった。野村が5勝を挙げても、2季連続の4位。勝つには、打撃が奮起するしかなかった。

 夏のある日のオープン戦、野村に頼りきりのチームにしびれを切らした善波監督が「野村を1人にするな併」と一喝。エースへの絶対的な信頼は、いつしか甘えに変わっていた。監督の鼓舞で選手間に「打線が打って勝とう」という意識が広がる。そして自主的な打撃練習が増えていった。


 リーグ戦本番で、その思いが結果となって表れた。対法政1回戦では、野村が7失点ながら、9回2死から小川(商3)の適時打で勝利をもぎ取った。対慶応2回戦は先制2ランを浴びるも、岡((大)・政経2)の投打にわたる大活躍で逆転。4割超えの打率を残した川辺や、16打点を挙げた中嶋(法2)らレギュラー陣だけじゃない。日替わりでヒーローが現れた。

 チームは4年生を中心に、本当にまとまっていた。リーグ最終戦。初出場の藤岡(政経4)が適時三塁打を放つ。「ずっと裏方でやってくれたので、本当にうれしかった」(中村(将))。レギュラーの4年生喜び、涙を流して祝福した。

 まさに今季は“全員野球”を体現した。エースが不調でも野手が、下級生が、控え選手がカバー。「全部の試合が苦しかった。全員が助け合って勝った」(竹田主将・文4)。部員全員の思いが詰まった優勝だった。