鉄人・元木由記雄氏が語る早明戦

2010.11.30

 日本の代表キャップ歴代最多記録79を持ち「鉄人」の異名を持つ明治大学ラグビー部OB・元木由記雄氏(平8文卒)。U―20ヘッドコーチとして現役選手も知る名プレーヤーに、「明治」について語っていただいた。

苦節12年…やっときた〝この時″

 今年の明治は、手を抜かないチームになった印象。ひたむきに動いてる。ここ数年、チームでちょっと体が動いてなかったからね。FWに関しても、スクラム、モールと勝利につながるプレーで圧倒できている。ただ、慶応戦に関してはちょっとゴール前で固執し過ぎだった。止まったところからターンオーバーされるシーンが結構あったからね。時代によってスタイルが違うけど、わたしたちの時代は流れの中からトライを取ってた。

 U―20では杉本から、最近では榎とか、結構人数見ているね。いいものを持っている、力のある選手が多いな。100パーセント出せば、いいゲームができるのは間違いない。今まで(昨年度以前)の試合では出し切れてなかったからな。

 わたしが主将の時は、全員に目を掛けることを意識して、全員が充実感を持ってやれるように意識していた。Aチームがモチベーション高いのは当然やけど、それ以外の選手のモチベーションが高くないとチームがまとまらない。あとは、練習もわたしたちの時はフルコンタクトでやっていたし、ほぼ試合に近い形で、かなりきつかった。それから、絶対に妥協はしなかったし、チーム全体で常に緊張感を持ってやっていた。そういう意味で今年は杉本も衞藤もまじめだし、大工大高の後輩たちが頑張って引っ張ってるんじゃないかな(笑)。

 今年は国立にも(人が)入るだろうし、みんな期待していると思う。だから、このチャンスをつかんでほしい。こういう年にチャンスをつかめば、ずっと強い明治が続くと思います。