
田中禅大学初ゴール! 国士大に2―0で勝利 /関東大学1部リーグ戦
優勝争いに向けて勝ち点を落とせない明大は国士大と対戦。再三チャンスを生み出すも決めきれずに前半を無得点で折り返す。それでも迎えた59分、後方からのロングパスを収めた木村がネットを揺らし先制点を挙げる。直後には福田が獲得したPKを田中禅が沈め、2-0で勝利。着実に勝ち点3を積み上げた。
エースの佐藤恵允(文3=実践学園)をU―21日本代表の活動で欠く明大は、前節からFWを3枚入れ替えて臨んだ。序盤は明大がボールを支配する時間が続く。25分には、今季リーグ戦初スタメンの田中禅がピッチ中央からボールを持ち運び、右サイドの藤森が決定機を迎えるも相手GKに阻まれる。その後は国士大に攻め込まれるなどして相手ゴールを脅かせず「テンポが遅かった。もっと怖いプレーをしなければならない」(栗田大輔監督)と無得点で前半を折り返した。
(写真:初ゴールを決めた田中禅と林主将のサガン鳥栖コンビ)
後半は「パススピードを速くすることを意識した」(福田)とチーム全体で前半の修正点を確認し、再び明大ペースに。そして59分にゲームが動いた。サイドからの攻撃が続く中、最終ラインから福田が前線にボールを送り込む。それを足元に収めた木村が2試合連続となるゴールで待望の先制点。相手ディフェンスの一瞬のスキを突いたゴールだった。さらに勢いに乗りたい明大は藤森のスルーに反応した福田がPA(ペナルティエリア)内で倒されPKを獲得。キッカーを任された田中禅がキーパーの逆を突き追加点を挙げる。終盤は国士大の反撃を受けるも「DF陣を中心に集中力を切らさない意識が芽生えてきた」(栗田監督)と、無失点で守り切り試合終了の笛が鳴った。
(写真:アンカーとして攻守を司る松原)
主力攻撃陣欠場の不安を払拭(ふっしょく)したのが今季リーグ戦初スタメンで初ゴールと結果を残した田中禅だ。「守備をしながらゴールを狙うことに徹した」(田中禅)。試合では攻撃の起点になるだけでなく、前線からのハイプレスでもチームを支える。持ち前の得点力を武器に「スタメンで出続けてチームに貢献し序列をひっくり返したい」(田中禅)と新エース台頭へ意気込みを語った。
今節の勝利で拓大に引き分けた首位東国大と勝ち点で並んだ。前期リーグ戦は終盤に差し掛かり次節は法大と対戦。リーグ制覇に向けて「絶対に負けられない一戦。真っ向勝負して勝ちたい」(松原)と意気込んだ。全日本選手権決勝をゴールに見据えつつも「毎試合しっかりと積み上げていくことが大事」(栗田監督)と目の前の試合に全力で立ち向かう。勝利を重ねる明大は王座への道を着実に歩み進めている。
[長﨑昇太]
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