明大対決制し藤原が優勝 シングルス2人、ダブルス1組が表彰台入り/全日本学生選手権

バドミントン 2023.10.13

 9日から始まった全日本学生選手権(以下、インカレ)個人戦も12日に最終日を迎え、各種目の準決勝と決勝が行われた。明大から勝ち進んだ4人が出場し、男子シングルスで藤原睦月(商1=埼玉栄)が優勝、武田航太(政経3=埼玉栄)が準優勝、男子ダブルスでは宮下怜(政経2=埼玉栄)・栁川蓮(商2=瓊浦)組がベスト4となった。昨年度に続き、明大の1年生が男子シングルスの王者に輝き、インカレの舞台で強さを見せつけた。

 

10・7~12 全日本学生選手権(パロマ瑞穂アリーナ他)

男子シングルス

 藤原――1位

 武田――2位

男子ダブルス

 宮下・栁川組――ベスト4

 

[男子シングルス]

 明大から2人が準決勝に進出した。藤原は法大の増本と対戦。身長差のある相手に「攻められたら勝てないと思ったので自分からスマッシュを打っていった」(藤原)と、得点を重ね第1ゲームを21―12で取る。第2ゲームでは開始から7連続得点と勢いを見せる。ネット付近に相手を引き寄せて後ろに球を打ち込むなど自身で展開をつくり、21―7と快勝した。

 

 昨年度のベスト16から躍進した武田は早大の池端と対戦。第1ゲーム開始で3点連取し、流れを渡さず11―5でインターバルに入る。長いラリーでも集中して得点し、一度もリードを譲らず21―16で第2ゲームへ。序盤で5点を連取、相手のネットミスも見られ11―4で折り返すも、後半は相手の鋭い攻撃が決まり点差を詰められる。20―20で追い付かれたが、ネット際に攻めたヘアピンから相手に球を上げさせて22―20で勝負を決めた。

 

 武田が準決勝の勝因に挙げたのは百上拓海主将(政経4=埼玉栄)の存在だった。「強気でいくことと低い展開でやっていこうと言ってくれた。ベンチについて励ましてくれたのが一番大きかった」(武田)。コートのそばで後輩の試合を見守っていた百上は「自分はもう負けてしまっていて、団体戦も負けてしまった分、どうしても勝ってほしかったので相手の分析もした。試合では自分が言ったことを受けてやってくれていたし、それで結果も付いてきていたのでうれしかった」。勝利の裏には、チームメートを支え続ける主将の姿があった。


(写真:準決勝を終え、百上主将とタッチを交わす武田)

 

 迎えた決勝は武田対藤原の明大対決。スタート直後から藤原の速く力強いスマッシュが決まるも、前半は武田がリードする展開に。それでも「自分のプレーを出せれば点数を取れる。落ち着いて焦らずに一本ずつ取ることを意識した」(藤原)と、一時5点の差があったが13―13で藤原が追い付く。そこからは流れを渡さず、クロスヘアピンやドロップショットを決め21―14で藤原が第1ゲームを取った。勢いは止まらず第2ゲーム序盤で藤原が9連続得点。後半、武田が果敢に攻めるも「追い込めたと思っても返ってくる」(武田)と、藤原の好レシーブが光る。藤原は一度もリードを譲らず、21―12で勝利。雄たけびを上げ、コートに寝ころび喜んだ。

 

 高校時代からの先輩・後輩でもある武田と藤原。練習を共にした相手でもあり、お互いのプレーを予測できる面もあった。だが、藤原は「練習と大会は全然違って、勝ちたい気持ちだったりメンタル面が違っていてそれがプレーに出たりもする」と、インカレ決勝の雰囲気や緊張を感じながらプレーをしていた。「武田先輩が最初からすごく攻めてきているのが分かったので、それを逆手にとって低い球を出したりした」(藤原)。相手を捉えて冷静にプレーし、自分の流れをつかんだ上で勝利。1年生でインカレ王者に、そして藤原にとって初の全国タイトルとなった。

 

[男子ダブルス]

 宮下・柳川組の準決勝の相手は日大の小川・熊谷組。第1ゲームは相手の勢いに押され17―21で落としてしまう。第2ゲームはミスを抑え、攻めの展開を多くつくり21―15で第3ゲームへとつないだ。「相手も絶対に出だしからいくのが分かっていたので、自分たちも出だしから付いていこう」(宮下)と話し合い臨んだ。序盤から両者譲らぬ展開で進む。2人でストレートに攻める形が効くも、点差は広がらず相手を追いかける。相手の返球に体勢を崩し食らいつく場面もあったが、惜しくも得点につながらず。巻き返しを図れず17―18から得点を連取され、17―21で黒星となった。

