
(女子)新戦力1年生とラストシーズンの4年生活躍 インカレ3枠獲得/東日本学生選手権
東インカレの最後は女子7、8級が行われ、明大からは4人が出場。住吉りをん(商1=駒場学園)が2位、佐藤伊吹(政経4=駒場学園)が4位、江川マリア(政経1=香椎)が5位、本田真凜(政経3=青森山田)が12位に入った。大学としては来年1月に行われる全日本学生氷上選手権(以下、インカレ)への出場枠3枠を獲得した。
◆10・14~16 東日本学生選手権(ALSOKぐんまアイスアリーナ)
住吉は水の流れを連想させる青を基調とした衣装で登場。冒頭の4回転トーループで転倒、続くジャンプではバランスを崩す不安定な滑り出しとなった。その後も小さなミスはあったが「ボロボロと崩れていかなかったのは自分の中ではすごく良かった」。得意とするスピンでは長い手足を生かして美しく回った。今回、成功とはならなかった4回転ジャンプは「一日1本降りることをノルマにしている」。日々の努力が実を結び4回転トーループを試合で成功させる日は近い。
(写真:4位の佐藤)
第2グループで演技を披露した佐藤は、6分間練習から次々とジャンプを着氷させ調子の良さをうかがわせた。曲がかかると佐藤の世界が広がる。情感あふれる演技で滑らかに舞った。全ジャンプを成功させ、今シーズンから採点基準が変わったスピンでは二つでレベル4を獲得。演技後には、はにかみながら仲間に手を振った。このいい流れを止めることなく全日本選手権(以下、全日本)、さらにはインカレまで駆け抜ける。
(写真:5位の江川)
今日の試合に点数をつけるとしたら40点と厳しく振り返った江川。東京選手権(以下、ブロック)後に靴を替え、まだ新しい靴に慣れていない中での演技となった。演技開始直後の3回転ルッツとダブルトーループの連続ジャンプは余裕を持って着氷。しかし、その後のジャンプで乱れが出てしまう。最後は悲しくもありどこか晴れやかでもある難しい表情で演じ切りフィニッシュ。演技を通して自分の武器を再確認しジャンプに自信を持ちたいと思った今大会。悔しさをバネに東日本選手権(以下、東日本)では最高の演技を見せる。
(写真:12位の本田)
本田は深い紅の衣装に身を包み『ムーラン・ルージュ』を披露した。冒頭の3回転ループは軽やかに降りGOE1.31を記録。指の先まで行き届いた所作の美しい演技で見る者を魅了した。終盤速くなるリズムに乗せてステップを踏んだ本田。全日本への切符をつかむための東日本ではどのような演技を見せてくれるのだろうか。
ブロックとは違う雰囲気で行われた東インカレ。「男子の大きい歓声が聞こえて少し気持ちが乗る感じで楽しかった」(住吉)。明大は見事インカレの出場権3枠を手にした。学年を超えて仲間と一緒に。インカレで明大フィギュア部は男女共に優勝を目指す。
[堀純菜]
試合後のコメント
住吉
――東京選手権が終わってからどのような練習をしてきましたか。
「SP(ショートプログラム)がすごく自分の中でトラウマになってしまっているので、SPを重点的にやってきて、FS(フリースケーティング)はこの試合のために今までより増やすということはなくて、今までの自信をなくさないように、自信を持ったまま練習できるようにということで集中して曲かけをするという練習をしてきました」
――良かったところを教えてください。
「ミスが出つつもあまりプログラム自体に影響が出ない感じでまとめることができたので、全体的な出来としてすごくいいプログラムができたかなと思います。あと、久しぶりに試合自体を楽しむことができて良かったです」
佐藤
――この試合に挑む気持ちは他の試合とは違いましたか。
「やはり明治大学として出ている試合なので、これがインカレにつながるというのもあるし、みんなで力を合わせてやらないといけないという意味では、ブロックや東日本とは違って自分だけの責任ではないなと思っていたので、そのような緊張は他の試合とは違う意味でありました」
――次戦の東日本に向けて意気込みをお願いします。
「次もこの会場でやるのですが、それに向けてすごく良いイメージを作ることができたと思っているので、前回のブロックで失敗してしまったSPをもっと重点的にここから3週間は練習をします。SPでまず出遅れないこと、FSで今回ぐらいの演技ができれば全日本につながると思うので、そこをあと3週間は集中して頑張りたいなと思っています」
江川
――今日のコンディションはいかがでしたか。
「体はよく動いていたのですが、全体的にスピードが抑えめになってしまいました。その結果いつもの自分の武器でもあるジャンプの流れやスピード感が消されてしまった演技だったので、そこはもったいなかったと思います」
――悔しかったところと次につながる点も教えてください。
「一番はジャンプです。ダブルアクセルと3回転トーループの連続ジャンプが得点源、武器だと思っていてプログラムに二つ入っていますが、今日は二つとも決めることができませんでした。決めることができなかったらこのくらいの点数だということが分かったので、逆に武器が決めることができたら、武器のおかげでこのくらい点数が伸びるのだなということを再確認できました。全部のジャンプに自信を持ちたいですが、特に決めたいと思ったジャンプはしっかりと決め切ることができるように練習したいなと思います」
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