逆転勝利で初戦突破 優勝への第一歩を踏み出す/「アミノバイタル®」カップ 関東大学トーナメント
今夏に開催される総理大臣杯全日本大学トーナメント(以下、総理大臣杯)への予選を兼ねた今大会。初戦の相手は大東大。1点ビハインドで前半を折り返すも、後半開始早々に追いつくと、勢いに乗った明大は追加点を挙げ逆転に成功する。2―1で勝利し、2回戦へと駒を進めた。
ボールを保持するシーンが多く見られたものの、動きにはぎこちなさも見られた。8分には太田のヘディングシュート、20分には杉浦のミドルシュートなどがさく裂。数多くのチャンスを作るものの、決め切ることはできず。29分、バイタルエリアでボールを奪取した相手DFが林の頭上を越すロングフィードを送ると、相手FWがこれをゴール左隅に流し込む。「トーナメントの怖さが顕著に出た」(岡)。ジャイアントキリングを果たそうと意気込む大東大のカウンターから失点し、0―1のまま前半を終えた。
ハーフタイムを経て気合を入れ直した明大は後半、果敢に大東大ゴールを攻め立てた。「15分で取り返そう」(岡)。ハーフタイムで話し合った決意を同点弾という形で表現したのは佐藤恵。ペナルティエリア内のこぼれ球を佐藤恵の左足がとらえ、強烈なシュートがゴールネットに突き刺さった。勢いづいた明大は56分、コーナーキックからのこぼれ球に反応した岡が今季初得点となる逆転ゴールを決めた。その後は大東大の猛攻を一丸となって守り抜き、2―1のまま試合終了。勝利を収め、総理大臣杯の出場権獲得への布石を打った。
今年度は、売りである球際、切り替え、運動量にエンジンがかかりきらないうちに先制点を許してしまう場面が多い。「トーナメントで勝つためには先制点が大事」(佐藤恵)。中2日で迎える2回戦の相手は延長戦の末、東国大を3―1で下した東洋大。負けたら終わりのトーナメント戦で勝ち抜いていくには、先制点を確実に取り、相手の勢いを止めることが重要だ。課題を克服し、勝ち上がるとともに力をつけていく姿を、この大会で目の当たりにしたい。
[新津颯太朗]
試合後のコメント
佐藤恵
――ご自身のゴールを振り返っていかがですか。
「チームとして前半、やるべきことが全くできていなくて、駄目駄目な内容で後半入って、入りからひっくり返そうということで後半に入って、後半2分という早い段階で同点ゴールを決められたことは良かったと思います」
――「アミノバイタル®」カップ 関東大学トーナメント、2回戦の抱負をお願いします。
「まず、チームの目標として、総理大臣杯の出場権獲得というのを掲げているので、チームとしては、先を見据えず目の前の相手に全力でぶつかって、最終的に優勝するというのが目標です。したがって、まず目の前の敵に全力でぶつかる、というのがチームとしてやるべきことなのかなと思います」
岡
――ゴールシーンを振り返っていかがですか。
「今シーズン初ゴールだったので興奮しましたし、チームを勝たせるゴールが決められたというのは今後にもつながってくるかなと思います。セットプレー練習では自分がターゲットになって決めることが練習からあるので、試合でその練習の成果を出すことができて良かったです」
――大東大の印象はいかがでしたか。
「守備のときは引いてくるのですが、カウンター1本で自分たちも取られてしまったので、そういう面では1発でくるというトーナメント、都リーグとやるにあたっての怖さというのが今日顕著に出たという感想です。したがって、自分たちディフェンスラインは攻撃している時のリスク管理っていうのをもっとしないといけないなというのが今日の反省材料です」
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