
競泳5日目 初代表の栁川がベストで決勝進出!/世界選手権2023福岡大会
世界を相手に躍動だ。7月23日に始まった世界選手権2023福岡大会(以下、世界水泳)の競泳は5日目を終えた。この日は明大勢からは男子200メートル背泳ぎに栁川大樹(政経3=日大藤沢)が出場。予選13位通過で挑んだ準決勝では、前半から積極的な泳ぎで先頭に食らいついていく。差を離されずに迎えたラストの50メートルでは持ち前の追い上げで一気に順位を上げていく。最後は自己ベストを更新する泳ぎを見せ、世界水泳初代表にして明日の決勝へ見事駒を進めた。
◆7・14~30 世界選手権2023福岡大会(マリンメッセ福岡A館他)
◆7・27 競泳5日目
▼男子200メートル背泳ぎ予選
13位 栁川 1分58秒14
▼男子200メートル背泳ぎ準決勝
7位 栁川 1分57秒23 ※この結果、28日夜の決勝に進出。
初の舞台で過去最高の泳ぎを見せつけた。今大会の代表選考を兼ねていた4月の日本選手権において、3位の選手を0.04秒差でかわし自己ベストで初の代表入りを果たした栁川。彼の持ち味はラスト50メートルでの追い上げだ。大学初優勝を果たした昨夏の日本学生選手権(インカレ)や2冠を果たした昨冬のジャパンオープン、そして選考会においても最後の急速な追い上げは勝利のカギとなっていた。
そして迎えた世界水泳という大舞台。22年ぶりの自国開催である今大会には多くの観客が来場していた。今大会で初レースとなる午前の予選では、やはりラスト50メートルの追い上げが観客を沸かせる展開に。「とても緊張したが、平常心で自分のレースをしようと思った。置いていかれるのは分かっていたので、ラストは自分の持ち味で少し余力をもっていくことができた」。150メートルのターンで組9位であったものの、最後は逆転の組4位に浮上。全体の13位で準決勝に進出した。
しかし最後の追い上げに全てを託せるほど、決して世界の壁は低くない。「150メートルまで予選のペースでは最後に速くても追い付けないので、ある程度気持ち良く速くいって、最後は粘るという感じだと思っていた。」その言葉通り、夜の準決勝では前半から積極的な入りを見せていく。150メートルまでの50メートルごとの組順位は6位、7位、7位ではあったものの、ラップタイムは全て30秒1を切るベストの泳ぎ。「ずっと29秒でターンを回る練習をしていたものの、試合だと自分は少しチキっちゃうというか、メンタルが弱くなる。それでも最低で30秒0ぐらいで回れるような練習はしていた」。そうした前半の泳ぎを加速させることで、後半の追い上げは必勝の武器に。最後の50メートルで組順位を7位から3位に押し上げ、全体の7位で目標の決勝進出を見事成し遂げた。
「決勝では準決勝で目指していた1分56秒台を絶対出したい」。栁川の今大会の目標は決勝進出、そして1分56秒台のタイム。28日の決勝では残り半分の目標達成へ。常に上を目指し続ける紫紺スイマーの快進撃に、ぜひあなたも注目していただきたい。
[渡辺悠志郎]
試合後のコメント(準決勝後)
栁川
――レースはいかがでしたか。
「1分56秒台を狙っていたんですけど、タッチして組3番という表示が見えたので『あ、決勝に残ったかな』と思って、良かったです」
――予選と準決勝では自身のレースを体現できましたか。
「はい。世界大会でも周りの外国人は前半速いんですけど、そこで自分のレースをしようと思っていたので、それができて良かったです」
――予選では今年4月の日本選手権のように泳いだと言っていましたが、準決勝はどのような気持ちで泳ぎましたか。
「150メートルまであのペースだと最後に速くても追い付けないので、そこそこ気持ち良く速くいって最後は粘るという感じだと思っていました。ラップを見ましたが『いいレースできたな』って思っています」
――自身が想像していたラップと何か違う部分はありましたか。
「最後の部分で、もう少し詰められていれば1分56秒台を出せたので、そこはちょっと予選の疲れもあったのですが、もう1歩っていうところでした。ラスト50メートルはいつもなら29秒とか29秒を割るぐらいのタイムで来るので、そこは28秒はちょっと行き過ぎですけど、もう少しあげられたら良かったなとは思います」
――今日ぐらいのラップで刻む練習をしていたのですか。
「もうずっと29秒でターンを回る練習をしていたんですけど、試合だと自分はちょっとチキっちゃうというか、メンタルが弱いので。それでも最低で30秒0ぐらいで回れるような練習はしていたので、その結果が出たかなと思います」
――海外の選手と競る楽しさなど、世界水泳の舞台だからこそ感じたことはありますか。
「いっぱいありますね。初めて泳ぐ人がいっぱいいて、日本選手権はみんなレースプランが分かっている中で泳ぐんですけど、レースをやったことのない外国の人たちと泳ぐことがすごく楽しかったです」
――海外で好きな選手はいるのですか。
「今回出ていないんですけど、ロシアの(エフゲニー・)リロフ選手が泳ぎ方とかすごい僕に似ていて好きなので一緒に泳ぎたかったです。ただロシアが出ていたら僕は決勝に残っていないので笑。そこはありがとうじゃないですけども、良かったなと思います笑」
――ご家族やご友人は会場に来られていますか。
「はい、お母さんも来ていて。コーチも今回代表じゃないんですが見に来てくれていて。友達とかも来てくれているので。 観客の全員からすごいパワーをもらいました」
――これで決勝進出ですが、どのような心境ですか。
「昨日、小方(颯=日大)のレースを見て『やっぱりすごいな』と思って、自分も負けられないというか、 自分もやってやろうっていう感じになりました」
――決勝はどのようなレースにしたいですか。
「今の準決勝がベストラップですが、そのくらいで泳いで、ラストの詰めをもう少しできればいいなと思います」
今後の試合予定(現時点の最新情報)
◆競泳
▼7・28
男子200メートル背泳ぎ決勝 栁川
男子100メートルバタフライ 松元克央選手(令1政経卒・現ミツウロコ)
※決勝は29日
男子800メートルフリーリレー 松元選手、吉田冬優選手(令2政経卒・現三谷産業)
▼7・29
混合400メートルフリーリレー 五味智信(商3=湘南工科大付)
▼7・30
男子400メートルメドレーリレー 松元選手
※リレー種目は出場選手が変更する場合があります。
※競泳予選はBS朝日にて放送予定(各日11時または12時より放送開始)
※競泳決勝はテレビ朝日系列とABEMAにて放送予定(各日20時頃より放送開始)
※全競技の決勝ハイライトはABEMAにて配信中
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