「感謝」を伝えたラストスケーティング 有終の美を飾る/明治×法政 ON ICE

フィギュアスケート 2019.03.01

 4年生にとってラストスケーティングとなった法大とのエキシビション「明治×法政 ON ICE」。3月で大学を卒業する佐上凌主将(商4=武蔵野)、梶田健登(政経4=明大中野)、鎌田英嗣(営4=獨協)、宮田大地(法大)の4人がそれぞれ思い入れあるプログラムを披露し、会場に詰めかけた500人を越すファンを魅了した。


◆2・24 明治×法政 ON ICE(ダイドードリンコアイスアリーナ)


 決意を胸に来季へ臨む。大学卒業後も現役続行を決めている鎌田英。大学生としては最後となる今エキシビションでは、思い出深いプログラム「ドン・ファン」を披露。練習を開始したのが1週間前だったブランクを感じさせない滑りを見せた。「スケート人生を全うして、燃え尽きたい」(鎌田英)。来季も現役選手として勝負し続ける。



ドンファンを演じた鎌田英


 感謝の気持ちを伝えた。今シーズン全日本選手権やインカレの出場が叶わず、心残りのあった梶田。「こういう機会をいただけて感謝している」(梶田)と、感謝の気持ちをラストスケーティングに込めた。選んだプログラムは大学1年次にも使用していた「モルダウ」。ジュニア時代の苦楽をともにしてきたプログラムだった。「純粋にスケートを楽しめた」(梶田)と、持ち前の美しいスケーティングで会場盛り上げた。有終の美という結果は残せずも、「かじけん」のスケーティングはファンの記憶刻まれたはずだ。


モルダウを演じた梶田

 

 仲間の存在が力を与えた。今年度主将としてスケート部の顔となった佐上。しかし主将としての結果を求めるあまり、力を発揮することができていなかった。そんな佐上に力を与えていたのも仲間からの声援だった。今エキシビションもトリとして、仲間からの大きな声援を受けた。使用したプログラムは大学1年次に使用した「ニューシネマパラダイス」。「成長することができたプログラム」と、スケート人生を一つ一つ振り返るような演技で4分間を終えた。「多くの人に出会えて恵まれている」(佐上)と、多くのかけがえのないものと出会った4年間だった。



ニューシネマパラダイスを演じた佐上

 

[大西健太]


佐上

――エキシビションを振り返っていかがですか。

「試合ではない感覚で滑るのは、今までなかったですけれど、結構今まで緊張していて体が全然動かなかったです。でもいろいろな人から、良かったとか感動したとか言ってもらえたので、自分としては満足です」


――どうしてこのプログラム選ばれましたか。

「この曲が好きなこともありますし、大学1年生の時にこの曲で滑って成長することができたので、最後にこのプログラムにしようと思って滑りました」


――滑る前の心境はいかがでしたか。

「最後だなというよりも、いろいろなお客さんに観に来ていただける場だったので、それに恥じない演技をしようとしか考えていなかったです」


――エキシビションを終えて。

「こんなに夜遅くまでいろいろな人たちに応援してもらって、いい人たちに巡り会えたなと思いました。それだけでもスケートやっていて良かったと思いますし、こんな経験は2度とないと思うので、いろいろな人たちに出会えたことは恵まれているなと思いました」


――4年間を振り返っていかがですか。

「本当に明大内でもインカレに出るのに必死で、いろいろ苦労もありましたけれど、それよりもメンバーで切磋琢磨し合ってレベルを高め合えたのが、1番明治に入って良かったと思います」


梶田

――どうしてこのプログラム選ばれましたか。

「ジュニアの良かった時と悪かった時をともにしていたプログラムで、衣装も含めて思い入れのある曲だったので、モルダウにしました」


――滑る前の心境はいかがでしたか。

「最期にあまりいいシーズンは送れていなくて、心残りみたいなものはあったので、このような機会をいただけて、とても感謝しています。まさかこれだけの人が集まってくれるとは思っていなかったので、スケートをやっていて良かったなと思いました」


――4年間を振り返っていかがですか。

「1番は仲間が作れたことです。青春を共にして、現実が見えてきて、いろいろ苦しいものを抱えながら、毎日きつい練習をして、試合では明治大学のみんなと心一つに頑張れて、こういう経験は普通ではできないので、特別な時間なんだということを改めて感じた4年間でした」


鎌田英

――来年も現役を続けられますが。

「あと1年は学生としてではなく、1人の人間として滑るということになりますけれど、いろいろな人の意見があると思いますが、僕はしっかりここでスケート人生を全うして、燃え尽きたいと思っているので、挑戦したいことは何でも挑戦して、最後まで諦めずにトリプルアクセルと4回転にチャレンジしていきたいと思います」

 


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