高い決勝の壁 良しあし交えるベスト4/全日本学生優勝大会

柔道 2023.06.26

 1、2回戦を順当に勝ち進み、3回戦では日体大を撃破。続く準々決勝は早大に4―2で勝利した。しかし、準決勝は大会6連覇中の東海大に苦戦を強いられ、1―3で敗北。3位入賞を果たしたが、団体日本一の夢は秋の全日本学生体重別団体優勝大会に持ち越しとなった。

 

◆6・24~25 第72回全日本学生優勝大会(日本武道館)

▼明大――3位

 

 無差別級学生団体日本一を決める今大会。24日に行われた1回戦は山梨学大と対戦。甲木碧(政経2=木更津総合)と竹村虎之(政経3=愛知県私立大成)のポイントにより2―0で通過し、2日目に駒を進めた。そして2回戦では金沢学大と対戦。中堅以降が4連勝するなど5―0で快勝し、難なく3回戦へと駒を進めた。

 迎えた3回戦の相手は前回大会3位の日体大。「前の4人が2失点は絶対にしないこと。ただ、取るところはしっかりと取る」(中濱真吾監督)。その対策通り、先鋒の福永夏生(政経4=崇徳)は引き分けに終わるも、次鋒の朝廣隆翔(商4=延岡学園)が優勢勝ちを収めて先制に成功する。そして中堅として出場した森健心主将(政経4=大牟田)が相手に指導を3回与え、相手の反則負けを誘発。続く竹村の内股と大内刈りが決まり、合わせ技一本を奪って勝負あり。副将の甲木が固め技を決められ失点を許すが、最終スコア3―1で勝利を収めた。

 

 準々決勝では早大と対戦。序盤から明大が流れを握っていた。先鋒の福永が早々に取った技ありを保持して優勢勝ち。さらに次鋒の徳持英隼(政経3=崇徳)は豪快な大外刈りが決まって連続で得点する。五将の黒川響(政経3=習志野)が合わせ技で一本を取られるも、続く中堅の朝廣が相手に流れを渡さなかった。序盤で相手に指導を2つ与え有利な展開を作るも、その後は「我慢比べの時間が続いて、どっちもきつかったと思う」(朝廣)。それでも終了間際に小外掛が決まって一本勝ち。「しっかり取れるところを取れる場面が多かった」(朝廣)と、強敵相手に勝負強さを見せつけ明大の勝利を決定づけた。その後は副将・甲木の合わせ技一本と大将・森の反則負けが加わり、最終スコアは4―2。急遽開かれた柔道版〝明早戦〟を堅実に制した。

 

 準決勝の相手は大会6連覇中の絶対王者・東海大。5大会ぶりの決勝進出を懸けたが「相手の方が層の厚さがあった。中でも総合力が一枚上手だった」(中濱監督)。先鋒の福永は相手の大内返に倒れる。さらに五将の黒川も相手に横四方固を掛けられポイントを献上。中堅・森が引き分けて、後がない三将の竹村。しかし小外刈りに崩袈裟固を決められ、合わせ技一本を許した。副将・甲木が大腰の優勢勝ちで意地を見せるも万事休す。「守りの堅さに差を感じた」(中濱監督)と相手の守備に苦しみ、1―3での敗北を喫した。

 

 優勝こそ果たせなかったものの、早くも今年度2回目の表彰台。団体戦で苦戦した昨年度と比較しても、チーム状態の上昇ぶりが伺える。次の全国大会は10月の全日本学生体重別団体優勝大会(以下、体重別)だ。「今回は国士舘が優勝したが、自分たちもそれぐらいの力を持っている。しっかり反復練習などを繰り返すことで、優勝も見えてくる」(朝廣)。悲願の団体日本一へ、古豪・明治の復活に期待したい。

 

[長崎昇太]

 

試合後のコメント

中濱監督

――今大会を振り返っていかがですか。

 「3回戦の日体大戦がヤマになると思っていました。選手にはその話をしてきて、対策もしてきました。日体大はグリーンカラニ海斗と海堀陽弥が後ろに来ると思っていたので、そこまでに勝負が決まって、良かったなと思います」

 

――今大会での成果をお聞かせください。

 「今回は4年生の朝廣が頑張ってくれて、日体大戦、早大戦でポイントを取ってくれました。また、学生には言ったのですが、個々の力ではなく総合力で勝とうと、しっかり流れに乗って後ろにつないでいこうということをやってきました。その成果が出て、派手さはないですけど、一人一人がしっかりと仕事をして、勝ち上がれたと思います」

 

――今後に向けて意気込みをお願いします。

 「もう一回、日本一のチャンスが10月の体重別であります。チーム編成も軽量級を含めてになりますので、もう一度日本一を目指したいと思います」

 

朝廣

――今大会を振り返っていかがですか。

 「去年は自分のせいで負けてしまったところがあったので、今年こそはっていう気持ちで臨みました。しっかり取れるところを取れた場面が多かったので、そこは自分なりには良かった点だと思います」

 

――日体大戦を振り返っていかがですか。

 「個人戦で負けていた選手で、中学校の時も全国大会で負けた相手でした。2連敗中で、絶対にやり返すっていう気持ちが強くて、それで勝てたのは本当に大きかったです。自分の中でも勢い付いたと思っています」

 

――後輩の活躍はご自身にどう映っていますか。

 「もちろん頑張ってくれたんですけど、そこに先輩の意地というか、負けてらんないっていう気持ちが大きかったです。刺激をもらいながら頑張れました」


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