悪天候に行く手を阻まれ登頂ならず/夏山合宿

山岳 2021.11.03

◆8・11〜21 夏山合宿(山梨県、長野県・南アルプス)

 

[参加者]長嶺・川㟢・寺井・長沼

 

 悪天候に行く手を阻まれた。例年通り南アルプスを舞台に行われた夏山合宿。16日間に及ぶ長期山行を予定していたが、前例を見ぬほどの雨に停滞を強いられ、10日目で無念の途中下山となった。

 

 自然の厳しさを思い知らされた。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、合宿の舞台を北アルプスへと移した昨年度とは打って変わり、例年通り南アルプスの縦走を予定していた今年度の夏山合宿。北岳の麓、広川原から入山し、池口岳を目指し山小屋を転々としながら幕営生活を行った。「普段は天候がいい地域と聞いていましたが、きれいに晴れた日がほとんどなかった」(寺井杏雛・文1=学芸大国際中教高)。序盤から天候が崩れ停滞を強いられると、行程の中間地点にあたる三伏峠小屋で予備日を全て消化してしまい下山を決意。2年連続の夏山登頂とはならず、無念の中断となった。

 

 「合宿での見聞や感じたことを振り返って今後に生かせるようにしたい」(長沼郁人・法1=柏陽)。停滞の中でも、危険性を考慮しての行動判断や、長期にわたるテント生活でモチベーションを保つすべなど収穫はあった。「冬山では今回に似た天候の悪さもあると思う。そこで耐える根性を身に付けることができた」(長嶺武・農3=北杜)。天候に行く手を左右される登山の中で、安全に山行をこなす糧を得た。

 

 再起へ、次なる目標は今年度の総決算となる春山合宿だ。「冬に向けてもっとモチベーションを上げて、体力も付けて臨みたい」(川㟢摩周主将・政経3=札幌南)。年末から年明けにかけて北アルプスの槍ヶ岳で行われる予定の冬山合宿は、その前哨戦となる。夏山よりもさらに厳しい環境となる冬山でも夏山合宿での収穫を生かし、さらなる飛躍を見据える。

 

[土屋秋喜]

 

選手コメント

川嵜

――今回の行程の難易度はいかがでしたか。

 「ルート自体は2年前に上り途中下山をしたルートと同じでした。縦走と言うと、北アルプス、南アルプスの二つのコースが定番ですが、今回の南アルプスのルートは3000メートル級の稜線が連なっていて、難易度は高いです。標高差もあるので、体力的な負担も大きく、特に今回は南アルプス最南端の池口岳をゴールにしていたので、距離的にも長いルートでした」

 

長嶺

――行程の中で最も過酷だった部分はどこですか。

 「塩見岳に向けての道のりで、11時間以上3000メートル級の山を登って、下って、また登るという部分でした。行動時間が長く、疲れた体でどこまで踏ん張ることができるかという感じで、前半の山場というような部分でした」

 

寺井

――今回の合宿ではどのような役割を担っていましたか。

 「新人合宿の時と同じように、食事を作ることが1年生の役割でした。その他にも起床係や衛生係なども割り振られていました」

 

長沼

――現在はどのようなトレーニングを行っていますか。

 「夏合宿では特に筋力不足を感じることが多く、筋力不足によるケガもあったので、持久力のトレーニングに加えて下半身や体幹を中心とした筋力トレーニングも行っています」


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