
早大に明大の意地を見せつけ白星飾る/関東大学春季交流大会
全国大学選手権(以下、選手権)で無念の敗北を喫した因縁の相手・早大。熊本県で行われた明早戦で雪辱を果たすことが期待された。「春、秋関係なく負けてはいけない相手。絶対に負けられない」(右センター秋濱悠太・商3=桐蔭学園)。試合序盤は両者譲らない意地の戦いが続いたが、前半は明大が主導権を握る。早大相手にワントライで抑え、28―5で折り返す。しかし、後半は早大に主導権を奪われる。それでも、明大が粘りを見せつけ、45―24と春開幕2連勝を挙げた。
◆5・14 関東大学春季交流大会(えがお健康スタジアム)
▼対早大戦
○明大45{28―5、17―19}24早大
試合開始直後は、両者のセットプレーが続く。「みんながバラバラにならないようにFWで一つになろう」(ゲームキャプテン・左ロック山本嶺二郎・法4=京都成章)。早大に先制されるも、明大ペースに試合の流れを持っていく。前半17分、敵陣15メートル付近でのマイボールスクラムから左にパスを展開し、ナンバーエイト木戸大志郎(文3=常翔学園)が敵陣22メートルラインを切るゲインを見せ、最後はフルバック池戸将太郎(政経4=東海大相模)が先制トライを飾る。その後、左プロップ中山律希(政経4=天理)が自陣5メートル付近から30メートル近いゲインを見せる。「少しでも前に出ることだけを意識して思いっ切り走り切った」(中山)。この好機を生かしスクラムハーフ萩原周(商4=大阪桐蔭)がグラウンディング。「順目でアタックして、みんなが勢いでゲインしてくれたのでいいトライができた」(萩原)。引き続き、明大の体を張ったアタックを見せつけ、相手にプレッシャーをかける。早大にチャンスを与えそうになるも、前半29分相手のパスミスを秋濱がチャンスに変え、自陣10メートルラインから走り切りインゴール。「ミスを突いてトライを取るところまで運び切れたのは良かった」(秋濱)。また、早大の横展開の攻撃をを切り裂く秋濱のタックルやジャッカルは、明大に勢いを与えた。前半終了間際には、スタンドオフ伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)がいい仕掛けを見せ、右ウイング安田昂平(商3=御所実)がトライを挙げる。池戸も前半全てのコンバージョンゴールを決め、28―5と大差をつけ前半を終える。
(写真:ゲインを切る中山)
前半はいい戦いを見せた明大だったが、後半主導権を握ったのは早大だった。後半5分、明大のディフェンスが乱れ、早大に得点を許してしまう。だが、直後の攻撃で木戸がゴールラインまで突き進みグラウンディング。しかし、早大の反撃は止まらず、点差が迫っていく。それでも後半33分、明大がターンオーバし、途中出場西川賢哉(政経4=桐蔭学園)のオフロードパスから攻撃が続き池戸が2本目のトライを挙げた。「賢哉が粘ってくれたので、サポートして空いているところ見ていくだけだった。しっかりサポートできたのは良かった」(池戸)。後半終了間際には、池戸のキックパスを途中出場の吉田輝雅(政経3=東海大相模)が受け取りインゴール。後半は苦しい展開になるも、明大の意地を見せつけ、45―24と因縁の相手・早大に白星を挙げた。
(写真:ボールキャリーをする池戸)
試合を通して、今試合のテーマでもあったアタックの勢い「モメンタム」を体現し、池戸を始めとするBKのアタックが光った。しかし、前後半の入りの部分で明大ペースに試合を展開できなかったり、後半のセットプレーが乱れたりしてしまうなど課題も見つかった。次戦は、山梨県JITリサイクルリンクスタジアムで行われる東海大戦だ。明大と同じくFWを強みとし、FWの競った戦いにも目が離せない。「強いFWをどうコントロールするか、いいゲームができれば圧倒できる」(萩原)。神鳥裕之監督(平9営卒)が評す「ハイブリッド重戦車」を中心に東海大を圧倒できるかに期待がかかる。
[井垣友希]
試合後コメント
山本
