J1山形に3-0圧勝! 11・15ベスト8懸け新潟戦!!

2009.11.05

 2年越しの悲願が今年ついに達成された。モンテディオ山形相手に3―0で完勝。大学勢史上初のJ1撃破だ。おととし、J1清水エスパルスの前に惜しくも散ってしまった夢は、再び戻って来た天皇杯の舞台で紡ぎ直された。

圧倒的な勝利

 秋晴れの下、運命の一戦のホイッスルは吹かれた。試合開始直後こそ押し込まれ気味だったものの、J1相手に物おじしないプレーを見せる。そして27分、小林(裕・政経3)のコーナーキックのこぼれ球をエリア外から三田(政経1)がねじ込み、先制。湘南ベルマーレ戦に続き、ルーキー三田が再び大仕事をやってのけた。まさかの失点で前掛かりになるモンテディオ山形の攻撃陣を冷静に処理しながらも、攻撃の手を緩めない本学。1得点のみに終わった前節から、「次を狙う大事さを学んだ」(山田・政経3)と、貪欲(どんよく)に追加点を狙う。後半開始から15分、その姿勢が実を結ぶことになった。山田のパスをトラップ、反転した山本(紘・政経3)が右足を振り抜きネットを揺らす。「久保(法3)の分も」(山本(紘))と、直前のケガに泣いた同期にささげるゴールだった。さらに、試合終了5分前には途中交代で入った阪野(商1)が都丸(政経4)からのパスを冷静に沈め、3点目。点差だけでなく内容でも終始相手を圧倒した本学が、ベスト16へと駒を進めた。

全員サッカー

試合後に、ピッチと一体になり喜ぶ応援席
試合後に、
ピッチと一体になり喜ぶ応援席

 この試合、ゴールを記録した三田、山本(紘)、阪野。さらにそれをアシストした小林(裕)、山田、都丸。前線の選手6人で奪った3ゴールは、まさに本学攻撃陣全員で勝ち取った3ゴールだった。さらに前節に続き、2試合連続での零封。相手エースに決定的な仕事をさせなかった守備陣もこの試合の立役者だ。シュート数を見ても、相手の5本に対し、本学は10本と圧倒。全員サッカーで勝ち取った勝利はまさに「完勝」(神川監督)だった。

夢物語の続き

 J1を倒すという2年越しの目標は達成された。しかし、「満足という言葉は存在しない」(山本(紘))と、本学の挑戦はとどまるところを知らない。次の4回戦の相手はアルビレックス新潟。現在J1で6位に位置する日本屈指の強豪だが、再び番狂わせを演じてくれるはずだ。サッカー部が全員で紡いだ夢の続きはまだ終わらない。

[中宗大地]
神川監督

<番狂わせ起こした神川采配>

 J1チームを相手に3得点無失点と完勝した本学。神川監督はモンテディオ山形の直前の試合に自ら赴き、相手チームの戦略をしっかり把握していた。モンテディオ山形の攻撃は長身のFW、長谷川選手に速いクロスボールを当てて得点を奪うというパターンだ。明大のDF陣はそれを徹底的にマークした。するとモンテディオ山形は完全に攻撃の要を失った。「ここまで空中戦に強いイメージはなかった」(モンテディオ山形・小林監督)。策士と知られる小林監督も明大のこれほど徹底的なディフェンスは想定外だったようだ。さらに「コーチの進言で起用した」(神川監督)という日野(営3)の活躍もまた小林監督の予想を超えたものだった。

 明暗を分けた両監督の戦略。天皇杯史上初の番狂わせも偶然の出来事ではなかった。