連覇記録途絶える 優勝かなわず3位/東京六大学大会

馬術
2022.04.05

 冷たい春雨が降りしきる中、迎えた東京六大学大会(以下、六大学)最終日。明大馬術部は1981年以来の出場大会全勝という驚異的な記録を残していたものの、今大会では団体総合3位に。新体制で挑んだ今年度初戦だったが、悔いの残る結果となった。

 

◆4・1〜3 東京六大学大会(東京競馬場)

▽新人馬場

 8位――椿〈明鳳〉

 9位――綱河〈明桑〉

 10位――山田〈明紫〉

▽学生賞典馬場

 5位――古川〈ザリーノM〉

 7位――白石〈明桑〉

 11位――鹿戸〈明紫〉

▽複合

 1位――白石〈カルロッタM〉

 3位――鹿戸〈パトリシアM〉

※石川〈明鳳〉は失権

▽新人障害

 6位――椿〈パトリシアM〉

 ※古川〈ボバフェットM〉、山田〈明鳳〉、綱河〈明輝〉は失権

▽中障害

 2位――白石〈カルロッタM〉

 6位――石川〈パトリシアM〉

 7位――鹿戸〈オーロラボレアリスM〉

  ※原〈プライムローズM〉は棄権

▽団体総合

 明大――3位

 

 馬場と障害の総合点で競う複合馬術では、馬場終了時点で明大が表彰台を独占。明鳳とタッグを組んだ石川傑(農3=北海道浦河)が1位で通過した。「馬が良いので1位で通過するのが普通」(石川)。今年19歳を迎えるベテラン馬・明鳳と組むプレッシャーに負けず、馬場では期待通りの成績を出した。ところが、障害では2度の反抗により失権。明鳳の年齢や長年のケガの影響ゆえに障害の練習を十分にできず、結果に響いた。「馬の調子関係なくサポートしなければいけないが、それができず悔しい」(石川)。馬のケアの重要性を改めて感じた走行となった。

 

 馬場を2位通過した白石侑也(商3=江戸崎総合)とカルロッタMは障害で総減点をゼロに抑え、複合馬術1位に輝く。白石は中障害でも減点ゼロで帰還し、ジャンプオフに出場。しかし、この時点で他の人馬の結果により団体優勝の可能性は消滅。馬場の状況を考慮し足を痛めないようあえて勝負に出ないという戦略をとる。「正直勝負をしたかったが、良い経験になった」(白石)。ジャンプオフでも減点ゼロであったが、1.83秒のタイム差で2位に。明大のホープとして障害競技で抜群の安定感を見せつけた。

 

 「想像していた通りの結果」(佐藤五志監督)。他大学が良い馬をそろえてきたことや、明大の馬の高齢化など、課題が浮き彫りになった今大会。しかし、その中でも新人障害で一般入部の椿遼香(農3=山脇学園)が減点ゼロで完走。新戦力が頭角を現した。鹿戸雄翔主将(農4=江戸崎総合)が率いる新体制の明大馬術部。「個人というよりは団体で」(鹿戸)。チームの結束力を強め、秋の全日本学生三大大会(以下、全学)で団体総合優勝を目指す。

 

[春木花穂]

 

試合後のコメント

佐藤監督

――3日間振り返ってどのような大会でしたか。

 「ずっと勝ち続けてきた大会なので今年度もなんとか負けずに勝ちたいという気持ちで望みました。ですが、負けてしまった一つの要因としては他大学が馬をそろえてきているということと、うちの馬がやはり年齢的な部分もあって、これくらいだろうなと想像していた通りの結果になってしまいました」

 

――期待以上の働きをした選手はいますか。

 「期待以上というよりも、期待通りに働いてくれたのは鹿戸と白石です。持てる力を発揮してくれたと思っています。また、一般生の椿が新人障害で減点ゼロで帰ってきてくれて今後一般生にとって励みになると思うので、それは良かったと思っています」

 

鹿戸主将

――今大会を振り返っていかがですか。

 「連覇をしていた大会だったので先輩たちに申し訳ないです」

 

――今年度のチームの目標をお願いします。

 「昨年度の全学で団体では1種目も入賞できず、ウィニングランができませんでした。ですので、今年度は障害で団体優勝、総合と馬場は3位以内に入り、3種目共に個人というよりは団体で入賞したいです。そうすれば3種目総合優勝も見えてくると思います」

 

白石

――カルロッタMの今日の調子はいかがでしたか。

 「今日は素晴らしいくらい良かったです。 本当に落とす気配がありませんでした」

 

――今年度の目標をお願いします。

 「昨年度の学生戦はふがいない成績だったので、今年はその上を行けるように頑張りたいと思います」

 

石川

――今大会を振り返っていかがですか。

 「期待されていた結果ではないので悔いは残っています」

 

――複合馬場は1位通過でした。

 「馬が良いので、1位通過するのが普通だと思っています。プレッシャーもありましたが、1日目の成績は良くも悪くも1位通過しなければいけなかったので、それはできて良かったと思います」