3年ぶりの伝統の一戦 関西の雄・同大を制す/定期戦

ラグビー
2022.06.13

 パロマ瑞穂ラグビー場で行われた3年ぶりとなる同大との定期戦。前半は立て続けに4トライを奪うなど活躍を見せ、26―5のリードで折り返す。後半では攻めあぐねる時間があったものの、粘りを見せ最終スコア40―19で関西の雄・同大を下した。

 

◆6・12 定期戦(パロマ瑞穂ラグビー場)

▼対同大戦

 〇明大40{265、1414}19同大

 

 3年ぶりとなる同大との伝統の一戦。序盤はお互いにミスが目立ち、拮抗(きっこう)状態が続く。先に動いたのは明大だった。前半13分、敵陣22メートルライン手前のマイボールスクラムから始まりBK陣で展開。ゴール付近まで到達するとFW陣で徐々に前進し、最後は左プロップ床田淳貴(情コミ3=桐蔭学園)が押し込みトライ。「主導権を握ろうと話していたので、トライを決められて良かった」。滞っていた空気の流れを、まずは自慢のFWでこじ開ける。そして、このトライを皮切りに明大が実力を見せつける。前半21分、フッカー紀伊遼平(営4=桐蔭学園)のアタックからターンオーバーに成功すると、左センター廣瀬雄也(商3=東福岡)がインサイドに入りラインブレーク。「いつもならパスするところだったが、今回は強気でいこうと決意していた」(廣瀬)。勢いよくゲインを切ると一気にそのままゴールラインへ。会場からは大きな歓声があがり、この日一番の盛り上がりを見せた。続く29分には、ゴールライン前でパスダミーを仕掛けたスタンドオフ伊藤耕太郎(商3=国学院栃木)がグラウンディング。追加点を決めて、さらにチームを勢い付ける。続いて、明大得点後の同大キックオフから始まると、右ウイング秋濱悠太(政経2=桐蔭学園)が自陣10メートルラインから敵陣22メートルラインまで進むビックゲイン。最後は秋濱のオフロードパスを受け取った紀伊がトライを演出する。「秋濱の後ろに回ってボールを受け取れる場所にポジショニングしていた」(紀伊)。今年度初となるノーホイッスルトライを決め、明大の強さが光ったプレーとなった。その後、同大に1トライを奪われ前半は26―5のリードで折り返す。

 

 後半では粘りの展開が多く見られた。後半10分に松下潤一郎(法3=筑紫)がトライを決めるも、その後は攻めあぐね「自分たちのミス、ペナルティに自滅してしまった」(紀伊)。相手に2トライを許してしまう。だが、ここで終わらない明大。後半30分、得点を入れられた後に再びチームで円陣を組み気持ちを入れ直す姿が。「『明治のプレーを、八幡山でやったプレーをもう一度やろう』と話していた」(右フランカー福田大晟・商2=中部大春日丘)。気持ちを切り替え迎えた後半37分、ゴールライン付近のマイボールラインアウトから始まると、最後は金昂平(政経2=大阪朝鮮)がトライ。「最後いい形で回してくれたので、そこはきちんと取り切れて良かった」(金昂)。試合終了間近で粘りのプレーを見せ、最終スコア41―19で関西の雄・同大との一戦を制した。

 

 「前回の同志社戦で僕ら4年生の代から出ているのは1人もいなかった」(紀伊)。毎年行われていた同大との定期戦は新型コロナウイルスの影響で3年間行われていなかった。そのため、選手たち自身にとってはこれが同大との初めての対戦。「最初は探り探りだった」(床田)。途中、風や相手の勢いあるプレーに苦戦する場面もあったが、前半では4連続トライを奪うなど活躍を見せ、3年ぶりとなった伝統の一戦は明大が見事白星を勝ち取った。次戦は春シーズンラストとなる日大戦。関東大学春季大会の優勝はついえたが「いい形で終わるようにしたい」(左ウイング原口虎太郎・商4=東福岡)。次戦も勝利を収め、夏に向けていいスタートを切りたい。

 

[安室帆海]

 

試合後のコメント

床田

――次戦への意気込みをお願いします。

 「来週が春の試合のラストの日大戦なので、しっかりメンバーに入ったら相手に合わせず自分にできることを全力でやりたいと思います」

 

紀伊

――同大はどのようなチームだと感じましたか。

 「どんどん走ってくるチームだなと感じました。自陣からのペナルティでも積極的に仕掛けてきたり、狭いところでもスペースを見つけて結構アグレッシブにやってくるチームだなと感じました」

 

福田

――地元、愛知県での試合でしたがいかがでしたか。

 「地元でまたやれてうれしかったです。パロマ瑞穂ラグビー場は愛知県の決勝で使っていたので、そこでまたプレーできたのでとてもうれしいなと思いました」

 

原口

――個人のプレーを振り返っていかがですか。

 「最初のタッチに出されてしまった部分なのですが、もう少し僕自身は取り切るということをもう少し意識してやっていきたいなと思います」

 

廣瀬

――ラインブレークを決められるシーンが多かったですが、振り返っていかがですか。

 「先週東海大戦で外側に行き過ぎたので、中で結構強いプレッシャーを与えるというのは決めていました。内側にやってうまくはまって良かったです」

 

金昂

――試合を振り返っていかがですか。

 「僕は今回も多くの課題が出たので、勝ったのですが(個人的に)課題の方が大きかったので、そこを修正できたらなと思います」