渡部春雅2冠! 男子は3種目で表彰台に/全日本大学対抗選手権

2023.08.29

 全日本大学対抗選手権(以下、インカレ)が25日から千葉県にて開幕。まずはトラック競技が3日間にわたって行われた。男子は優勝こそ逃したものの、合計3つの種目で表彰台へ。トラック総合順位も4位につけた。また、唯一の女子部員である渡部春雅(政経3=駒大高)が2つの部門で優勝に輝き、来月3日に控えるロードへの期待を膨らませた。

 

◆8・25~27全日本大学対抗選手権(TIPSTAR DOME CHIBA)

▼男子タンデム・スプリント

 吉田・本田――3位

▼男子マディソン

 片岡・小泉――3位

▼男子チームスプリント

 野中・吉岡・吉田――3位

▼男子4キロ・チームパーシュート

 小池・片岡・小泉・海老島――4位

▼男子ケイリン

 野中――4位

▼男子1キロタイムトライアル

 野中――6位

 吉田――10位

▼男子4キロ・インディヴィデュアルパーシュート

 片岡――6位

▼男子スプリント

 吉岡――ベスト8   

▼男子オムニアム

 鈴木――10位

▼トラック男子総合

 明大――4位

 

▼女子オムニアム

 渡部――1位

▼女子3キロ・インディヴィデュアルパーシュート

 渡部――1位

▼トラック女子総合

 明大――4位

【女子】

 圧巻の走力だった。唯一の女子部員である渡部。3キロ・インディヴィデュアルパーシュート(以下、3キロ個抜き)とオムニアムに出場した。1日目から登場し、3キロ個抜き予選を2位で通過。そして、2日目の決勝では序盤からリードを保ち続け、相手に6秒以上のタイム差をつけて優勝した。自身の予選タイムも上回る結果に「自信を持って、安定した走りでいこうと思っていた。放送などで流れている状況を聞きながら走っていたので、余裕を持って走れた」と振り返った。

 

 3日目はオムニアムに出場。1日で中距離4種目を行い、総合成績で順位を競うハードな種目だ。「いい流れが来ると思ったので、最初(の種目)は狙っていた」と、第1種目のスクラッチを1位でゴールし40ポイントを先行。第2種目のテンポレースは激しい落車によりレースが一時中断する展開に。それでも「気持ちを切らさずに、再開してもしっかりと走れた」とポイントを重ね、レースを制した。続くエリミネーションも制し、迎えた最終種目は20キロのポイントレース。「自分がポイントリーダーだったので、自信を持って落ち着いていた」。試合は5周回目以外すべての周回で得点し、終盤には1ラップ認定を得るなど52ポイントを獲得し1位。4種目合計172ポイントを積み重ね、2位に23点差をつける断トツの優勝だった。振り返れば全ての種目で1位と、パーフェクトレースで相手を微塵(みじん)も寄せ付けなかった。

 

 来月3日には自身の2連覇を懸けたロードが控える。「ロードはロード。また考えて挑戦する気持ちで、攻められたらいい」と意気込んだ。トラックでの走りから状態は万全だ。


【男子】

 2日目のチームスプリントには野中龍之介主将(営4=法政二)・吉岡優太(政経4=取手一)・吉田唯斗(政経2=学校法人石川)が出場。「スタートの前からすごく名前を呼んでもらった。去年まで応援が禁止だったので、気合いが入った」(吉岡)と会場の声援が糧に。予選を自己ベストに近い46.656秒の3位で終え、法大との3位決定戦に回った。その法大戦は「トップスピードを落とさずに、むしろ上げる勢いで3走に渡した」(吉岡)。滑らかな交代を通じて3走までリードを保ち続けた。「僕たちならいけると、自分に言い聞かせた。しっかり準備して、何とか走りました」(野中)と振り返り、1位の日大が学連記録を塗り替えるほど高レベルな本種目で堂々の3位入賞を果たした。

 

 2人1組となって走者を交代しながら順位を競うマディソン。明大からは片岡遼真(法3=福井県立科学技術)・小泉響貴(政経2=浦和北)が出場した。予選では全周回でポイントを獲得し、3位で順当に決勝へ進出。迎えた決勝、走行距離は40キロと予選と比べて3倍もの長さになった。試合は「積極的に前で展開できた。想定していたレースプラン通りだった」(片岡)と、序盤からポイントを重ねる。日大が落車した影響もあり、レース中盤ではポイントリーダーに。ただ、後半は「自分も片岡さんも相当きつくて、逃げに乗ることができなかった」(小泉)。マークしていたという鹿屋体大に集団から離され、ラスト4周回はポイントを獲得できず。それでも前半の戦い方が功を奏し、最終順位を3位とし表彰台へ。「最低の目標が表彰台に乗ることだった。それを達成できてやっぱり嬉しい」(片岡)と喜びを口にした。

 

 2人乗り用の自転車に乗って周回タイムを競うタンデム・スプリント。吉田唯斗(政経2=学校法人石川)本田音輝(営1=松山工)の低学年コンビが出場した。予選を3位で通過し、3日目の準々決勝も順当に勝ち進めた。しかし、準決勝は強敵・日大の走力に苦しめられた。3本勝負となったが立て続けに2本を取られて敗退。「僕たちの実力がないことが原因で負けてしまった」(吉田)と悔やんだ。それでも3位決定戦・朝日大では「配信を見返して、悪かったところを改善できた」(本田)。2本を先行し、見事に3位入賞を果たした。実は彼らは今夏に組んだペアであり、いわば〝即席タンデム〟だった。「普段からお互いのコミュニケーションを大切にしていて、高め合っていた」(吉田)と、短期間での信頼形成が表彰台へのカギとなった。

 

 3日間にわたるトラックを戦い抜いた明大。各種目でポイントを積み重ね、男子は総合順位を4位につけた。そして、来月3日にはロードが開催。その舞台は長野県大町市美麻地区に移る。明大は前回大会のロード総合王者であり、昨年度の主力の多くが在籍。総合3位・鹿屋体大との4ポイント差も十分に逆転可能だ。「トラックでもポイントを取れたので、ロードでもポイントを取りたい。自分は積極的に逃げて、〝明治のため〟に走れればいい」(小泉)。ロード総合連覇、そしてトラック・ロード総合での表彰台へ、紫紺の走りに注目せよ。

 

[長崎昇太]

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