女子エペ 王座初優勝を達成!/全日本学生王座決定戦

フェンシング
2022.06.06

   学生日本一を決める全日本学生王座決定戦(以下、王座)に、明大からは女子エペが出場した。5年前に準優勝を果たして以来、1部下位に留まっていた女子エペ。日大、中京大と東西の強豪が立ちはだかるも、最後まで集中力を切らさず見事に両者を撃破。女子初となる王座優勝を果たした。

 

◆6・5 全日本学生王座決定戦(駒沢体育館)

▼女子エペ 明大――1位

 

 関東と関西の強豪が出場する今大会。関東学生リーグ戦(以下、リーグ戦)で2位となった明大は、まず関西王者の中京大と対戦する。「初戦からきつい相手だと思っていた」(長尾康司監督)。予想通り、序盤は一進一退の攻防が展開される。しかし、佐藤琴美(政経3=一関第二)の2巡目で一気に7点差まで点差を広げると、後半はチームが勢いづき最後は45―28と圧勝。5年ぶりに王座決勝進出を決めた。

 

 決勝の相手は宿敵・日大。「さすがにもう勝ちたい」(稲山友梨・営2=星槎国際)。昨年度の全日本選手権(以下、全日本)決勝、先月のリーグ戦決勝と2度敗北していた相手だけに、選手たちの思い入れは強かった。1セット目は、稲山が5―2と得点を重ねる好調な滑り出し。中盤の4セット目では「前に入りやすい相手だった」(中村優里・営4=成立学園)と中村が点差を4点まで広げる好プレーを見せ、試合の流れは明大に傾いていた。8セット目も「強気で行くことができた」(佐藤)と佐藤が33―28とリードを広げたまま、勝負の行方は最終セットの稲山に託された。お互いに点を取り合う展開が続くも、試合時間が残り30秒を切る中で39―34と明大の5点リード。明大の勝利が見え始めたその瞬間、相手の猛追が始まった。残り15秒で相手が35点目を決めると、そこから一気に3連続ポイント。試合終了間際、流れは明らかに日大に握られていた。それでも「逆に冷静になって前に出られた」(稲山)。39―38と1点差の状態で、貴重な40点目を決めるとさらにもう1点を追加し、結果は41―38。大接戦を制した明大女子が、史上初の王座優勝を果たした。

 

 勝因はチームの結束だった。メンバーの海外遠征もあり、なかなか団体戦の練習を十分に積むことはできなかった。それでも少ない時間でコミュニケーションを取り合い、試合当日に向けてしっかりと調整を行ってきた。「今までやってきたことは間違っていなかったし、少しずつ実ってきた」(小野寺利浩助監督)。王座初優勝で春季を終えた明大女子。今年度の戦いは、関東学生選手権、全日本学生選手権、全日本と続いていく。「今後の試合も勝てるように、もう一度気を引き締め直してやりたい」(中村)。明大女子の挑戦は、まだ始まったばかりだ。

 

[渡辺悠志郎]

 

試合後のコメント

長尾監督

――今日の勝因はどこにありましたか。

 「中村が時間を使い、相手のエースを思うように動かさないことで、ロースコアで次につなぐ。佐藤がしっかりと自分のスタイルのフェンシングをしてくれれば、そんなに大きな失点はない。勝負は最後の稲山で、出てくる試合で点差を広げられる展開であれば勝てると思っていました。その通り、みんなが役割を果たしてくれて理想の試合展開でした」

 

小野寺助監督

――今のお気持ちはいかがですか。

 「2回続けて負けた日大に、今回は念願がかなって敵を打てたので非常にうれしい気持ちと、選手たちにとても感謝しています」

 

中村

――今の率直な気持ちを教えてください。

 「うれしいが一番にありますが、本当に後輩に救われたなと思うのでありがたかったなという気持ちが強いです」

 

佐藤

――女子初の王座優勝を達成されました。

 「あまり実感が湧かないです。最初、初めてのリーグ戦で王座すごいのかなという感じだったので、うれしいかなという感じです」

 

稲山

――王座初優勝ですがいかがですか。

 「うれしいです。結構思い入れのある試合だったので、ずっと2位だったりしたのでうれしいです」

 

盧承延(政経1=王子総合)

――今日の勝因はどこにありましたか。

 「誰かがミスをしたら次の人がミスをしないで埋めるように、全部そうだったのでとてもチームプレーがいいと思いました」