大会2日目を終え明大勢は5人が入賞/日本選手権

水泳(競泳)
2022.04.30

 3月に行われた国際大会日本代表選手選考会(以下、選考会)の影響で、例年よりも2カ月ほど遅れて開催された今大会。追加の代表選考を兼ねたレースということもあり、初日、2日目共に熱い戦いが繰り広げられた。宮坂倖乃(法4=春日部共栄)は惜しくも表彰台には届かなかったが2日連続の入賞。またルーキー・山田海斗(政経1=札幌静修)はうれしい初入賞と、新戦力も大舞台で大きな一歩を踏み出した。

 

◆4・28~5・1 日本選手権(横浜国際プール)

◆1日目

▼女子50メートルバタフライ

8位 田嶋 27秒06

▼男子400メートル個人メドレー

5位 廣島 4分14秒85

8位 田渕 4分18秒88

▼女子100メートル平泳ぎ

4位 宮坂 1分07秒95

◆2日目

▼女子50メートル平泳ぎ

5位 宮坂 31秒77

▼男子100メートル背泳ぎ

8位 山田 56秒20

 

 大会初日、成長止まらぬ2年生がまたもやベストを更新してみせた。400メートル個人メドレーに出場した廣島偉来(政経2=淑徳巣鴨)は、予選を自己ベストから1秒上回るタイムで通過すると、午後の決勝でもさらに1秒更新し5位入賞。「調子がいい状態だったので、ベストは出したいと思っていた」(廣島)。3日目は本職である200メートル個人メドレーが控える廣島。アジア競技大会の代表枠が空いている種目なだけに、この勢いで代表権をつかみ取りたい。一方、昨年度の学生王者としてこの種目に挑んだ田渕海斗(情コミ2=日大藤沢)は8位と振るわず。「情けないレースをしてしまった」(田渕)と悔しさをにじませた。それでも今大会200メートル、400メートル、800メートルの自由形にもエントリーしている田渕。「切り替えてできることをやる」(田渕)。3日目以降、得意の自由形種目で意地を見せつける。

 

 女子では宮坂、田嶋玲奈(情コミ3=春日部共栄)が決勝に進出。50メートルバタフライに出場した田嶋は「力が入ってスムーズに泳げなかった」と結果は8位。しかし「決勝で泳げたことは収穫」(田嶋)。3日目の100メートル自由形、4日目の100メートルバタフライでも入賞、そして自己ベストの更新を狙う。また、田渕と同様に学生王者として臨んだ宮坂。「なかなか越えられない壁」(宮坂)と表現した上位陣に一歩及ばず、昨年度と同じく4位。次なるレースは4日目に行われる200メートル平泳ぎだ。こちらも昨年度4位と悔しい思いをしただけに、今度こそ圧巻の泳ぎを期待したい。

 

 大会2日目。100メートル背泳ぎの予選に出場した山田は「今までの競技人生の中でも、ものすごく体が動いていた日」と、その言葉通り自己ベストを更新し初の決勝進出。大学生では唯一決勝に残ってみせた。それでも舞台は日本選手権。「緊張して、泳ぎが崩れてしまった」(山田)。本来の泳ぎを披露することができず、8位でフィニッシュ。悔しさの残る結果となった。しかし4日目には山田が得意とする200メートル背泳ぎが控えている。背泳ぎには松山陸(商3=春日部共栄)や栁川大樹(政経2=日大藤沢)といった実力のある選手がそろっている明大。山田の活躍次第では、8月から9月にかけて行われる日本学生選手権(以下、インカレ)での表彰台独占も夢ではない。

 

 3日目には、先日の選考会で日本代表の座をつかんだ水口知保(営3=目黒日大)が登場。大会後半も、明大勢の活躍に注目だ。

 

[佐藤慶世]

 

試合後のコメント

宮坂

――レースを振り返っていかがですか。

 「いつもよりも落ち着いて泳げたことが良かったです。その分ストロークテンポも落ちてしまっていましたし、前半のスピードがうまく乗れていなかったので、そこが良くなかったかなと思います」

 

田渕

――隣では廣島選手が泳いでいましたが、いかがでしたか。

 「彼は同級生ですけど、2本ともしっかりとベストで泳いでくれたので、僕にも刺激になりますし、明治大学にとってもいい流れが来ているというか、2人でインカレで活躍できると思います。彼に関しては素直におめでとうという気持ちですし、僕に関してはやはり彼がいるのでこのままではいけないなという、発破をかけられたようなレースでした」

 

田嶋

――これまでの練習ではどのようなことに取り組んできましたか。

 「私は後半が弱いので、後半持つように練習しました。100メートル20本などのメニューに取り組んでいました」

 

廣島

――振り返ってレースの課題はありますか。

 「ベストなので特にないのですが、周りと比べたら前半が遅いので、そこを周りと同じぐらいで入って、後半も今ぐらいで泳ぐことができれば優勝も近づいてくるのかなと思います」

 

山田

――調子がいい理由はありますか。

 「北海道から上京してきて、この1カ月で体重を7キロ落としたので、それで体のキレが戻って調子が出たのかなと思います」

 

――決勝8位という結果についていかがですか。

 「予選のタイムからは落としてしまったので、そこが1番悔しいのと、後はやはり緊張してしまいました。それはもう言い訳にしかならないので、どういう状況、どんな場面でもきちんと自分の100パーセント以上の力を出せる選手になりたいと思います」