
明大スポーツ第529号企画面 ママタルト・大鶴肥満さんインタビュー拡大版
7月13日発行の明大スポーツ529号の2面で、お笑いや、明大での思い出を語ってくださったお笑い芸人のママタルト・大鶴肥満さん。新聞ではやむを得ず割愛した部分も含めたインタビューの完全版を掲載いたします
(この取材は4月19日に行われたものです)
――なぜ今回取材を受けていただいたのですか
「明スポにOBとして載るってめちゃくちゃうれしかったからですね(笑)芸人としてフォーカスするという感じでオファーが来たときには何がなんでも受けようと思っていたので、こちらからありがとうと言いたいです」
――明治大学に入った理由を教えてください。
「早稲田に落ちたからなんて言えないですよね(笑)でも、情報コミュニケーション学部に入ってみたかったからっていう気持ちがあったから情コミを受けましたね。情コミに入って1番最初にやった授業がまさかのエクセルっていうのもびっくりしたんですけど(笑)。あとは明大は立地が最高だからというのもあります」
――なぜ、情報コミュニケーション学部に入りたいと思ったのですか。
「メディア系のお仕事に就ければいいなと思っていたからです。テレビ局とかにいきたいなと思っていたので情コミを選んだって感じです」
――大学に入った頃は芸人さんになる感じではなかったんですか。
「そうですね、どちらかというとテレビ局に行けたらいいなって感じでした」
――芸人になろうと思ったきっかけはありますか。
「お笑いサークル『木曜会Z』に2年生になってから入ったんですけど、そこから初めて自分が演者としてお笑いをやった時にすごく楽しくて、4年生の秋くらいの大会で賞をもらったときに芸人の道が揺らいだって感じですね。お笑い芸人になりたいっていう気持ちが強くなりました」
――『木曜会Z』に入ろうと思ったきっかけを教えてください。
「お笑いサークルってそこしかなかったんですよね。入ったきっかけは、本当にたまたまミクシィで知り合った女の子が「木曜会Z」に入っているっていうのを思い出して、そこで連絡して入ったっていうのがあって。ミクシィのおかげで入りました(笑)」
――木曜会Zでは漫才とコントのどちらをやっていましたか。
「漫才をメインでやっていました」
――明大での思い出を教えてください。
「明大祭ですね。あんなに楽しいものはないなっていうくらい。『木曜会Z』はワッフルを売っていたんですけど『笑っフル』って言って、こっちがギャグをしてウケたらワッフルを追加するというのをやっていて、あれは楽しかったですね」
――サークルでの1番の思い出を教えてください。
「BSの番組でお笑いを頑張っている学生に注目するみたいな企画があって、ネタ作りのとこから密着されて最後はメディア棟の大きいところでライブをして満席にするっていうのがあったんですよ。竹中直人さんがMCで。そこのゲストにU字工事さんがいて、一緒にライブをしたっていうのが思い出です。悔しかった思い出は『有吉さんぽ』だったかな。有吉さんが明大に来て、学食で3人前くらいのトリプルカレーを食べて『食えねえよこんなの』みたいに言って、相撲部の人が食べるみたいな企画がありました。それで明大マートの前のサークル掲示板を有吉さんが見ている時に『木曜会Z』のサークル員が出て行って一発ギャグをやるっていうのでみんなで待機していたんですけど、有吉さんが人気ありすぎていろんな生徒が来てしまって、大学側がもうロケやめてくださいってなってできずに終わっちゃったっていうのが悔しかった思い出です」
――学生時代からテレビに関わることは多かったんですか。
「多かったですね。いいとも(笑っていいとも!)も出ましたし」
――どうして出られたのですか。
「これきっかけで芸人になったのかもしれないんですけど、ある2個上の先輩にだけずっと『大鶴義丹に似てるよ』って言われていたんです。他の人はなにも言わないし、俺もピンと来なかったんですけど。『ほんと大鶴義丹に似てるから』ってその人にすごく言われて。そんなに言うんだったら春休みだし『笑っていいとも!』の『そっくりさん大募集』ってコーナーがあるから新宿アルタ前に集合しようとなったんです。『そっくりさん大募集』は友達を1人紹介者として連れて行かなきゃ行けないので、メーリングリストで『もしかしたら出られないかもしれないけど、大鶴義丹のそっくりさんで行く僕の友達としてきてくれる人を募集します』ってやったんだけど誰もきてくれなくて(笑)でも1人だけ優しい先輩が来てくれて行ったら、あれよあれよと受かってそのまま『いいとも』に出るっていうことがあったんですよ。だからその先輩がいなかったら大鶴義丹に似ているってならなかったし大鶴肥満っていう芸名も生まれなかったし、優しい先輩がいなかったら出られなかったっていうのもあるんで、『木曜会Z』のつながりがなかったらここにいなかったなっていうのもあります」