 

(写真:ベスト4の宮下(左)・柳川組)


 団体戦に続き、個人戦でも明大勢が躍動した。個人戦の結果により、武田、藤原、宮下・栁川組は12月末に行われる全日本総合選手権(以下、全日本総合)の出場権を獲得した。一戦でも多く勝ち抜く姿に期待がかかる。

 

 そして、このインカレをもってチームは新体制へと移り変わる。今年度、東日本学生選手権では男女共に優勝、全日本インカレは男女共に準優勝と、団体戦で好成績を残した明大。会場ではベンチや客席からの応援、一丸となって目標に向かうチームの姿があった。今後も、個の力が合わさり成し遂げられるチームの活躍から目が離せない。


[守屋沙弥香]

 

試合後のコメント

武田

――決勝を終えた気持ちとしてはいかがですか。

 「決勝に行くまでは百上先輩や同期の本田(光・商3=埼玉栄)とかがベンチに付いてくれていて、そのおかげでここまで来られたのでそこがうれしかったですね」

 

――決勝の試合を振り返っていかがですか。

 「自分のプレーをできたところもあったけど、相手がやりたいようにやらせてしまっている部分もあったので、相手に好きなことやらせないようにするのが必要になってくるかなと思います。藤原選手は速さがあって、自分はスピードがあまりなくて相手を動かすプレースタイルで、それにも限界があると思うので攻撃のパワーをつけないといけないのかなと思います」

 

――全日本総合ではどのような目標を持って臨みますか。

 「全日本総合はずっと出たいと思っていた大会なので出られることがうれしいです。一試合一試合、自分のプレーができたらいいなと思います」

 

――明大の男子シングルスには実力のある選手が他にもいらっしゃいます。その中で武田選手もシングルスということで立ち位置としてはどのように感じていましたか。

 「苦しい状況で、宮下、藤原、百上先輩、本田もいて、団体戦で出られないときもありましたが、そういう時でも腐らずに練習できたのが良かったのかなと思います。後輩たちが強くて帰ってからも大変ですけど、めげずにやっていきたいです」

 

藤原

――準決勝ではプレーをしながらどのようなことを考えていましたか。

 「関東選手権で負けている相手だったので、挑戦者の気持ちで自分が向かっていく立場だと意識していました」

 

――決勝は高校時代からの先輩との対戦になりました。

 「先輩なので少しやりづらいのもありますけど、決勝までいっているので負けられないので、準決勝のように自分から攻めていく展開をつくっていこうと最初から思っていました。第2ゲームの最初で大きくリードして打ち疲れはしましたけど、リードは絶対渡さないように強い気持ちでやっていたのでそれが点数につながったかなと思います。2ゲーム目の序盤と終盤で自分の攻めが決まってきて乗ってきたなとは思っていましたね」

 

――優勝を目指した上で目標を達成しましたか。

 「そうですね、インカレが始まる前から、団体と個人で優勝、個人のダブルスも全日本総合まではいけたらいいなと思っていましたがダブルスは負けてしまって。それでも自分の本業であるシングルスで優勝できて良かったです」

 

――1年生で優勝したことについてはどのように思っていますか。

 「去年、宮下先輩が優勝していて自分にもチャンスがあるなと思っていたので、しっかりここで優勝して、この先の全日本総合や上の舞台で活躍できたらなと思います」

 

――これからどんな選手になっていきたいですか。

 「まだ配球とかの精度だとかが実業団の選手にはかなわないと思っているので、一本一本の精度をもっと追求して、余裕をもってプレーできるような選手かつ強気で自分のプレーを見せたいと思います」

 

宮下

――全日本総合に向けて強化していきたいところを教えてください。

 「サーブ周りだったり、連続で打ち切ること、あとは自分は前はやらないですけど前に入った時にしっかりつぶしていけるようにしたいです」

 

――個人戦全体を終えて感じたことはありますか。

 「ダブルスは割と良かったですけど、シングルスで自分はやらかしてしまって、去年優勝している自分が負けてしまったので、来年はベスト4に4人明治が残れるぐらいの気持ちでできるようにシングルスの方も鍛えていきたいです」

 

柳川

――個人戦を通して感じたことはありますか。

 「去年がベスト32だったので、全国でどれだけ戦えるかというところで、今大会で割と差はなくて、勝っても負けてもおかしくないぐらいのところには来ていると思うので、いい経験ができたと思います」

 

――全日本総合や来年度に向けての意気込みをお願いします。

 「団体も個人も優勝を狙って、エースダブルスになると思うのでチームを引っ張っていけるように頑張っていきたいです」


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