
最速タイ「デビュー5戦目」薗田Ⅴ
6月27日、明大の歴史に新たな伝説が生まれた。ゴルフ部所属の薗田峻輔(政経3)がミズノオープンよみうりクラシックで、大学生初のプロツアー優勝を成し遂げたのだ。過去何度も賞金王に輝いた2位谷口徹プロ(フリー)に3打差をつける通算15アンダーと、圧巻のゴルフ。プロ転向後5試合目での優勝は日本ゴルフ史でも最速タイの記録。続く6試合目も、最後まで首位争いを演じ、単独2位。そんな今、話題沸騰の薗田に本紙独占のインタビューで迫った。【取材中宗大地】
大学生 薗田の素顔
早くも一流プロゴルファーの仲間入りを果たした薗田だが、普通の大学生と変わらない一面も持っている。下級生次、試合や練習で授業に来れないことも多い中、その気さくで親しみやすい性格で常に周りには人が集まっていた。授業の合間などで行ったカラオケではEXILEを熱唱。自慢の美声を披露した。また、オーストラリア留学の経験もあり、英語は得意科目。大学の英語の授業でも発揮されていたその語学力は、全英オープンの舞台でも薗田の武器になるに違いない。また、「大会などで授業に出られない」と単位を気にするなど、学生らしい悩みも持っている。プロ転向後はさらに授業に出られないことも多くなっているが、「ゴルフだけって言われたくなかった」という文武両道を目指す薗田の気持ちは変わっていない。
高校時代の後輩の石川選手を追う形でプロの世界に飛び込んだ薗田。転向後は不安もあったという。しかし今回の躍進で、「プロになったことは間違ってなかった」と自分の選んだ道の正しさを証明して見せた。記者として、友人として、今後の活躍を見守っていきたい。
「夢の中に居るみたい」 ホールアウト後感涙「まさか遼が待っているなんて」
――5戦目での優勝は史上最速タイの優勝ですが、どう思いますか
薗田「ずっと調子は良くて、上位に食い込むつもりではいたけど、勝てるとは思ってなかった。夢の中に居るみたい」。
――優勝した要因として今までと変わったことは何ですか
薗田「プロとしての身の振りが分かってきたことかな。今まではホールアウトの仕方とか、プロとしてのセッティングとか、慣れない面が多かった」。
――技術的な面では何かありましたか
薗田「チャンスどころを確実に取れたのが大きい。あとやっぱり運もあった。初めての経験は失敗がつきものなのに、それが順調にいったということは運が良かったってこと」。
――ターニングポイントはどこでしたか
薗田「最終日13番ホール。そこまでスコアが伸ばせず、耐えのゴルフが続いていた。でもそこでバーディーが取れて、流れが変えられた」。
――優勝スピーチで涙を浮かべましたが、その時の気持ちはどうでしたか
薗田「過去のいろいろなことを振り返って、今までやってきたことが間違ってなかったと実感できて。あと、終わった後ギャラリーがおめでとうと言ってくれたり、先輩たちがグリーンサイドで待っていてくれたりしたのを見たら、涙が込み上げてきた」。
――石川遼選手(パナソニック)も待っていてくれましたね
薗田「まさか待っているとは思わなかった。既に泣いていたけど、そこでまたありがとうって気持ちで泣いてしまった」。
――優勝後、周りから反響はありましたか
薗田「携帯を見たらメールが(150通くらい来てて、その後も一日中ずっと鳴りっぱなしで、充電が間に合わなくなるくらいだった。次の日に機種変した(笑)」。
――全英オープンの出場権も獲得しましたが、どう思いましたか
薗田「初優勝に全英が付いてくるとは思わなかった。ゴルフ発祥の地でいきなりできるなんて、運がいい。こんなチャンスはあんまりない。何て言ったって4大メジャーだもん」。
――部や仲間のサポートはありましたか
薗田「監督とはメールのやり取りはしていたし、いろいろな人の支えがあった。部活の仲間にキャディーしてもらったりして、本当に力になってる。心強かった」。
――今後は部とどういう関係を築いていきたいですか
薗田「このままというより、より一層深く付き合っていきたい。忙しいのは理解してくれてるし、時間をつくって後輩に指導したいとも思ってる」。
――改めて振り返ってどういう気持ちですか
薗田「これが奇跡だとしても、勝つっていうことがどういうことかは分かった。これだけ早く勝てたのはかなり自信になった。今後もっとは楽になると思うから、これからどんどん勝っていきたい」。
◆薗田峻輔 そのだしゅんすけ 政経3 杉並学院高出 178㎝・85kg
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