競泳7日目 五味もリレーで決勝進出を果たし世界7位!/世界選手権2023福岡大会

2023.07.30

 紫紺スイマーが連日の活躍だ。7月23日に始まった世界選手権2023福岡大会(以下、世界水泳)の競泳は7日目を終えた。この日は混合400メートルフリーリレーに五味智信(商3=湘南工科大付)らが出場。日本チームは午前の予選を全体の6位で通過し、勝負は同日夜の決勝へ。決勝では世界レベルの戦いが繰り広げられる中、日本勢もフレッシュなメンバーで挑み健闘を見せた。最後はチームとして世界7位入賞を果たし、初代表の五味は今後に向けて大きな経験値を積んだ。

 

◆7・14~30 世界選手権2023福岡大会(マリンメッセ福岡A館他)

◆7・29 競泳7日目 

▼混合400メートルフリーリレー予選

6位   日本 3分26秒47

▼混合400メートルフリーリレー決勝

7位  日本 3分26秒96

 ※リレー出場選手

 五味、中村(イトマン東進)、池本(中大)、神野(中京大)

 

▼男子100メートルバタフライ決勝

6位   松元克央選手(令1政経卒・現ミツウロコ) 51秒20

 

 明大勢が連日躍進を遂げている。前日の夜に行われた男子200メートル背泳ぎでは栁川大樹(政経3=日大藤沢)が8位入賞を果たし、迎えた競泳7日目。この日の午前に明大からは五味が混合400メートルフリーリレー予選に、日本チームの第1泳者として出場した。中学3年次には全国大会出場を逃し、高校から大学にかけての約1年半はベストが出なくなるなど、2度の挫折を経験してきた五味。しかし周囲に励まされたり、自身の姿勢を見直したりすることで困難を乗り越え、大学2年次にはベストを連発するように。4月の代表選考を兼ねた日本選手権では、男子100メートル自由形決勝で松元克央選手(令1政経卒・現ミツウロコ)に続く2位で初の代表権をつかみ取っていた。

 

 今大会の競泳初日、五味は松元選手らと共に男子400メートルフリーリレーに出場するも無念の予選落ち。それだけに、この日のリレーにかける思いは強かった。予選では前半で思うような泳ぎができず50メートルのターンの時点で組最下位。しかし得意の後半で追い上げ、組6位で第2泳者へ引き継いだ。その後日本は順位を徐々に上げ、最後は組3位に。全体の6位で予選を通過した。

 

 同日夜の決勝は、世界水泳デビュー戦となった五味にとって初の大舞台。この日も多くの観客が日本勢の泳ぎに歓声を上げていた。決勝ではオーストラリアが世界新記録を樹立するなど、世界のレベルの高さが際立つレースとなった。日本チームは記録を伸ばすことができず7位でフィニッシュ。しかし、出場選手4人の中で五味を含めて3人の選手が現役大学生であった日本勢にとって、決勝レースの経験は大きな糧となる。「世界のトップを走っている選手たちがどれぐらいのレベルにいるかというのを、身をもって体感できた」(五味)。この後に控える日本学生選手権(インカレ)やアジア大会。そして来春のパリ五輪選考会に向けて、若手ホープのさらなる成長が期待される。

 

(写真:レース中の松元選手)

 

 また、この日は松元選手も100メートルバタフライ決勝に出場。今大会は自由形やリレー種目などで苦戦を強いられ、このレースが今大会自身初の決勝レースとなった。試合では前半から非常に積極的な泳ぎを見せ、自己ベストを上回るラップを出していく。最後は世界6位入賞の結果で今大会の個人種目を締めくくった。「これ以上はないほど力を出し切ったので、今はすごい気分がいい」(松元選手)。かつての紫紺エースは、今後も世界の舞台を見据えた挑戦を続けていく。

 

 世界水泳も残すところあと1日。競泳の終了をもって17日におよぶ今大会は閉幕する。

最終日には松元選手を含めた日本勢が男女の400メートルメドレーリレーに出場する。22年ぶりに自国・福岡で行われている世界水泳。ぜひ最後まで、この〝熱い戦い〟を見届けてほしい。

 

[渡辺悠志郎]

 

試合後のコメント(決勝後)

五味

――レースの感想を教えてください。

 「第1泳者という1番力の差が分かりやすい位置で泳がしてもらえて、世界のトップを走っている選手たちがどれぐらいのレベルにいるかというのを、身をもって体感できました。この自国開催の世界水泳の決勝に残ることは多分人生で一度きりだと思うので、そういう歓声の中で泳げたことは来年の自分にすごくプラスになることだと思うので、ここで悔しかったという気持ちで終わらせずに、来年しっかりとこの経験を結果に出して、戻ってきたなと言ってもらえるように頑張ります」

 

――この舞台で自己ベストを出すには、どういったことが必要だと感じましたか

 「会場に入る前からの段階で言うと、狙った大会に対してのピーキングについて、まだ自分は完璧な方法を見つけていないことが一つの問題です。会場に入ってからは、国内大会ではアッププールなどの使い方はよく分かっていて自分のやりたいことがやりやすい環境にあるんですけど、やはり世界大会になってくると、それがうまくいかなかったり、前に泳いでいる選手がいたり、後ろから選手が抜かしてきたりと自分のアップが自分のペースでできなくなってしまうことが1番問題だったと思うので、そこをもっと直せるようにしたいです。そうしたアップの方法などをもっと調整していかなきゃいけないと思います」

 

松元選手

――決勝を終えていかがですか。

 「この大会で初めての決勝で、その舞台をすごく楽しめました。お客さんも本当に今日もたくさんいて、楽しめることができたのかなと思います。今回でやり切ったのでタイムがどうこう、順位がどうこうというよりは、自分が今出せる力を出し切ったことが、僕にとってはすごい大事なことだと思いますし、それで良かったのかなと思います。」

 

――最近の各国のレベルの上がり方についてどうお考えですか。

 「もう恐ろしいほど上がっていると思います。僕が現役続ける以上は、やはり世界大会のメダルを諦めないでずっと目指していって、どんなに苦しい道でも悔いなく挑み続けて水泳人生終わりたいなと思っています」

今後の試合予定

◆競泳

▼7・30夜

男子400メートルメドレーリレー決勝 松元選手

 

※リレー種目は出場選手が変更する場合があります

※競泳決勝はテレビ朝日系列とABEMAにて放送予定(20時頃より放送開始)

※全競技の決勝ハイライトはABEMAにて配信中