
早稲田に惜敗 大学選手権で巻き返し誓う/関東大学対抗戦
17回目の悲願とはならなかった。5勝1敗で迎えた明早戦。伝統の一戦にふさわしい死闘を繰り広げた。前半は早稲田のディフェンスとBKに苦戦し13―17で折り返した明治。後半も2トライを先に取られたが、パスのテンポを速め終了間際に執念の2トライ。27-31の4点差で敗れたが、大学選手権に向け明るい兆しも見えた。
◆12・2 関東大学対抗戦(秩父宮ラグビー場)
▼対早稲田戦
明治27{13―17、14―14}31早稲田○
あと1トライだった。勝てば3年ぶりの対抗戦優勝がかかった最終戦。後半19分に追加点を許し13-31。逆転には最低3トライが必要と厳しい状況となったが、ここからテンポで流れを変えた。後半37分、射場大輔(政経3=常翔学園)のキックで前進すると、山﨑洋之(法3=筑紫)がゲインを切り、最後は松岡賢太(商3=京都成章)のトライで20-31。さらにロスタイムにフルバック雲山弘貴(政経1=報徳学園)のトライで4点差まで詰め寄る。「このまま終われないという明治のプライドが出た」(右フランカー井上遼・政経4=報徳学園)。しかし、明治の攻撃もここまで。27-31であと一歩及ばず。最後の10分は「最初から出さないといけないと思い知った」(スタンドオフ松尾将太郎・商4=東福岡)時間だった。
敗因は前半にあった。前半3分に自陣の反則から早稲田に先制トライを許す。「コミュニケーションが少なかったし、静かだった」(田中澄憲監督)。出鼻をくじかれた明治は、自分たちの反則で再三の好機を逃し、ピンチも招いた。ディフェンスが強みの早稲田に、一度もリードを奪うことができないまま終戦。悔しさの残る94回目の伝統の一戦を終えた。
下を向いてはいられない。対抗戦を4位扱いで通過した明治は大学選手権の初戦を2週間後に控える。難敵との対戦が続くが「高いレベルでは1個のミスが命取りになる」(井上)ともう一度引き締める。スクラムハーフ福田健太主将(法4=茗溪学園)は「この敗戦を糧にして、選手権決勝に挑む」とすでに目線は前へ。最終目標の大学日本一を果たすため、福田組は進むしかない。
[髙橋昇吾]
試合後のコメント
福田健
——大学選手権への意気込みをお願いします。
「今日の敗戦を糧にして、1月12日に挑むという目標なので、もう一度しっかり自分たちとしてもやっていきたいなと思います」
右プロップ祝原涼介(情コミ4=桐蔭学園)
——伝統の明早戦は独特の雰囲気でしたか。
「アップから硬く、声が通りにくかったです。若い選手はいい経験になったんじゃないかと思います」
左ロック片倉康瑛(法2=明大中野)
——ラインアウトはいかがでしたか。
「マイボールラインアウトのミスは一本だけですし、相手ボールもラインアウトに関してはプレッシャーを掛けられたので、いいできでした」
井上
——最後の10分間で追い上げました。
「このまま終われないという明治のプライドが出たと思います。逆に最後の10分しか出せなかったと思います」
松尾
——敗因はどういった部分にありますか。
「早稲田の前に出てくるディフェンスに対して、前半外に振りたかったですが、外の空いたスペースを使えないまま終わってしまいました。FWで前に出てクイックで出せればいい形でボールを運べたと思いますが、それがなかなか出せなかったです。あとは、自分たちのミスに相手はしっかりと反応して、トライまでつなげられたというのが大きかったと思います」
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