春初陣 流経大を攻守で圧倒し勝利/関東大学春季交流大会

ラグビー 2023.05.08

  チーム『ONE MEIJI』の戦いの火ぶたが切られた。関東大学春季交流大会の初戦の相手は流経大。悪天候の中での試合となったが、終始明大が圧倒し最終スコア58―12で大勝を飾った。廣瀬雄也主将(商4=東福岡)を欠いたメンバーだったが、1年生を始めとする紫紺デビューを果たした選手が大活躍。次戦・早大戦につながる好発進を遂げた。


◆5・7 関東大学春季交流大会(流経大龍ケ崎フィールド)

▼対流経大戦

 〇明大58{36―0、22―12}12流経大

 

 雨が降りしきる中、廣瀬組の幕が上がった。最初に試合を動かしたのは明大。前半5分、敵陣22メートルラインでのマイボールラインアウトからのモール。そこから中心に向けてパスを展開していき、右プロップ為房慶次朗(文4=常翔学園)が先制点を決める。「今年は〝獰猛(どうもう)明治〟という言葉を掲げているので入りからいいスタートが切れて良かった」(右ウイング安田昂平(商3=御所実))。その後も敵陣でのプレーが続く。15分、敵陣22メートルでのマイボールスクラムで流経大を圧倒し、スタンドオフ伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)からパスを受け取った左センター山田歩季(商3=京都成章)がグラウンディング。「スペースに思い切り走り込むことを意識した」(山田)。前半序盤はスクラムの強さが目立ったが、中盤はBKも活躍を見せた。23分、敵陣22メートルでのマイボールラインアウト。萩原から伊藤耕にボールが回り、最後は左ウイング海老澤琥珀(情コミ1=報徳学園)がインゴールに飛び込む。「初トライできてうれしかった」(海老澤)。続く35分には、敵陣22メートルラインでのラインアウトからBK陣でパスを展開。流経大のディフェンスを左右に揺らし、最後は山田がトライを決める。前半を無失点で抑え、36―0で試合を折り返す。


(写真:ゲインを切るナンバーエイト木戸大士郎(文3=常翔学園))

 

 後半も明大が主導権を握り続ける展開となった。4分、敵陣15メートル付近でのマイボールラインアウトから左側にパスを展開。伊藤耕からの巧みなキックパスを受け取った山田がグラウンディング。「自分の強みを出すことができた」(山田)。紫紺デビューとなった山田が3トライを挙げ、意地を見せた。10分には、明大のパスミスで相手にボールが渡り、初失点を許す。しかし後半中盤、大幅なメンバー変更で試合の流れが変わった。伊藤龍之介(商1=国学院栃木)の的確な手さばきでパスの精度が上がり、21分には伊藤龍からボールを受け取った安田がグラウンディング。「みんながつないでくれたボールをしっかり取り切るということを念頭に置いていた」(安田)。30分台は両者ともにセットプレーを基盤とした試合を繰り広げる。しかし、その均衡を破ったのは流経大だった。試合終了間際、流経大ゴールライン付近でのモール。流経大にボールを奪われ、独走トライを許す。コンバージョンキックが終わると同時にホイッスルが鳴り、最終スコア58―12で試合を終えた。


(写真:トライを決める山田)

 

 激しい風雨の中でも、集中力を切らさず戦い抜いた明大。悪いコンディションの下で臨機応変に戦略を変更し、スキルだけでなく対応力でも差を見せ付けた。試合を通して目立ったのはFW陣の団結力。スクラム前に右ロック亀井茜風(政経4=長崎北陽台)がFW陣を鼓舞し、マイボールを勝ち取るシーンも見られた。「後ろからフロントローを盛り上げてつらい雰囲気にしないようにしていた」(亀井)。また今試合は多くの初紫紺の選手がメンバー入り。15人制では初紫紺となった海老澤は「自分の持ち味を出し切れなかったので、次は持ち味をもっと出したい」と次戦を見据える。フレッシュな紫紺戦士の活躍に今後も目が離せない。次戦は熊本県えがお健康スタジムで行われる伝統の一戦・明早戦。「早大には絶対負けられないので、この1週間で一番いい準備をして絶対に勝ちたい」(ゲームキャプテン・左ロック山本嶺二郎(法4=京都成章))。5年ぶりの王座奪還に向けて、廣瀬組の戦いはまだ始まったばかりだ。

 

[森口絵美理]

 

試合後のコメント

山本

――ゲームキャプテンとして意識したことを教えてください。

「やはりリーダーシップを持っているメンバーが多くいるので、それをどうやってうまくまとめるかということをテーマにしていました。前半はもう少しうまくまとめられたら良かったとは思っていましたが、後半に入ってからはトライを取った後もしっかり話せてまとめることができたので良かったです」

 

――個人的に良かったプレーを教えてください。

「ラインアウトは自分が出ている間100%成功して、いいクオリティーを出せていたので、そこは良かったです」

 

亀井茜

――試合中はコミュニケーションを取れましたか。

「練習の時に比べたらできたと思いますが、まだFWの横のコミュニケーションなど全然足りてない部分はあります。またラインスピードを上げられていない部分もあったのでまだまだだなと思います」

 

――次戦の意気込みをお願いします。

「まだ東海との試合を見ていないのですが、モールが強かったという声を聞きました。今までの早稲田とは違って結構FWも強いですが、僕たちもサイズアップを目指してハイブリット重戦車ということで鍛えているので早稲田のFWを圧倒したいです」

 

伊藤耕

――今日の試合を振り返っていかがですか。

 「雨と風が強い中で、試合のコントロールが難しかったですが、FW、BK全員が前に出る意識があって良かったと思います」

 

――ハーフタイム、ウォーターブレーク中に話したことを教えてください。

 「比較的ゲームの内容は良かったので、あまりネガティブなことは言わずに雰囲気を盛り上げるというかこのままいい雰囲気でいられるような声掛けを意識しながらやっていました」

 

海老澤

――今日の試合に向けて意識したことを教えてください。

 「やはり1年生なので、消極的になってしまうこともあると思うのですが、それでは先輩たちに迷惑をかけてしまうので、いかに堂々とプレーできるか、先輩たちにいかに指示できるかということを考えてプレーしました」

 

――上級生とのプレーはいかがでしたか。

「先輩方みんなが優しくて、ミスした時もみんなカバーしてくれたので、とても心の支えになりました」

 

山田

――どのような気持ちで試合に挑みましたか。

 「自分にできることを精一杯やろうと思って挑みました」

 

――今後に向けて意気込みをお願いします。

 「今回の試合で見つかった反省をしっかりと修正して、これからもチームの勝利に貢献できるように頑張っていきたいです」

 

安田

――個人的なテーマを教えてください。

 「自分はウイングで、トライを取り切る役割なので、しっかりとチームに勢いを付けられるようなプレーをするということが自分の中での目標でした」

 

――次戦への意気込みをお願いします。

「この春シーズンが一つの基準となって、次の対抗戦や選手権につながってくると思うので、早稲田には絶対負けられないです。だからそういう試合を勝ち切って、いい形で春シリーズを進めていきたいなと思っています」


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