総合11位 大保が区間賞も力及ばずシード権を逃す/箱根駅伝復路

競走
2021.01.04

 シードまで1分2秒という位置で折り返した復路。8区・大保海士(法4=東海大福岡)が区間賞の走りで追い上げるが惜しくも届かず11位。優勝を目指して臨んだ大舞台だけに厳しい結果となった。

 

 往路での14位を踏まえ、目標をシード権獲得に再設定し臨んだ復路。しかし、現実はそう甘くはなかった。6区前田舜平主将(政経4=倉敷)が3年連続の山下りに挑戦。順位を1つ上げるがシードとの差は2分近く開いた。「後半区間に勢いを与えることができず、本当に申し訳ない」(前田)。またしてもスタートは不発に。続く7区を任されたエース・手嶋杏丞(情コミ3=宮崎日大)も厳しい寒さの中、流れを変える走りができず。区間11位と苦しい走りとなった。

 そんな中、希望の光となったのが8区・大保。「昨年度8区を走った櫛田(佳希・政経2=学法石川)にアドバイスをもらい、その通り最初から突っ込めた」(大保)。13位で襷をもらうとすぐに城西大をかわし、区間新ペース刻んでいく。武器である終盤の粘りで遊行寺坂を乗り越え、最初で最後の箱根路を区間歴代2位のタイムで駆け抜けてみせた。その勢いのままに襷を受け取ったのは9区富田峻平(営2=八千代松陰)。山本佑樹駅伝監督から「お前が一番強い」とげきが飛ぶ中、前半から飛ばした。一時は10位に浮上するも粘り切れず、10区長倉奨美(情コミ4=宮崎日大)に襷リレー。10位の東国大とは38秒差。2年連続のシード権獲得は、好調の長倉に託された。しかし懸命に前との差を詰めるが、なかなか追い付くことができない。無念の11位でゴールテープを切った。「自分の仕事ができず、本当に悔しい」(長倉)。72年ぶりの悲願を目指していた明大にとって、まさかの形での幕切れとなった。

 

 駅伝における流れの重要さを思い知ることになった今大会。しかし、いつまでも下を向いてはいられない。「力のある選手ばかりなので、冷静に分析をして立て直したい」(山本駅伝監督)。今回の経験を必ず次につなげる。「後輩たちはこの悔しさをバネにしっかりやってくれると信じている」(前田)。古豪から強豪へ。来年度に向け、明大競走部は動き出している。

 

[大橋直輝]

 

レース後のコメント

前田主将

――4年生はどんな学年ですか。

「例年、メンバーに4年生が選ばれる数が少なくて、走れてる4年生が少ないと言われ続けてたんですけど、今年は4人走って、大保が4年生の意地を見せて区間賞を取ってくれたのが同期として本当に誇りに思います」

 

大保

――区間賞を取った心境はいかがですか。

「自分が喜んでいるのはもちろんなんですけど、家族も喜んでいたみたいで。人生最高の親孝行ができたというのがすごく嬉しいです」

 

長倉

――後輩へメッセージはありますか。

「これからも自分は競技を続けていくので、お互い良い結果を出しあって切磋琢磨(せっさたくま)していけたらいいなと思います」