鎧坂を超える最速ルーキーが箱根を揺るがす

2011.04.23

 「今までのルーキーの中で一番強いかもしれない」西駅伝監督にそう言わしめる、2人のスーパールーキーが明大の門をたたいた。悲願の箱根路制覇へ、すべての準備が整った。

史上最速ルーキー有村

 明大史上、最速のルーキーが現れた。その名は有村優樹(商1)。5000mの自己ベストは松本昂大選手(平22情コミ卒・現エスビー食品)や鎧坂主将(営4)といった、歴代のエースの入学時のタイムを上回る。しかし、スピードだけが武器ではない。最大の持ち味は「距離が長ければ長いほど得意」(有村)というスタミナ。事実、1万mの自己ベスト(29分23秒81)は明大ルーキー史上歴代2位だ。さらにロードにも強く、高校3年次の全国高校駅伝では主要区間の3区を担当。区間4位と好走し、鹿児島実高の初優勝に貢献した。スピード・スタミナ・トラック・ロード。これらすべての面で高いレベルを誇る有村には、即戦力の活躍が期待できるだろう。

スピードキング八木沢

 有村同様、5000mの自己ベストが松本選手らの入学時より速い八木沢元樹(商1)。タイムこそわずかに有村に劣るが、有村も「八木沢には劣る」と語るほどの爆発的なスピードを持つ。1500mの自己ベスト(3分46秒50)は、現在の明大記録を2秒近く上回る。本人も自信を持つ、ラストスパートで相手を振り切る姿はまさにスピードキングだ。また先日の第44回東京六大学対校競技大会でも1500mに出場。早大の大迫らを抑えて優勝し、そのスピードが大学でも通用することを証明した。
 八木沢の全国高校駅伝の出場は1度だけだが、千葉国体と沖縄インターハイでは日本人トップの2位入賞。第16回全国都道府県対抗男子駅伝では栃木県代表の1区で区間賞を獲得するなど、大舞台で強さを発揮する。その実力は他大からも注目を浴びたが、「練習が合っていると思った」と明大で力を磨くことを決意した。

箱根優勝へ磐石の布陣

第39回世界クロスカントリー選手権(3月20日)の日本代表にも選ばれた有村と八木沢。結果は振るわなかったが世界のトップと同舞台で走った経験は、彼らをさらに強くするだろう。今年の箱根駅伝終了後、西駅伝監督は初めて「箱根駅伝優勝」を口にした。大エースの鎧坂主将、山上りの大江(政経3)も顕在。新入生は有村・八木沢を含め、「全体的に例年よりも強い」(西駅伝監督)実力者がそろう。62年ぶりの箱根制覇が、ついに現実味を帯びてきた。

◆有村優樹 ありむらゆうき 商 鹿児島実高 174cm・56kg 全国高校駅伝3区4位

◆八木沢元樹 やぎさわげんき 商 那須拓陽高 170cm・60kg 国体5000m2位