橋口が3位入賞 講道館杯出場を決める/全日本学生体重別選手権

2015.10.03
 体重別の学生日本一を決める全日本学生体重別選手権1日目は、60kg級、66kg級、73kg級、81kg級の4階級で試合が行われ66kg級の橋口祐葵(政経3=延岡学園)が3位入賞を果たした。各選手各階級で奮闘を見せたが、ベスト8以上の選手に与えられる11月の講道館杯への出場権を獲得したのは橋口のみにとどまった。

 リベンジはならなかった。橋口の準決勝の相手は9月に行われた東京学生体重別選手権で敗れた藤阪(日体大)。橋口は開始から藤阪の組み手をうまくさばき続けペースをつかませない。しかし指導差1でリードしたまま残り2分を切ったところで「投げたい気持ちが出てしまった」(猿渡琢海監督)と、投げにいったところの一瞬のスキを突かれた。痛みを抱えていた腰が影響し、踏ん張ることができなかった橋口。ポイントを奪われるとその後は反撃及ばず優勢負けを喫した。
 それでもさらなる進化の兆しは見えた。国際大会での輝かしい成績を持つ橋口だが、国内ではライバルたちから徹底的にマークされ、大学に入ってからは学生大会でのタイトル獲得はゼロ。準々決勝では腰のケガが悪化し準決勝への出場が危ぶまれたが「橋口と相談したら『いきます。やります。勝ちます。』と三つ言葉が出てきたので、じゃあ勝ってこいと送り出した」と猿渡監督。優勝にこそ届かなかったが、大会を通じて得意とする袖釣込腰以外の技でも着実にポイントを重ねた橋口を、猿渡監督も「進化している」と評価。今年最後の個人戦となる来月の講道館杯では、さらに進化した軽量級エースが頂点を狙う。

 2日目となる明日は90kg級、100kg級、100kg超級での試合が行われる。東京学生体重別選手権、全日本ジュニア選手権と2大会連続で決勝対決を繰り広げた100kg超級の小川雄勢(政経1=修徳)、田中源大(政経1=高川学園)を筆頭に明日の出場は6人。10月末の体重別団体戦に向けても重量級選手の個人戦での活躍で弾みをつけたい。

[鈴木拓也]

試合後のコメント
猿渡監督

「(入賞は橋口の一人となったが)60の秋元も強くはなったが、自分の形が決まっていないし、形に合った技がない印象かな。自分の本当の得意技を持っていないばかりに、竸った試合になった時に勝ち切れないで負けてしまう。団体戦のメンバーにもなってくると思うので、1カ月くらいで仕上げていきたい。ゴールデンスコアになってからは気持ちの面で後手に回ってしまったので、ポイントを取れなくても自分から前に出ていかないといけない。66の水野には試合が終わってからも話をしたが、いろんな悪いところがあるので、それを良いところにできるようにね。攻めの遅さとか、単調なリズムとか。今やっている柔道は高校では通用するけど、大学では通用しないとここで分かったと思うのでね。プライドはあると思うけど、それを1回リセットして、貪欲に強さを追い求めてほしい。81の金山はこの2年間で負けた渕原(日体大)とは4、5回やっているのかな。勝っているのは団体戦の1回だけど、それで本人も自信を付けたと思う。でもその時に勝った技とかは今日はもう通用していなかったので、もっともっと柔道を進化させていかないといけない。自分のリズムでの自分のスタイルというのを貫いていかないと今後も勝てないと思うので、そういうことを胸に置いて頑張っていってほしい。73の立山は4年で最初で最後の全日本学生で、それはようやく全日本学生のレベルに入ってきたということ。これが2年とかで出ていたら、今日はもっと上位にいけたということがあるかもしれないけど、朝トレとかを見ていると長距離は必ず一番で帰って来るし、コツコツやってきたものというのが発揮できたかな。尼崎でもメンバーに入ると思うので、上積みを増やしてもらいたい。(橋口に関して)今日に関しては良い柔道をしたと思う。先手先手で相手にプレッシャーを掛けながらね。でもベスト8で持っていたケガが悪化してしまって、準決勝では本来ならこらえられるところをこらえられないで投げられてしまった。それをケガのせいにしたらそれまでだけど、ケガをしてしまった橋口にも弱いところがあるから、ケガをしないような体づくりをもう一度学びながら尼崎を迎えてもらいたい。柔道自体は進化していると思うし、これからも楽しみな選手だからここで負けたからってへこむのではなくて、もっと強くなってもらいたい。準決勝では組手をさばいてさばいて最初に指導を取ったような柔道をしていれば勝てたと思うんだけど、やっぱり投げたいという気持ちが出てしまったのかな。がっつりと持ってしまって普段の腰じゃない腰で受け止め切れなかった。(ケガが悪化した準決勝前は)橋口と相談したら『いきます。やります。勝ちます。』と三つ言葉が出てきたので、じゃあ勝ってこいと送り出した。中学、高校と学生タイトルを取っているので、大学でのタイトルもやっぱり取りたかったのかなと。今年の個人戦は講道館杯だけなので、負けた内容をしっかりと反省して、次に向けて整理して優勝を取りにいってほしい」