――ゲームキャプテンとして意識したことを教えてください。
「去年負けている相手なので、チャレンジャーの気持ちで行くことと、しんどい時間帯に原点に戻って明治の強いところを出すのをポイントに声かけしようと意識しました」
――九州開催の試合はいかがでしたか。
「熊本は初めてだったのでちょっと緊張していたんですけど、スタジアムもすごいところで気分が結構上がりました。両親も来てくれていたので、それで勝てたのはすごい良かったです」
中山
――次戦への意気込みを教えてください。
「東海はセットプレーが強いチームなので、明治の強みであるスクラムやモールで圧倒できたらと思います」
萩原
――今試合を振り返ってみていかがですか。
「前半はすごく自分たちのペースで、後半はちょっと入りが悪くてそこを修正できませんでした。勝てたのは良かったんですけど、自分たちの課題が出たので悔いはあります」
秋濱
――今試合の課題点はありますか。
「やはり前半いい形で折り返して、後半簡単に先制を許してしまったのでそこが課題点です」
池戸
――早大が相手でしたが、チームの雰囲気はいかがでしたか。
「早稲田が相手だからという感じはあまりなくて、流経大と比べて何か違うことをしたというわけでもないです。早稲田だからこそ春やってきたことをできるように練習をやってきました。秋は負けていたのでみんなやり返すっていう気持ちは持っていたと思いますね」
関連記事 RELATED ENTRIES
-
東海大に勝利し3連勝 昨年度のリベンジ果たす/関東大学春季交流大会
ラグビー 2023.05.29関東大学春季交流大会(以下、春季大会)、第3戦目の相手は東海大。昨年度の春季大会ではミスに苦しみ敗北した相手だ。試合序盤から積極的なアタックを続け、先制点を挙げることに成功。しかし東海大の粘り強いディフェンスをなかなか崩せず好機を逃してしまう。最終スコア41―31で勝利を飾ったものの、課題が残る試合となった。◆5・28 関東大学春季交流大会(山梨県JITリサイクルインクスタジアム)▼対東海大戦○明大41{21―17、20―14}31東海大 前半開始直後、試合が動いた。フルバック池戸将太郎(政経4=東海大相模)のタッチキックが伸び、東海大ゴールライン前でのマイボールラインアウト。その後展開されたモールが崩れ、空いたスペースにフッカー松下潤一郎(法4=筑紫)がグラウンディング。「久しぶりにトライできて気持ち良かった」(松下)。しかし、ピンチはすぐに訪れる。同5分、自陣ゴールライン付近での相手ボールラインアウトで、明大のディフェンスが薄くなっていた奥側を狙われトライを献上。続く11分にも得点を許し、逆転されてしまう。「自分たちのペナルティーで徐々に前に来られてしまった」(左センター廣瀬雄也主将・商4=東福岡)。再び試合が動いたのは22分。敵陣22メートルライン付近でのマイボールスクラムでコラプシングを誘い、明大に流れが傾く。その後、明大ボールでのラインアウトで、東海大が反則。左プロップ中山律希(政経4=天理)が速攻しトライを決めた。続く32分にも東海大のノックオンを好機に変え、ゲインラインを上げる。最後にパスを受け取った中山がグラウンディング。今試合2つ目のトライを挙げた。前半終盤は、東海大の厚いディフェンスに苦しみ、なかなか敵陣に踏み込めない展開となり21―17で試合を折り返した。 (写真:ボールキャリーをする中山) 後半も最初に主導権を握ったのは明大だった。6分、敵陣22メートルラインでのマイボールラインアウトから左に展開していく。最後は廣瀬がボールを受け取り、ハンドオフしながらトライ。続く9分、自陣22メートルラインから敵陣深くまで前進。その後スタンドオフ伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)の相手の意表を突くパスを右ウイング安田昂平(商3=御所実)が受け取り、グラウンディング。「自分の想像通りに走っていけた。