4年生の活躍で宿敵・早大の猛攻制し 選手権につなぐ/練習試合

ラグビー
2022.12.19

 4年生が主体となり「後悔だけしないように、チャレンジができて楽しかったと思えるようにしよう」(右ウイング杉本大雅・文4=国学院久我山)と挑んだ今試合。4年生の熱い思いがグラウンドで光り、大学選手権(以下、選手権)につなぐ戦いが繰り広げられた。

 

◆12・18 練習試合(会場非公開

対早大B戦

 ○明大42{217、2119}26早大

 

 試合が動いたのは、前半3分。敵陣22メートルライン付近のマイボールラインアウトからモールを形成。FWの力で押し切りフッカー渡邊元隆(政経3=筑紫丘)が先制トライを挙げる。早大の激しいアタックでなかなか敵陣に入り込めない展開になるも前半13分、スタンドオフ土肥恵太(政経4=秋田工)が敵陣深くゲインし、最後は右フランカー最上太尊(商1=仙台育英)がグラウンディング。その後明大のミスで相手に得点のチャンスを与えそうになるが、体を張ったディフェンスで試合の流れは渡さなかった。前半37分には敵陣10メートルライン付近のマイボールラインアウトから渡邊が2本目のトライを挙げるが、すぐに早大に得点を許してしまう。「シンプルにもっとアタックをすれば問題ない。しょうもないミスが重なっていたので、やってきたことをしっかり出そう」(左プロップ葛西拓斗・商4=流経大柏)。前半終了間際、葛西など4年生がチームを鼓舞する場面も見られた。「最後は取られたが3トライできていい形だった」(ゲームキャプテン・スクラムハーフ丸尾祐資・商4=報徳学園)。前半は明大ペースで試合を展開していき、21―7で折り返す。

 

 後半でメンバーを一掃した明大はミスが目立ち、同点に追いつかれてしまう。それでも後半22分、早大の粘り強いディフェンスを押しのけ、空いたスペースに青木大輔(法2=明大中野)がトライ。しかし3分後、明大のペナルティーから早大に得点を与える。そんな中、前半出場していた4年生の姿が再びグラウンドに現れ、チームが次第に活気付いていく。後半33分、敵陣10メートルラインから早大のラインアウトをスチール。そこからパスを右に展開し、杉本がグラウンディングしたかと思われたが相手のタックルでタッチラインから出てしまう。だが、相手のハイタックルによりペナルティートライとして認められる。「運を拾うことができた」(杉本)。後半43分には、土肥のパスから左ウイング關根瑞己(商4=明大中野)がインゴールにダイブ。「今日はトライを取ろうと意気込んでやってきて、土肥がすごく良い仕掛けをしてくれた。今までのトライで一番良かった」(關根)。土肥も今試合全てのコンバージョンゴールを決め、42―26で今年度最後の練習試合の幕を下ろした。

 

 試合を通して、宿敵・早大相手に意地の張り合いが多く見られた。「4年生というプライドを見せられた。最後早稲田というライバルに対して、80分間徹底して一貫性のあるプレーをやり抜けた」(土肥)。4年生の選手は、この試合が最後の選手も多くいるだろう。「(試合に)出場している4年生が多くて、今日が最後という人もいたので、とても気持ちが入っていた」(左ロック古庄竜也・情コミ4=中部大春日丘)。4年間切磋琢磨(せっさたくま)し合った仲間と思いを一つに、今までやってきたことをプレーで体現する姿は感動を与えてくれた。試合が終わった後の選手たちの笑顔がとてもすがすがしかった。「なかなか4年生中心に組めることがないので、思い出に残る楽しい試合だった。最後早稲田に勝てたのもうれしい」(丸尾)。クリスマスには、選手権・早大戦を控えている。今試合でチームがさらに勢い付いた明大。これから日本一に向け、負けられない戦いが始まる。

[井垣友希]

 

試合後コメント

丸尾

――今年度最後のB戦でしたが、1年を振り返るといかがですか。

 「競争がしっかりできて春も負けた試合はありましたが、いい課題を持って夏に臨めました。夏は体調不良者が出て合宿が厳しい状況での活動になりましたが、それでも活動を止めず協力しあって冬まで来られたので、層の厚さが明治の強みだと思いました。1年を通じていい感じできていると思います」

 

葛西

――今年度最後の練習試合でしたが、特別に懸ける思いなどはありましたか。

 「いつもこの時期の試合は、メンバーに絡んでいない4年生は最後の試合という位置付けで、そのような気持ちで臨んでいると思います。でも、僕自身としてはこれが最後の試合とは思っていなくて。僕はメンバーに絡んでいないですが、けが人が出たときや何かあったときに100パーセントの力が出せるように、この1年間の一つの試合としか思っていないです。残り3試合、試合に出る出ない関係なく、チーム全員で勝ちにいきたいです」

 

古庄

――早大と戦ってみていかがですか。

 「どのカテゴリーでもライバルはライバルなので、今日は勝って大学選手権につなげようとしていました。勝てたので、次の早稲田戦に向けてつなげられたと思います」

 

土肥

――今試合を振り返ってみるといかがですか。

「前半はやはり自分たちのいいアタックをして、ディフェンスに関しては少しスペースが空いてしまって良くない部分もありました。後半は入りが悪くて一時同点にされたのですが、最後4年生が入って4年生の意地というものを出せたと思います」

 

關根

――今日の試合に込めた思いを教えてください。

 「恐らくラストの試合になるだろうという感じだったので、もう4年間今までやってきたことを全て出すことです。4年生でメンバーを固めていただけたので、とにかく楽しもうと決めて、ラグビーを楽しむことも意識してやりました」

 

杉本

――今試合の個人的なテーマを教えてください。

 「もしかしたら僕のラグビー人生最後の試合かもしれないので『杉本大雅』を体現するというのを意識していました。具体的には流れをまず掴み僕が流れを作って会場を沸かす。あとは、細かいところを徹底するということです。ラグビーをやって培ってきたことを体現しようというのを意識して、今日は取り組みました」