昨年度王者天理大に逆転勝利 春を締めくくる/招待試合
「春シーズンやってきたことをしっかり出す」(ナンバーエイト大石康太・営4=国学院久我山)と臨んだ宿敵・天理大との大一番。明大は前半をリードして折り返すが後半同点に追い付かれる。しかし土壇場でトライを決め逆転に成功。この春を象徴するような逆転勝利で春を締めくくった。
◆6・20 招待試合(飯田市総合運動場)
▼対天理大戦
○明大26{21―14、5―7}21天理大
「俺たちはチャレンジャー」(左センター江藤良・文4=報徳学園)と意気込み、臨んだ昨年度王者・天理大との一戦。序盤、明大は自陣で反則を繰り返し先制を許す。再三の課題である試合の入りでまたしても後手を踏んだ。その後、明大は敵陣22メートル付近でマイボールラインアウトのチャンスを得る。しかしここでミスを犯し相手ボールに。チャンスがついえたように思われたが、相手のキックを左フランカー木戸大士郎(文1=常翔学園)がチャージし、こぼれたボールをフッカー田森海音(政経4=長崎北陽台)がグラウンディング。「大士郎がいいチェイスをしてくれた」(田森)。チームのミスを1年生が救い同点に追い付く。再びリードを許し迎えた前半24分には、ゴール前でのマイボールラインアウトからBKに展開。ゴール中央付近で右センター児玉樹(政経4=秋田工)が激しいタックルを受けるもサポートに入った江藤に絶妙なオフロードパス。そのまま江藤が走り込みトライを決めた。最上級生のセンターコンビが意地を見せた。さらに36分にも右プロップ為房慶次朗(文2=常翔学園)がディフェンスのギャップを突き前進。タックルにきた相手をかわしてインゴールに飛び込んだ。「FWが運ばなければならないと思った」(為房)。前半をリードして折り返す。
後半に入り序盤は敵陣でプレーをするもハンドリングエラーが増え攻め切れず。すると流れは徐々に天理大に傾き始め、後半17分には同点に追い付かれシーソーゲームの模様に。その後はお互い攻め切れず時間だけが過ぎる。そして迎えたラストプレーは天理大ボール。明大サイドの誰もが勝ちを逃したと感じた。それでも選手は諦めず必死のディフェンスで食らいつく。すると伊藤耕太郎(商2=国学院栃木)が相手のパスミスに反応しターンオーバー。最後は2年ぶりに紫紺を着た小澤翔(情コミ4=桐蔭学園)が起死回生のトライを決め逆転勝利。「きつい状況でみんなが走れたことが大きかった」(小澤)。今季の戦いを象徴するような逆転勝利で春を締めくくった。
収穫と課題を得た春が終わった。「後半のラストで相手に走り勝てた」(大石)。徹底してきたフィットネスの強化。これが終盤の粘り、逆転勝利を生んだ。一方、課題は試合の入り。春シーズンの5試合全てで先制点を許した。「主導権をどう握っていくかが大事」(大石)。今後試合の中で序盤からいかに攻められるかが勝負のカギとなりそうだ。
また秋に向けてのスタメン争いもさらに白熱する。「僕はまだスタメンに定着していないので、夏の間に仕上げてスタメンに入りたい」(為房)。秋の開幕に紫紺を着ているのは果たして誰なのか。選手たちのアピールはまだまだ続く。
[牛嶋淳太郎]
試合後のコメント
大石
――今日の試合のテーマを教えてください。
「今日のチームのテーマは明治スタンダードです。春シーズンの締めくくりだったので、春シーズンやってきたことをしっかり出そうということで試合に臨みました。天理大には単純に僕たちは去年負けているので、負けた大学に対してしっかりチャレンジしようと思いました」
田森
――FWとして良かったと思うプレーはありますか。
「モールディフェンスは、まだそんなに練習できていないのですが、しっかりどこで何をやるか共通認識を持ってできたのは良かったと思います。ただ、ゴール前のアタックはもう少しFWでこだわっていきたいです」
為房
――スクラムのできはいかがですか。
「今日は何回かペナルティがあったのでそこは反省点です」
――久々のスタメンでした。
「2週間出られていなかったので久々に出ることができてうれしかったです」
江藤
――DFのできはいかがでしたか
「天理大さんがいいアタックしていたので自分たちもきつかったですが、コミュニケーションをとってできれば良かったと思います」
――後半ゲームキャプテンになり意識したことはありますか。
「今までやってきたことに自信を持ってやっていこうというのをみんなに伝えることを意識しました」
小澤
――久しぶりの紫紺でした。
「2年ぶりでしたが、そこに対しては意識せず、4年生としてチームを引っ張ることもそうですし、後半から入るだろうと思っていたので、いい流れをチームに与えられればと思っていました」
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