練習通りにできて良かった」(安田)。BK陣の活躍の後、20分には明大の重戦車が意地を見せつける。東海大ゴールライン付近でのマイボールスクラムからナンバーエイト木戸大士郎(文3=常翔学園)が得点を重ねる。しかし30分、東海大のキックパスで一気に前進を許し、明大のディフェンスが薄くなっていた左側を突かれ失点。36―31と1トライ差まで詰め寄られる。後半終了間際、敵陣22メートルライン付近でブレークダウンを重ねるも東海大ディフェンスに阻まれるも、伊藤耕からのロングパスでチャンスをつくりボールを受け取った安田がトライ。「ボールを取ってトライを取り切るのが14番の仕事なので、その役目が果たせて良かった」(安田)。終盤に点差を突き放し、最終スコア41―31で東海大戦を制した。 (写真:ラインアウトをするFW陣) 試合を通してミスからの失点が目立った明大。しかし、スクラムでは圧勝することも多く、明大らしいプレーを見ることができた。次戦はエコパスタジアムで行われる帝京大戦。悲願の日本一のためには必ず攻略しなければならない相手だ。「FWが強いので、ドミネートして相手のFWを黙らせるぐらい圧倒したい」(左ロック山本嶺二郎・法4=京都成章)。今試合で出た課題を修正し、次戦に挑む。廣瀬組のウイニングロードはまだまだ続く。 [森口絵美理] 試合後のコメント廣瀬――今試合を振り返っていかがですか。「昨年度のリベンジ果たせたことはすごくよかったです。試合内容はいろいろみんな思うことはあると思うし、それはしっかり映像を見直してしっかり1週間準備していかないといけないなと思いました」 ――強みを出せた部分を教えてください。「個人的には今シーズン初試合で、全然試合感覚を取り戻せなかったです。でもその自分が『モメンタム』と言っている中で自分の強みが何個か出せたと思うんで、そこはとりあえず良かったです。また80分間ゲーム通して出し続けたというのはポジティブですね。でも僕もまだまだなんでこれから仕上げていきたいです」 松下――後半の入りが良くなかったとのことですが、理想の形を教えてください。「前回もなんですけど僕のノットストレートとスクラムのペナルティーで敵陣入られることが多くて、今回しないように頑張ろうと思ったんですけどできなかったです。理想としてはフッカーとしてクオリティー出してチームを勢い付けるのが理想かなと思います」 ――ディフェンスはいかがでしたか。「ペナルティーを続けてしまうと、敵陣入られちゃって、今回も得点まで結びつけられてしまっているので、ノーペナルティーは意識していました」 山本――今試合を振り返っていかがですか。「FWでスクラム勝てたのが良かったなと思うのですが、やっぱりミスが多かったです。最後取り切れずにあんまり点差が開かなかったというのと、あとペナルティーから得点されてたのでそこは課題が残りました」 ――今試合で出た課題をどのように修正したいですか。「僕は元々目立つプレーはできないので、基本的なプレーでどんどん僕が引っ張って、冷静にセットプレーは安定させつつ、というのが強みだと思っているので、もう一回練習をやり直していい準備しようと思います」 左ロック佐藤大地(法3=国学院栃木)――今日は紫紺初スタメンとなりましたが、いかがでしたか。「ずっとリザーブだったのですごく緊張しました。いつも途中から入っていたので、スタートは緊張しました」 ――東海大とのセットプレーはいかがでしたか。「ラインアウトディフェンスで僕たちがプレッシャーかけてミスを誘って結構いいセットプレーができたと思います。スクラムも最初ユニットでヒットを出そうと話していて、結構良くてスクラムでも圧倒できたので良かったです」 安田――今試合の反省点を教えてください。「前半の入りが悪かったので、前半の入りをもうちょっと頑張りたいと思います」 ――東海大の印象はいかがでしたか。「僕的には相性が悪いのかなっていう印象ですね。でも勝ちきれたので良かったかなって思います」 READ MORE -