(笑顔を見せる大鶴肥満さん)
――木曜会Zの同期の人とは今も交流はありますか。
「連絡は取り合っています。今年の夏に1人結婚するのでその結婚式に招待するって言われて『漫才衣装で行っていい?』って言ったらだめと言われました。新郎新婦より目立たないでって(笑)同期で『木曜会Z』から芸人になったのは僕だけなんです。上で芸人になった人が少なかったのと、天才だと思われていたサツマカワRPGさんとか面白いと言われていた人がすぐにはテレビで売れなかったんです。その影響を受けて、みんな一旦就職をしてから芸人になるっていうパターンが増えたんですよね。だから大学を卒業して芸人になった人は自分しかいないですね」
――そんな状況の中、なんで挑戦できたのですか。
「確かにね(笑)一回きりの人生だからね。『ラランド』のおかげで社会人をしながらプロをやるみたいな状況が出てきました。今の子たちは卒業したらすぐ芸人になる子が増えてきたかなと思います。このサンミュージックでも3組学生お笑い出身の芸人が入ってきましたね。だから流れが変わってきているのかなと思います」
――最近は学生お笑いが注目されていますがどのように思いますか。
「うれしいです。ユーチューブでも上げたんですけど、学生お笑いの中でも大会みたいなのがあって、その大会で優勝していた人たちだけがプロに行って活躍すると思って欲しくないっていうのがあって。大会で全然結果とか出なくてもプロになれるし、自分は全然大会で結果を出せていなかった側だったから。結果出てなくてもお笑いをやりたかったらなれるし、そういう人たちの方がもしかしたら先に売れるかもしれないから、大学お笑いで注目されて結果出てないと売れないって思って欲しくないです」
――ママタルトを結成したきっかけを教えてください。
「自分は太田(太田プロダクション)の養成所に通っていまして、太田プロの養成所で別のコンビを組んでいたけども、解散しようかなと思っていた時期がありました。その時、今の相方も別のコンビを組んでいたんですけど、次の相方どうしようかなってなっていたときに、相方の同期のZAZYさんが『次組むんだったらめちゃくちゃ太ってるやつかめちゃくちゃ歌が上手いやつと組んだらええで』と言ったらしいんです。そしたら次の日の大喜利ライブで一緒になって、猛アタックされて。自分もちょうど解散しようと思っていたからじゃあここでやろうってママタルトが生まれました」
――今後やってみたい仕事はありますか。
「『ピカルの定理』みたいなコント番組をやりたいです。いつか、ローションまみれのスポンジの階段を登っていくみたいな体を張る仕事をしたいです」
――芸人を目指している人に向けて一言お願いします。
「芸人を選んでくれてありがとう。ユーチューバーじゃないことがうれしいよね(笑)なれるよ。芸人に。これ恥ずかしいな(笑)あと逃げのまーちゃんごめんね。注釈『逃げのまーちゃんごめんねは、具体的な言葉を避けるために使うためのもの』とか書いても大丈夫なのでまーちゃんごめんねで(笑)」
――今後どのような芸人になりたいですか。
「みんなに愛される楽しい芸人になりたいですね。令和の石ちゃんになりたいですね」
――その上で尊敬している芸人さんはいらっしゃいますか。
「サツマカワRPGさん。これは言おうと決めていたので理由はないです(笑)あとオズワルドの伊藤さんですね」
――伊藤さんとはシェアハウスをされていましたよね。
「そうですね。尊敬しすぎて、一時期『お父さん』みたいに『いとうさん』って呼ぶくらいでしたからね」
――お笑いの魅力について教えてください。
「やっぱり楽しい気持ちになりますよね。全員が同じものを見て笑えるっていうのはお笑いの魅力だと思います」
――劇場で見るお笑いの魅力を教えてください
「自分も学生の時はライブを見に行って、生で見るとこんなにおもしろいんだと思うことが多かったです。劇場で見ると間や抑揚がこんなに意味があるんだっていうのが分かりますね」
――ご自身にとってお笑いとはどのようなものですか。
「やっぱり救いかな。お笑いがなかったら僕がネットで悪口とか世の中に対する不平不満をひたすら書きこむだけのモンスターになっていた可能性がありますね(笑)お笑いがあったからここまで来れたっていうのがあります」(写真:インタビューに答える大鶴肥満さん)
――ありがとうございました。
[豊澤風香、山岡慎、ジンセウン]
◆大鶴肥満(おおつる・ひまん)1991年生まれ。東京都出身。182センチ、189キロ。
芸名の由来はサークルの先輩に「大鶴義丹に似ている」と言われたことから。2016年に現在の相方・檜原洋平さんと『ママタルト』を結成した。3月にユーチューブで『ママタルト本物チャンネル』を本格始動。最近では『水曜日のダウンタウン』、『相席食堂』など多くのテレビ番組に出演している。
関連記事
RELATED ENTRIES