
春の天王山 赤壁をダブルスコアで下す/招待試合
春季本命の一角を崩した。招待試合の2戦目は、選手権9連覇の記録を持つ強豪・帝京大。対抗戦からおよそ7ヶ月、今年度初の顔合わせは35―17。大差で明治に軍配が上がった。
◆6・2 招待試合(成田市中台公園陸上競技場)
▼対帝京大戦
○明治35{21-5、14-12}17帝京大
重量戦で上手に立った。試合開始早々、速い展開から右ウイング山村知也(営4=報徳学園)が先制点を奪取すると、続く2、3本目は怒涛のピックゴーで連続トライ。「前半はファイトで勝てていた」(フッカー武井日向主将・商4=国学院栃木)。セットプレーではマイボールラインアウト成功率100パーセント。スクラムでも終始優勢を保ち続けた。後半13分には敵陣ゴール前のラインアウトからモールで押し切り、ダメ押しの追加点。先日の東海大戦で課題となった後半も最低限の失点で抑えきり、ダブルスコアで白星を飾った。
不動の5番がハードワークを見せつけた。後半10分、自陣ゴール前のピンチで右ロック箸本龍雅(商3=東福岡)がインターセプト。「狙っていた」と抜群な状況判断でチームの窮地を救った。アタックでも「意識的にボールを受け、前に出られた」。持ち前のフィジカルをいかんなく発揮し、帝京大の強度ある人垣を破り続けた。大学日本一となり、今年度から追走される立場になった明治。「結果だけでは満足いかないチームになってきた」(田中澄憲監督)。次週は伝統の明早戦。常勝軍団はその先に何を求めるのか。
[高智琉大朗]
試合後のコメント
武井
――復帰戦が強度の高い帝京大戦でした。
「試合していない期間が空きましたが、1vs1で勝てたと思うので、自信になりました」
――帝京大の印象はいかがでしたか。
「力強いFWで近場をぐいぐい来るなという印象です。今日もゲインラインを切られてしまうと相手にいいアタックを許してしまっていました。強い相手の時でも前で止められるようにしたいです」
山村
――試合の手応えはいかがですか。
「去年優勝したんですけど、選手権9連覇の帝京大相手に攻守で通用して、課題はありますが、自信につながりました」
箸本
――後半のインターセプトは狙っていましたか。
「ラックの後ろにスクラムハーフしかいなくて、ボールをもらう選手も距離が近くて、パスしかないという状況だったので、狙っていきました」
右センター齊藤大朗(商3=桐蔭学園)
――今日の振り返りをお願いします。
「久々のAチームだったので、信頼をもらえるように力強くプレーしました」
――来週の早稲田戦の意気込みをお願いします。
「もっと力強いプレーを精度高く出せるように頑張ります」
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