Bチーム ミス目立つも、攻守で圧倒し東海大に勝利/練習試合
ラグビー 2023.05.28「モメンタムとコントロール」をテーマに挑んだ今試合。前半はその思惑通りに攻撃がかみ合い、28―12で折り返す。「すごくいいアタックができていた」(ゲームキャプテン・左フランカー柳田治久・法4=明大中野)。後半は下級生が多い状況下で疲労を見せる選手も少なくなかったが、点を取り合う展開の中で粘りを見せ、最終スコア45―24で快勝した。 ◆5・27 練習試合 (東海大学湘南グラウンド)▼対東海大B戦 ◯明大45{28-12、17-12}24東海大 試合が動いたのは、前半4分。ゴール前でFWが攻め込むと、最後は前の空いたスペースにスクラムハーフ登根大斗(法3=御所実)が走り込み、トライ。「強いアタック、キャリーをする中で、セットを早くすることができた」(登根)。試合のテーマである「モメンタム」を体現するような攻撃で先制点を挙げる。さらに、12分、数的優位を作ると、左ウイング金昂平(政経3=大阪朝鮮)が抜け出してトライ。「相手の動きが良くない序盤にしっかり走り勝つことができた」(金昂)。このまま明大が試合の流れをつかむと思われたがキックチャージやマークのミスから2トライを許し追いつかれてしまう。「慌てることなくしっかりノミネート、ハイセットをして前に出ることを共有した」(登根)。すると、前半25分、敵陣22メートルラインでフッカー木谷光(商1=報徳学園)がボールを奪い、ボールを受け取った登根がグラウディング。コンバージョンキックも成功し22―12とリードを広げる。その後も明大の攻撃は止まらず、前半40分、ラインアウトからパスが左サイドに展開されると、最後はナンバーエイト藤井達哉(政経1=東福岡)が相手の間を割って中央にトライ。28―12で前半を折り返す。 前半の流れのまま試合を進めたい明大であったが後半6分、自陣のゴールライン中央付近でのラックから大外で待っていたウイングに回されトライを許す。雲行きが怪しくなったが、後半8分、22メートルライン付近でパスを受け取った金昂が1人はがし、ディフェンスにつかまれながらもトライを決める。その後もスクラムやラインアウトを成功させてゴールライン手前まで攻め込むも東海大の激しい守りを崩し切れない。「敵陣でプレーする時間が多かったのは良かったが、取り切れるところでもったいないミスが続いた」(登根)。上手くリズムが合わない中であったが、後半40分いいテンポでパスが繋がり最後に住吉一晟(文4=国学院久我山)がトライ。「最後の最後で仲間がつないできたボールが運良く回ってきた」(住吉) 後半は苦しい展開となるも45-24で東海大を下した。「後半はFWが特に疲れてきて足をつる選手もいる中、私自身も足をつってしまった」(柳田)。スタミナの面での課題が浮き彫りとなった。快勝した試合だったが「今日のトライの多くはセットプレーからのトライが本当に多かった。フェーズを重ねてトライできなかったのが今後の課題」(スタンドオフ伊藤龍之介・商1=国学院栃木)と修正点も見つかった。まずは来週の帝京大戦に向けて見つかった課題を克服しさらなるステップへと羽ばたけるか。今後も成長する明大のラグビーから目が離せない。 [保坂啓太郎] 試合後のコメント 柳田――ゲームキャプテンとして何を意識して臨みましたか。 「アップから相手を圧倒するような声の大きさであったり、プレーの連体感さを全員で統一して勢いを出すという面で取り組んできました」 登根――個人としての今後の目標を教えてください。 「明治の春の目標である『挑戦』というテーマがある中で、相手に挑戦するのはそうなんですけど、自分たちはBというチームでやっていて、Aチームで紫紺を着るために、同じポジションの上の人にも挑戦しなければいけないという立場なので、そこで自分の持ち味であるテンポ、パスでトライにつながるプレーができたので、まずは次の週に生かしていきたいと思います」 伊藤龍――今日の試合振り返っていかがですか。 