
J2湘南倒した!!天皇杯 プロに勝利
明大サッカー部が、三田(政経1)のゴールでJ2・湘南ベルマーレを撃破した。プロを破る原動力となったのは、「J1に勝とう」という、進化を求める強い気持ち。2年ぶりに帰ってきた天皇杯の舞台で大金星を挙げ、31日にはいよいよJ1・モンテディオ山形戦に挑む!
思い切り走り込んだ先に、ゴールが待っていた。前半31分、ボールを持った山田(政経3)が左サイドを駆け上がり、ゴール前を素早く見た。久保(法3)が敵を引き付け生まれたスペース。そこに三田が走ってくるのが見えた。「山田さんを信じて飛び込んだ」サ三田がすべり込みながら伸ばした左足。そのシュートがGKの脇をすり抜けネットを揺らすと、会場に歓声とため息が交錯した。三田に駆け寄り抱き合う選手たち。顔をくしゃくしゃにして喜んだ。

ゲームの序盤から
積極的にゴールを狙い、シュートを放つ三田
「J1に勝つ」
まだ寒い2月、チーム始動の日に誓ったことがある。「J1に勝とう」。2年前の天皇杯でJ2を破り、さらに当時J1で4位だった清水エスパルスをPK戦まで追い詰めた。その経験がチームの意識を高めた。「自分たちでもあれだけできると分かった。次は勝つ。そうしなければサッカー部としての進化じゃない」(神川監督)。長い天皇杯の歴史の中で、大学生がJ1を破ったことはない。日本のサッカー界を揺るがしかねない大勝負に、監督も選手も本気で勝ちにいっている。「2年前みたいにただいい試合をするだけで終われない。勝たなければ意味がない」(山田)、「とにかく、勝ちたい」(久保)。目標はプロと戦うことではなく、プロに勝つことにある。 固い意志を支えるのはチームを思う気持ち。「僕たちはまとまっていかなければいけない」(田中(政)主将・営4)。チームを思う姿勢は主将自らが示してきた。ベンチを外されケガに苦しむ中、サポートに回った。「主将があんなに頑張っている」(三田)。プライドも悔しさも、チームを思う気持ちに変えた。
仲間を信じて
同じようにプロを下した2年前。その舞台に立っていたのは、北京五輪代表の長友佑都選手(平21政経卒・現FC東京)やJリーグ強化指定選手ら、そうそうたるメンバーだった。今年、ピッチの中に五輪代表はいない。強化指定の選手もいない。けれどもピッチに立つ選手には、サッカー部全員がついている。この試合、久保がスペースをつくっていたから、山田がそれを知っていたから。そして三田が山田を信じて飛び込んだから――。チームを信じてつないできたパスだからこそ、ただの1点ではなかった。 試合終了のホイッスルが鳴り、広い競技場に明治の応援歌がこだまする。応援席を見上げた選手が、力強くうなずいた。「J1に勝とう」。あの日の誓いを達成するまでは、立ち止まりはしない。この仲間と共に、必ず勝ちにいく。
<10・31 次はJ1山形戦>
日本サッカー界頂点のJ1のチームと一大学が真剣勝負を繰り広げる。そんな夢のような試合が現実のものになる。本学の相手はモンテディオ山形。昇格1年目ながらリーグ13位(10月25日現在)と奮闘。また、本学サッカー部OBの石井秀典選手(平20営卒)も所属している。
今大会から、「Jクラブはその時点における最強のチームをもって公式試合に臨まなければならない」(Jリーグ規約第42条)とする、通称ベストメンバー制が規定された。この規約によって、本学は本気のJクラブと戦うことができる。
苦戦は必至だが、本学は「J1に勝つことを目標にやってきた」(神川監督)。J2を圧倒できるほどの確かな実力もある。夢舞台での勝利は決して届かぬ夢ではないはずだ。10月31日、決戦の火ぶたは切って落とされる。
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