(6)吉村公汰/インカレ開幕直前特集

バスケットボール(男子)
2022.12.04

 いよいよ全日本大学選手権(以下、インカレ)が直前に迫る。全26試合に及ぶ秋季リーグ戦を11位で終え、入替戦に突入。1部のプライドを見せ2部降格を回避し、インカレの出場権を獲得した。今回はチームを引っ張ってきた4年生へのインタビューをお送りする。

※第6弾はSF吉村公(営4=土浦日大)選手です。このインタビューは11月30日に行われたものです。

 

――約3ヶ月間のリーグ戦を振り返って、チームが成長したことは何でしょうか。

 「やはりチームで戦うことが大事になってくるので、個人で戦うというよりはチームで戦う意識が高まりました。あとはつらくなったときに、どれだけ4年生がチームを悪い方に行かせないように保てるかを重要視されてきたので、そこは成長できたと思います」

 

――チームで戦うとは具体的にどういったことでしょうか。

 「(明大は)他のチームと違って留学生なしで戦っていますし、身長が高い方ではないので、能力や身長で戦ってるチームに対して、ずば抜けて戦えるというところはないです。1人に対して2人で守るとか、攻めるにしてもエースに託すというよりはチームオフェンスで攻めるだとか、連係プレーで攻めることを意識することで、チーム力が強くなったと思います」

 

――昨年度は常田耕平(令2政経卒=現青森ワッツ)選手という柱がいましたが今年度は違います。ここについてはリーグ戦を戦っていく中で違和感はありましたか。

 「練習中の強度や厳しさは自分たちの代の初めはありませんでした。耕平さんや舞生さん(塚本舞生選手・令2政経卒=現湘南ユナイテッドB C)がいる練習は、最初から締まっていて良いこと悪いことの共通理解ができていました。自分たちの代は絶対的エースやリーダーがいなかったのでそういった面で大変だった部分がありましたね」

 

――変えていったところなどはありますか。

 「キャプテンの耀(SG井上耀主将・政経4=明成)が試合に出場はしていませんが、練習中からハードワークしてくれて、自分たちにも厳しいこと言ってくれたのでチームが引き締まりました。あとは自分と勝山(SF勝山大輝・法4=正智深谷)が試合に出ている以上は引っ張らなきゃと思っています。塚本先輩と仲良くしていて色々学ばせてもらい、良いところを奪ってきたのでこれを生かして後輩に伝えながら自分も色々考えて変えていきましたね」

 

――井上主将は試合中も得点が決まるとものすごく盛り上げて喜んでいました。試合中はあのような姿をみていてどうでしたか。

 「ベンチ力というのは本当にどのチームよりも持っているので自分たちにも声が聞こえてきますし、5人で戦っているというよりかは全員で戦えてるという雰囲気でできています。今必ず守らなければいけないというときに5人ではなくチーム全体で相手のフォーメーションを言ったりだとか、ここが危険だからここ守ろうみたいなのがタイムアウト以外でも飛んでくるので、そこは助けられてますね」

 

――明大は他大よりもあまり人数が多くないですが、雰囲気はとてもいいです。この辺りは4年生として意識していることはありますか。

 「後輩たちとはプライベートでも仲良いですし、練習もしっかり切り替えています。仲良くやる部分もあれば厳しく言う場面もありますし、逆に後輩たちの意見も聞いたりはしていますね。そういった面では練習中から勝とうという雰囲気は出ているので、良いチームだなと感じています」

 

――特に仲の良い後輩はいますか。

 「平松(PG平松克樹・情コミ2=福岡大大濠)や結城(PF結城智史・営3=土浦日大)、針間(PG針間大知・情コミ1=福岡大大濠)だったりは練習もプライベートも仲良いですし、あとは越田(SG越田大翔・政経2=明成)だったりも一緒に出かけたりバスケしたりがあったのでその辺りは仲良いですかね」

 

――3年ぶりの1部リーグ戦。11位という結果についてはどうですか

 「勝ち切れる試合を落としてしまいましたね。逆転負けだったり、簡単なミスで段々と離されて負けるというのがあったりしたので、甘さっていうんですかね。最後まで集中してやり切るということが全然できなかったというのが大きいですかね。相手の試合の状況にもよるのですが、神大さんとオーバータイムやった時は、疲労もそうですし勝ちたい気持ちが負けてたなと。スタミナと気持ちが負けていたなと思いますし、早稲田さんや拓殖さんとやった時は集中力が切れたり、安定したプレーを出せないっていうところかな。勝ち切れないというところにつながっているのかなと思います」

 

――吉村さん自身に反省はありますか

 「自分の課題でもありますが波が激しいので、後輩に頼れる田邉(SF田邉太一・情コミ3=福岡大大濠)や伊藤(PF伊藤治輝・政経2=桐光学園)というポイントゲッターがいて、自分でも得点しつつそこに点を取らせているので自分の点数も伸びないからダメということでもないです。ただ、相手にアジャストして対策もせっかくしてたのに、できているときとできてないときの波が激しくて、そこは本当に準備不足というのがあります。そこは悔しい部分ではあるのですが、逆に負けてる試合だったり追い詰められた試合のときに声を掛けられたり、そういうところは出せたし見せられたので良かったのかなと思います」

 

――4年生として取り組んできたことはありますか。

 「チームとしてセンターの替えがいないので、身長の面で見られる試合が多くて、留学生対策だけではなくセンターの対策ということを一から徹底してやってますいます。あとはリーグ戦が終わってミーティングした時に、チームの共通理解というのを一から話し合いました。バスケットの考え方だったり、詳しくこの面ではどういった風に攻めるのかだったりの共通理解を持たないと試合中にも違いが生まれてしまいます。共通理解を持ちながら練習をすることで何がダメで何が良かったプレーなのかを、明確にしてやっています。(個人としては)シューターという立場で出させてもらってるのですが、確率が良くないので、リーグ終わってからシューティングの量も増やしました。この前から確率が上がってきているので、インカレ前にはもっと上がるようにするのと、あとはボールプッシュする選手がリーグ戦では田邉平松がメインで、逆に言うとその2人以外はできないというのが目立っていたので、そこを練習中は自分もプッシュできるように練習していますね」

 

――インカレはベスト4が目標だと聞いています。

 「最後の大会ですし、インカレにはそもそも出場できなかったり出ても悔しい思い、苦い思い出しかないです。最後のインカレは結果が全てだなと思うので、結果を出して悔いを残さないで終わりたいですね」

 

――最後にかける意気込みをお願いします。

 「大学最後の試合で、昨年度耕平さんから言われていて、最後に。『結果残さないと意味ないぞ』という言葉をもらいました。負けてしまうと『惜しかったね』、『あともう少しだったね』と言われようが負けは負けですし、逆に言えば良くない試合内容でも勝てば勝ちは勝ちだと思っています。あとは来年度の後輩たちに一つでも二つでも多く、自分たちの学んできたことを残せればなと思っています。悔いの残らないように一試合一試合の1秒ですら気を抜かず、最後まで戦い抜きたいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[菊地秋斗]