「今日は80分試合に出たのが初めてだったので本当に疲れたっていうのと今後このレベルの試合に慣れていかないといけないなと感じてたので、もう一段階トレーニング頑張りたいなと思いました」 金昂――ウイングとして意識していたことはありますか。 「トライ取り切るのはそうなんですけど、セットプレーからボールをもらうサインプレーが多いんで、 そこでしっかりゲインしてチームに影響を与えれるよう意識していました」 住吉――今試合の課題点や反省点はありますか。 「個人としてはすごくいいプレーとかはあったんですけど、やはりチームとしてもう1回まとまって来週の帝京戦に臨まなければいけないと思うので、チームとしてもう1段階レベルアップできればいいかなと思っています」READ MORE -
春初陣 流経大を攻守で圧倒し勝利/関東大学春季交流大会
ラグビー 2023.05.08 チーム『ONE MEIJI』の戦いの火ぶたが切られた。関東大学春季交流大会の初戦の相手は流経大。悪天候の中での試合となったが、終始明大が圧倒し最終スコア58―12で大勝を飾った。廣瀬雄也主将(商4=東福岡)を欠いたメンバーだったが、1年生を始めとする紫紺デビューを果たした選手が大活躍。次戦・早大戦につながる好発進を遂げた。◆5・7 関東大学春季交流大会(流経大龍ケ崎フィールド)▼対流経大戦 〇明大58{36―0、22―12}12流経大 雨が降りしきる中、廣瀬組の幕が上がった。最初に試合を動かしたのは明大。前半5分、敵陣22メートルラインでのマイボールラインアウトからのモール。そこから中心に向けてパスを展開していき、右プロップ為房慶次朗(文4=常翔学園)が先制点を決める。「今年は〝獰猛(どうもう)明治〟という言葉を掲げているので入りからいいスタートが切れて良かった」(右ウイング安田昂平(商3=御所実))。その後も敵陣でのプレーが続く。15分、敵陣22メートルでのマイボールスクラムで流経大を圧倒し、スタンドオフ伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)からパスを受け取った左センター山田歩季(商3=京都成章)がグラウンディング。「スペースに思い切り走り込むことを意識した」(山田)。前半序盤はスクラムの強さが目立ったが、中盤はBKも活躍を見せた。23分、敵陣22メートルでのマイボールラインアウト。萩原から伊藤耕にボールが回り、最後は左ウイング海老澤琥珀(情コミ1=報徳学園)がインゴールに飛び込む。「初トライできてうれしかった」(海老澤)。続く35分には、敵陣22メートルラインでのラインアウトからBK陣でパスを展開。流経大のディフェンスを左右に揺らし、最後は山田がトライを決める。前半を無失点で抑え、36―0で試合を折り返す。(写真:ゲインを切るナンバーエイト木戸大士郎(文3=常翔学園)) 後半も明大が主導権を握り続ける展開となった。4分、敵陣15メートル付近でのマイボールラインアウトから左側にパスを展開。伊藤耕からの巧みなキックパスを受け取った山田がグラウンディング。「自分の強みを出すことができた」(山田)。紫紺デビューとなった山田が3トライを挙げ、意地を見せた。10分には、明大のパスミスで相手にボールが渡り、初失点を許す。しかし後半中盤、大幅なメンバー変更で試合の流れが変わった。伊藤龍之介(商1=国学院栃木)の的確な手さばきでパスの精度が上がり、21分には伊藤龍からボールを受け取った安田がグラウンディング。「みんながつないでくれたボールをしっかり取り切るということを念頭に置いていた」(安田)。30分台は両者ともにセットプレーを基盤とした試合を繰り広げる。しかし、その均衡を破ったのは流経大だった。試合終了間際、流経大ゴールライン付近でのモール。流経大にボールを奪われ、独走トライを許す。コンバージョンキックが終わると同時にホイッスルが鳴り、最終スコア58―12で試合を終えた。