
連続登頂はならず 決算合宿でリベンジへ/冬山合宿
◆12・25~1・2 冬山合宿(長野県、富山県・爺ヶ岳)
[参加者]川㟢・長嶺・平井
冬山連続登頂は成らず。新型コロナウイルスの影響を受け、例年よりも活動ができていなかった山岳部。通常、冬山合宿を決算合宿としているが、今年度は春山合宿を決算合宿に変更した。そのため「トレーニング目的の山行だった」(川㟢摩周主将・政経2=札幌東)。しかし、悪天候に悩まされ、残念ながら登頂とは成らなかった。
自然の厳しさを痛感した。現在1、2年生しか部員がいない山岳部。新型コロナウイルスの影響もあり、満足のいく活動はできていなかった。そのため、決算合宿を例年の冬山から春山に変更。また、部の実力を考慮し、例年に比べると難易度の低い尾根を選択した。冬山合宿に向けては、山に行かなくともできるトレーニングを増やし、準備を進めてきた。「スムーズに動けていた」(長嶺武・農2=北杜)。25日に山に入ると、カプセル方式でキャンプを転々としながら、着実に頂上に接近。29日までは予備日を使うことなく、ファイナルキャンプへ到着することができた。しかし「天気が自分たちの想像以上に荒れた」(長嶺)。その後は一晩で2メートル近い積雪となるほどの悪天候。風も強く、雪の壁を作りテントの崩壊を防いでいた。結果3日間ファイナルキャンプに閉じ込められ、頂上へのアタックは一度もできず。「安全性を考慮して下山した」(平井悠太・農1=正智深谷)。冬山の登頂は、天候の影響で断念せざるを得なかった。
再起を誓って、春山合宿へ。今回は惜しくも登頂成功とはならなかった山岳部。だが「自分たちで考えられるようになった」(川㟢)。今年度からは川㟢、長嶺が最上級生。2人が中心となり、後輩の面倒を見ながら合宿を遂行。上級生がいた昨年度とは全く異なる経験ができ、2人の成長につながった。平井のケガの影響で、春山合宿は川㟢、長嶺のみで行う。「後輩に春山で積んだ経験を見せられるような合宿にしたい」(長嶺)。新年度を迎える前に最後の基礎固めを目指す。
[田中佑太]
※写真は山岳部より提供
川㟢
――昨年度との違いはありますか。
「昨年度は雪もそこまで多いわけではなく、天気も恵まれていたので、テントに閉じ込められるということもなかったです。今年度は天気が悪く、風が強くテントが壊されそうでした。雪の壁を作ったり、しのいだり、昨年度とは違う経験ができました。昨年度はルート工作を先輩が行ったため、今年度は2年生が行うなど全然違う体験ができました」
長嶺
――春山合宿の目標を教えてください。
「春山の決算が今年度一番の目標の合宿になっていますが、平井がケガで参加できません。1年生がいない分、自分たちが春山をやり切って、東京に帰って、新1年生や平井に、春山をやってきたという体力や自信を見せられるような合宿にしたいと思います」
平井
――新歓合宿に向けての目標はありますか。
「今はもう冬山合宿が終わってからトレーニングができていなくて、体力的にも落ちているので、そこを戻すのが目標です。あとは1年生を指導するという意味で自分のやることをしっかりやりたいです」
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