(男子)圧巻の演技で佐藤優勝 大島3位で表彰台へ/東日本選手権

フィギュアスケート 2023.11.06

 大会2日目、男子FS(フリースケーティング)が行われた。佐藤駿(政経2=埼玉栄)が優勝、大島光翔(政経3=立教新座)がSP(ショートプログラム)4位から追い上げ、総合3位、松井努夢(政経4=関西)が総合14位につけた。今大会の結果により、佐藤、大島が全日本選手権(以下、全日本)出場を決めた

 

◆11・3~5 東日本選手権(テクノルアイスパーク八戸)


(写真:東日本優勝の佐藤)

 

 SPに続きFSの6分間練習でも調子の良さをうかがわせた佐藤。冒頭の4回転ルッツから始まり、3回転ジャンプのコンビネーション、4回転トーループと3回転トーループの連続ジャンプと、大きく加点の付く精度で演技が進んでいく。以降、4本のジャンプも大きなミスなく決める。終盤、『冬』のメロディに乗り懸命にステップシークエンス、コレオシークエンスを踊り、観客の視線を離さなかった。ノーミスの演技にスタンディングオベーションが起こり、まさに圧巻の4分間だった。演技を振り返り「スピンで少し取りこぼしがある。そこを合わせていければいいのかなと思う」と、今大会以上の結果を追求する意気込みを見せた。スケーティングや表現面も磨きをかけ、総合284.87点を記録した。世界トップへと駆け上がる姿に注目が集まる。


(写真:総合3位の大島)

 

 SP4位からノーミスを目指しFSに臨んだ大島。冒頭2本のジャンプでは着氷を決め切ることができなかったものの、3本目のトリプルアクセルからの連続ジャンプはきれいに成功させた。楽曲の劇的な変化をモノにし、観客を魅了する。後半、3回転の連続ジャンプでは、オーバーターンがありながらも2本目のジャンプを付け、最後まで懸命に滑り切った。「6分間練習もすごくいい状態で、試合直前の気持ちの面も本当にいい状態だった。自信を持って臨めていた中で失敗が多くなってしまった演技だったので本当に悔しい」。SPから順位を上げて総合3位につけたが、力を発揮し切れず悔しい思いが残る大会となった。全日本の舞台で悔しさを晴らすべく、修正を積み重ねていく。

 

(写真:総合14位の松井)


 魔法使いを思い起こさせる黒い衣装を身にまとい、空中に文字を描く動きから始まる松井の『ファンタスティック・ビースト』。滑らかな滑りで3回転トーループとダブルトーループの連続ジャンプを確実に決めた。2本目の3回転サルコウは途中で足が開き両足着氷となってしまうが、立て直した演技中盤ではリンク中心で美しいイナバウアーを披露。その後も磨き上げたスケーティングで緩急をつけた演技を見せた。しかし最後のダブルアクセルで転倒してしまい、演技の反省点は「やはりジャンプのミス」と悔しさをのぞかせた。3回転ジャンプはサルコウとトーループでまとめたプログラムで戦う以上、少しのミスでも命取りになる。松井の総合順位の上に1点差で2人がつけたことに「『アクセルでこけなかったら』とか『サルコウが跳べていたら』と考えてしまう」と複雑な心境を吐露した。しかし今回の演技では今まで課題としてきた後半の体力消耗への克服を実現した。長い手足を生かししなやかに入った最後のスピンではレベル4を獲得。「一番加点が付いていたのでそれが最後まで諦めなかった証拠」と、体力的に厳しい後半部分を制した。全体を振り返って、ジャンプのミスを惜しみながらも「緊張とか不安とかももう全てを楽しもうと思って滑ったから、楽しかった」と前向きに壮大な魔法の物語の幕を閉じた。

 

 ラストシーズンとなる今年度はシングルでの全日本出場を大きな目標に掲げてきた。そのため全日本への出場権が懸かった今大会に懸ける思いは特に強かった。松井にとって最後の東日本。結果は悔しいものとなったが、これまでの成長と強い気持ちを乗せたFSとなった。

 

 7月に新シーズンが開幕し5カ月目に突入して行われた今大会。3選手それぞれが地方競技会や東日本学生選手権などに出場し試合数を重ねてきた。進化の過程で得る手応えや悔しさは、大舞台での飛躍の糧になるだろう。これまでの思いを胸に、次戦に向けてひたむきに歩み続ける。

 

[新村百華、守屋沙弥香]

 

試合後のコメント

佐藤

――今日の演技を振り返っていかがですか。

 「序盤から非常に落ち着いて演技ができていて、冒頭のルッツから流れをつかんでいって、 ジャンプはほぼ大きなミスなく終えることができていたのですが、スピンで少し取りこぼしがあるという風に言われたので、そこを合わせていければいいのかなと思っています」

 

――自分の演技の内容と点数の出方はどのように感じましたか。

 「昨シーズンだとノーミスの演技で、おそらく180点くらいが限界点になったと思っていますが、同じ内容でそれよりも高い得点を出すことできたのは、5コンポーネンツ(演技構成点)も含めて昨シーズンから上手になってきている証拠かなと感じます。でもこれ以上できることはたくさんあるので、もっともっと頑張っていって、本当にトップの選手と戦えるように頑張りたいと思います」

 

大島

――FSの演技を振り返っていかがですか。

 「FSもSPに引き続き、本当に6分間練習もすごくいい状態で、試合直前の気持ちの面でも本当にいい状態で、自信を持って臨めていた中で、失敗が多くなってしまった演技だったので、自分の中で本当に悔しいなという演技でした」

 

――全日本に向けて今一番克服していきたいことや、どのような全日本にしたいかを教えてください。

 「今回の試合では本当にもう数え切れないくらいの課題が見つかったので、今回の演技が全日本ではなくて本当に良かったなと心の底から思いますし、ここから1カ月くらい修正する期間があるので、そこに向けてどんどんやるべきことを徹底的にたたき直して、全日本では本当の演技ができるように頑張りたいなと思っています」

 

松井

――演技を振り返ってみていかがですか。

 「悔しいけれど、最後まで諦めずに滑れたことは良かったです。最後のスピンできちんとレベル4が取れて一番加点が付いていたので、それが最後まで諦めなかった証拠かなと思います。まさかのところでジャンプが開いてしまって、その後うまく立て直せたけれど、最後少し足が持っていかれてしまった感じでした。仕方ないとけれど、出し切ったかなと思います」

 

――ずっと大きな大会としてきた東日本にはどのような気持ちで臨みましたか。

 「最後、シングルで全日本に出たかったなというのがあり一番親に見せたいというか現地に連れて行ってあげたかったです。確かにアイスダンスで昨年度出たけれど、やはりシングルでどうしても行きたいという気持ちがあって、ラストシーズンというのも自分の中であってこの試合に懸ける思いは大きかったからやはり悔しいです。やり切ったし、頑張ったと思うけれど、でも悔しいという気持ちもあって、結構複雑です。でも緊張や不安ももう全てを楽しもうと思って滑ろうと思ってやったから、楽しかったです」


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