(写真:トライを決める山田) 激しい風雨の中でも、集中力を切らさず戦い抜いた明大。悪いコンディションの下で臨機応変に戦略を変更し、スキルだけでなく対応力でも差を見せ付けた。試合を通して目立ったのはFW陣の団結力。スクラム前に右ロック亀井茜風(政経4=長崎北陽台)がFW陣を鼓舞し、マイボールを勝ち取るシーンも見られた。「後ろからフロントローを盛り上げてつらい雰囲気にしないようにしていた」(亀井)。また今試合は多くの初紫紺の選手がメンバー入り。15人制では初紫紺となった海老澤は「自分の持ち味を出し切れなかったので、次は持ち味をもっと出したい」と次戦を見据える。フレッシュな紫紺戦士の活躍に今後も目が離せない。次戦は熊本県えがお健康スタジムで行われる伝統の一戦・明早戦。「早大には絶対負けられないので、この1週間で一番いい準備をして絶対に勝ちたい」(ゲームキャプテン・左ロック山本嶺二郎(法4=京都成章))。5年ぶりの王座奪還に向けて、廣瀬組の戦いはまだ始まったばかりだ。 [森口絵美理] 試合後のコメント山本――ゲームキャプテンとして意識したことを教えてください。「やはりリーダーシップを持っているメンバーが多くいるので、それをどうやってうまくまとめるかということをテーマにしていました。前半はもう少しうまくまとめられたら良かったとは思っていましたが、後半に入ってからはトライを取った後もしっかり話せてまとめることができたので良かったです」 ――個人的に良かったプレーを教えてください。「ラインアウトは自分が出ている間100%成功して、いいクオリティーを出せていたので、そこは良かったです」 亀井茜――試合中はコミュニケーションを取れましたか。「練習の時に比べたらできたと思いますが、まだFWの横のコミュニケーションなど全然足りてない部分はあります。またラインスピードを上げられていない部分もあったのでまだまだだなと思います」 ――次戦の意気込みをお願いします。「まだ東海との試合を見ていないのですが、モールが強かったという声を聞きました。今までの早稲田とは違って結構FWも強いですが、僕たちもサイズアップを目指してハイブリット重戦車ということで鍛えているので早稲田のFWを圧倒したいです」 伊藤耕――今日の試合を振り返っていかがですか。 「雨と風が強い中で、試合のコントロールが難しかったですが、FW、BK全員が前に出る意識があって良かったと思います」 ――ハーフタイム、ウォーターブレーク中に話したことを教えてください。 「比較的ゲームの内容は良かったので、あまりネガティブなことは言わずに雰囲気を盛り上げるというかこのままいい雰囲気でいられるような声掛けを意識しながらやっていました」 海老澤――今日の試合に向けて意識したことを教えてください。 「やはり1年生なので、消極的になってしまうこともあると思うのですが、それでは先輩たちに迷惑をかけてしまうので、いかに堂々とプレーできるか、先輩たちにいかに指示できるかということを考えてプレーしました」 ――上級生とのプレーはいかがでしたか。「先輩方みんなが優しくて、ミスした時もみんなカバーしてくれたので、とても心の支えになりました」 山田――どのような気持ちで試合に挑みましたか。 「自分にできることを精一杯やろうと思って挑みました」 ――今後に向けて意気込みをお願いします。 「今回の試合で見つかった反省をしっかりと修正して、これからもチームの勝利に貢献できるように頑張っていきたいです」 安田――個人的なテーマを教えてください。 「自分はウイングで、トライを取り切る役割なので、しっかりとチームに勢いを付けられるようなプレーをするということが自分の中での目標でした」 ――次戦への意気込みをお願いします。「この春シーズンが一つの基準となって、次の対抗戦や選手権につながってくると思うので、早稲田には絶対負けられないです。だからそういう試合を勝ち切って、いい形で春シリーズを進めていきたいなと思っています」READ MORE