
インカレ3冠達成! 武井・遠藤組、宮下、上杉が個人戦優勝/全日本学生選手権
最終日を迎えた全日本学生選手権(以下、インカレ)。個人戦各種目の準決勝と決勝が行われ、明大勢が優勝を独占する快挙が巻き起こった。武井優太(商4=埼玉栄)・遠藤彩斗(政経4=埼玉栄)組が男子ダブルス、宮下怜(政経1=埼玉栄)は男子シングルス、上杉杏(商4=埼玉栄)は女子シングルスで優勝を果たした。
◆10・14~20 全日本学生選手権(小瀬スポーツ公園体育館他)
▼男子ダブルス
武井・遠藤組――1位
▼男子シングルス
宮下――1位
▼女子シングルス
上杉――1位
武井・遠藤組は準決勝で滝口・川島組(中大)と対戦。点差はほとんど開かないものの、リードされる場面はなく第1ゲームを21―18で先取。続く第2ゲームも、スマッシュを駆使し2人で攻め込み21―18で勝利。
決勝の相手は、昨年度の決勝戦と同じく緑川・町田組(早大)。「手の内は十分知れている相手だったので、しっかりと対策することができた」(遠藤)。得点を重ねていき21―14で第1ゲームを取る。だが、第2ゲーム序盤で相手を追いかける展開に。5-5で追い付くも、スマッシュで後ろに追いやられ、なかなか優位に立てず。9―11でインターバルに入った。「自分たちがミスしなければ勝てる相手」(武井)と、相手の攻めの姿勢には動じず、試合再開後は自分たちが果敢に攻めていく。力強いスマッシュと粘りのレシーブを繰り返し、得点を量産。13―13で相手に並ぶ。時には緩急をつける、低空戦に持ち込むなど、自分たちのプレーを発揮。21―19で勝利し、インカレ個人戦2連覇を果たした。
(写真:昨年度、今年度個人戦で優勝し2連覇した武井・遠藤組)
初めてのインカレで着実に勝ち進め、準決勝に臨んだ宮下。対する相手は阿部(日大)。一度負けている相手であり、リベンジする気持ちで相手に向かっていく。「とにかく攻めてくる相手で、球が速くやりにくい相手だった」(宮下)。だが、21―14、21―18で決勝進出を決める。
決勝の相手は野田(日体大)。第1ゲームは後半で追い上げを図り、21―19で先取。しかし、第2ゲームでは18―21で競り負けてしまう。緊張感のある中で迎えた勝負の第3ゲーム。前半では徐々に点差を詰めていくも、相手に及ばず悔しさが声になって表れる。攻められている時は必死に食らいつき、スキを逃さず上からのショットを確実に決め、相手に追い付くことに成功。そこから互いに譲らない展開で20―20に。激戦の末、22―20で宮下が優勝をつかんだ。
(写真:男子シングルス優勝の宮下)
上杉はダブルスでベスト32に終わり、悔しさをぶつけるつもりでシングルスに挑んだ。準決勝の相手は高校の同期である吉田(早大)。ラリーを続けて大きな展開をつくって攻め、点数を決めていく。21―15、21―17で決勝進出を決めた。
同期の粕谷紗希(営4=錦城)、木村早希(文4=青森山田)がコート脇で見守る中、迎えた決勝。栗原(筑波大)との対戦は体力勝負となった。「1ゲーム目からラリーの長い展開が多く、本当に苦しい場面が多かった」(上杉)。第1ゲームは22―20で勝ち切る。第2ゲームでは、相手のアタックに翻弄(ほんろう)される場面が見られた。狙いを定めた攻撃を受け、返球し切れず。体勢が崩れても転倒しても、弱気にならず戦い続けた。結果は16―21で第3ゲームにもつれ込む。負けられない気持ちを胸に挑んだファイナルゲームでは、序盤で6点連取し流れをつくる。「攻め急がずに自分のプレーを出していった」(上杉)。相手を前後に動かし、攻めるところでは正確に決めて得点を重ねる。疲れがある中でも、自分に有利になるような展開をつくり出し、21―14で勝利。優勝を決めた上杉は、同期と抱擁を交わし喜びを分かち合う。団体戦や個人戦ダブルスで味わった悔しさをバネに、最後のインカレ個人戦で有終の美を飾った。
(写真:女子シングルス優勝の上杉)
今年度のインカレ団体戦では男女ともに団体優勝を目指していたが、その思いはかなわなかった。だが、気持ちの切り替えを図り、多くの部員が個人戦を戦い抜いた。4年生の武井・遠藤組と上杉は負けられない気持ちを糧に、1年生の宮下は相手に向かっていく気持ちを糧に勝利を重ね、優勝をつかみ取った。男子ダブルス、男子シングルス、女子シングルスでの3冠達成という快挙を成し遂げた明大。来年度もさらなる快挙を見せてくれるに違いない。
[守屋沙弥香]
試合後のコメント
遠藤
――第3ゲームまでもつれ込む展開もありましたが、どのように乗り越えましたか。
「正直、勝たないといけいけないというのがあって、そこを勝たなければいけないではなく勝ちたいという気持ちに切り替えて二人でできたのが良かったかなと思います」
武井
――優勝しての率直な感想をお願いします。
「狙っていた優勝だったので緊張する部分もあって危ない試合もありましたが、最後は優勝できて良かったです」
上杉
――接戦だったと思いますが、いかがでしたか。
「体も少しきつかったのですが、最後まで自分の力を出し切ろうという思いと、後ろに同期がいたので、4年間の思いを自分が全てぶつけるんだという気持ちでできたので、本当に苦しい場面が多かったですが粘り切れて良かったです」
宮下
――決勝戦の相手のプレーの印象を教えてください。
「ヘアピンがすごくうまかったので、ヘアピンから崩されないようにロブを意識してできたのが勝利の要因だと思います」
――今後の意気込みをお願いします。
「1年生で優勝できたので、この先も優勝できるように頑張ります」
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