戸上が張本のリベンジ許さず優勝! 五輪代表圏内に浮上/全農CUP 第4回パリ五輪日本代表選考会

卓球 2023.05.08

 準決勝を突破し、決勝の舞台へ駒を進めた戸上隼輔(政経4=野田学園)。決勝では張本智和(智和企画)を相手に死闘を繰り広げる。最後は勝負強さを見せ、今年1月に行われた全日本選手権(以下、全日本)に続いて張本を下し、見事優勝を果たした。

 

◆5・6~7日 全農CUP 第4回パリ五輪日本代表選考会(トッケイセキュリティ平塚総合体育館)

◆2日目

▼男子シングルス

 戸上――1位

 

 初日を勝ち上がり、準決勝に登場した戸上。激しいラリー戦を制し、確実に各ゲームを取っていく。3―2で迎えた第6ゲーム。スコア6―9から4連続で得点し、最後は相手の真正面へのスマッシュを決め、勝利をつかんだ。

 

 そして迎えた決勝戦。対するはパリ五輪日本代表の選考レースで1位を独走中の張本。くしくも今年1月に行われた全日本の決勝と同一カードに。激闘を繰り広げると予想された今試合だったが、第1ゲームは張本が先制点を皮切りに8連続得点という波乱の幕開けとなった。戸上は0―8から挽回を図り、そこから6連続得点と踏ん張る。しかし最初のリードは大きく、第1ゲームを奪われてしまう。それでも第2ゲームを取り、続く第3ゲーム。0―3の状態から何と9連続で得点。張本のサーブを狙い澄ましたフォアドライブで返し、会場をどよめかせた。その勢いのまま第3ゲームも取り、ゲームカウント2―1とリードし流れを手繰り寄せたかったが、第4ゲームを取られ試合は振り出しに戻る。

 

 その後お互い1ゲームずつ取り、ゲームカウントは3―3。優勝の行方は最終ゲームへ。戸上はサーブで先制点を得たものの、両者一歩も譲らないまま5―5と拮抗した展開となる。ここで戸上サイドがタイムアウト。ここから流れは一気に戸上へと移った。熾烈(しれつ)な打ち合いを制し、得点を重ねる。10―6で迎えたチャンピオンシップポイント。最後は張本が反応できないほどの強烈なフォアドライブで仕留め、フルゲームの死闘を制した。

 

 戸上は今大会を優勝したことにより100ポイントを獲得し、パリ五輪日本代表の選考レースで代表圏内の2位に浮上。だが「正直、全然ダメだった」と試合内容に納得はしていなかった。世界選手権を目前に控えている戸上。世界の舞台でもっと勝てる選手になるために進化し続ける。

 

[末吉祐貴]

 

※試合後のコメントは近日掲載いたします。


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