早大に明大の意地を見せつけ白星飾る/関東大学春季交流大会

ラグビー
2023.05.15

 全国大学選手権(以下、選手権)で無念の敗北を喫した因縁の相手・早大。熊本県で行われた明早戦で雪辱を果たすことが期待された。「春、秋関係なく負けてはいけない相手。絶対に負けられない」(右センター秋濱悠太・商3=桐蔭学園)。試合序盤は両者譲らない意地の戦いが続いたが、前半は明大が主導権を握る。早大相手にワントライで抑え、28―5で折り返す。しかし、後半は早大に主導権を奪われる。それでも、明大が粘りを見せつけ、45―24と春開幕2連勝を挙げた。

 

◆5・14 関東大学春季交流大会(えがお健康スタジアム)

▼対早大戦

 ○明大45{28―5、17―19}24早大

 

 試合開始直後は、両者のセットプレーが続く。「みんながバラバラにならないようにFWで一つになろう」(ゲームキャプテン・左ロック山本嶺二郎・法4=京都成章)。早大に先制されるも、明大ペースに試合の流れを持っていく。前半17分、敵陣15メートル付近でのマイボールスクラムから左にパスを展開し、ナンバーエイト木戸大志郎(文3=常翔学園)が敵陣22メートルラインを切るゲインを見せ、最後はフルバック池戸将太郎(政経4=東海大相模)が先制トライを飾る。その後、左プロップ中山律希(政経4=天理)が自陣5メートル付近から30メートル近いゲインを見せる。「少しでも前に出ることだけを意識して思いっ切り走り切った」(中山)。この好機を生かしスクラムハーフ萩原周(商4=大阪桐蔭)がグラウンディング。「順目でアタックして、みんなが勢いでゲインしてくれたのでいいトライができた」(萩原)。引き続き、明大の体を張ったアタックを見せつけ、相手にプレッシャーをかける。早大にチャンスを与えそうになるも、前半29分相手のパスミスを秋濱がチャンスに変え、自陣10メートルラインから走り切りインゴール。「ミスを突いてトライを取るところまで運び切れたのは良かった」(秋濱)。また、早大の横展開の攻撃をを切り裂く秋濱のタックルやジャッカルは、明大に勢いを与えた。前半終了間際には、スタンドオフ伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)がいい仕掛けを見せ、右ウイング安田昂平(商3=御所実)がトライを挙げる。池戸も前半全てのコンバージョンゴールを決め、28―5と大差をつけ前半を終える。

(写真:ゲインを切る中山)

 前半はいい戦いを見せた明大だったが、後半主導権を握ったのは早大だった。後半5分、明大のディフェンスが乱れ、早大に得点を許してしまう。だが、直後の攻撃で木戸がゴールラインまで突き進みグラウンディング。しかし、早大の反撃は止まらず、点差が迫っていく。それでも後半33分、明大がターンオーバし、途中出場西川賢哉(政経4=桐蔭学園)のオフロードパスから攻撃が続き池戸が2本目のトライを挙げた。「賢哉が粘ってくれたので、サポートして空いているところ見ていくだけだった。しっかりサポートできたのは良かった」(池戸)。後半終了間際には、池戸のキックパスを途中出場の吉田輝雅(政経3=東海大相模)が受け取りインゴール。後半は苦しい展開になるも、明大の意地を見せつけ、45―24と因縁の相手・早大に白星を挙げた。

(写真:ボールキャリーをする池戸)

 試合を通して、今試合のテーマでもあったアタックの勢い「モメンタム」を体現し、池戸を始めとするBKのアタックが光った。しかし、前後半の入りの部分で明大ペースに試合を展開できなかったり、後半のセットプレーが乱れたりしてしまうなど課題も見つかった。次戦は、山梨県JITリサイクルリンクスタジアムで行われる東海大戦だ。明大と同じくFWを強みとし、FWの競った戦いにも目が離せない。「強いFWをどうコントロールするか、いいゲームができれば圧倒できる」(萩原)。神鳥裕之監督(平9営卒)が評す「ハイブリッド重戦車」を中心に東海大を圧倒できるかに期待がかかる。

 

[井垣友希]

 

試合後コメント

山本

――ゲームキャプテンとして意識したことを教えてください。

 「去年負けている相手なので、チャレンジャーの気持ちで行くことと、しんどい時間帯に原点に戻って明治の強いところを出すのをポイントに声かけしようと意識しました」

 

――九州開催の試合はいかがでしたか。

 「熊本は初めてだったのでちょっと緊張していたんですけど、スタジアムもすごいところで気分が結構上がりました。両親も来てくれていたので、それで勝てたのはすごい良かったです」

 

中山

――次戦への意気込みを教えてください。

 「東海はセットプレーが強いチームなので、明治の強みであるスクラムやモールで圧倒できたらと思います」

 

萩原

――今試合を振り返ってみていかがですか。

 「前半はすごく自分たちのペースで、後半はちょっと入りが悪くてそこを修正できませんでした。勝てたのは良かったんですけど、自分たちの課題が出たので悔いはあります」

 

秋濱

――今試合の課題点はありますか。

 「やはり前半いい形で折り返して、後半簡単に先制を許してしまったのでそこが課題点です」

 

池戸

――早大が相手でしたが、チームの雰囲気はいかがでしたか。

 「早稲田が相手だからという感じはあまりなくて、流経大と比べて何か違うことをしたというわけでもないです。早稲田だからこそ春やってきたことをできるように練習をやってきました。秋は負けていたのでみんなやり返すっていう気持ちは持っていたと思いますね」