法大に気迫勝ち! リーグ開幕戦は弾みのつく白星発進/関東大学男子1部リーグ戦

2015.08.27
 大学対抗で年に一度行われるリーグ戦が開幕。ライバルの一角である法大を破り、王座進出へ一歩前進した。ダブルスは1-2で折り返したが、シングルスは先陣を切った澁田大樹(商3=鳳凰)ら3人がそろって勝利し逆転。その後も2勝を積み重ね、終わってみれば6-3と力の差を見せ勝利した。2年連続の開幕法大戦勝利にも「昨年は拾った感が強かった勝利だが、今年はもぎ取った勝利」(上原真吾監督)とチームの成長を確信する白星発進となった。

 ダブルスのビハインドを一気にひっくり返した。1-2で迎えたシングルスで、最初にコートに入ったのは弓立祐生主将(政経4=新田)、澁田、切詰魁(政経3=高松北)の3人。1人でも敗れると相手に王手をかけられる場面だったが、重圧を力に変えた。「シングルスだけだった分、絶対に取らなければいけないと思っていた」と試合に挑んだ澁田は、終始安定したプレーで相手にスキを与えずストレート勝ち。中央のコートで早々に試合を決め、左右でプレーした2人に落ち着きを与えた。弓立は第1セットがタイブレークまでもつれる接戦となるが「4年生というプレッシャーもあるが、最後だから全部出し切る」という言葉通りの強気のプレー。これを7-5で奪うと、第2セットは危なげなく奪取した。残る切詰も激戦を制し「弓立、澁田、切詰の3人がしっかり役目を果たしてくれた」(上原監督)。3連勝で試合の流れを決定づけ、残るシングルス2勝も呼び込んだ。

 勝利への執念が、痛む両足を動かし続けた。この日がリーグ戦初出場となった切詰。直前のダブルスではストレート負けを喫していただけに、3年目にしてつかんだ舞台で連敗に終わるわけにはいかなかった。インカレベスト4の格上相手に第1セットを奪取。最終セットまで持ち込んだが、第2セット途中からつりはじめた両足は限界に近づいていた。足を引きずりながらのプレーでは拾っていく自身の持ち味が生かせず、最終セット2-5と追い込まれる。格上相手に、圧倒的な劣勢。それでも勝負をあきらめなかった。「とにかくコートに返せばチャンスは来るだろうと思って、コートに返すことだけを考えた」(切詰)。必死でボールに食らい付き、歩くことすらままならない中で4ゲームを連取。お互い満身創痍となったタイブレークも7-5で制し、死闘に終止符を打った。「3年生の他の3人が個人戦で上がってきていた中で、苦虫を潰していたのが切詰。努力は人一倍してきたと思う」(上原監督)。昨年のリーグ戦では、同級生4人の中でただ一人出場機会が無かった。その中で、今年初めてつかみ取った出場メンバーの座。「メンバーに入れたことはうれしかったが、メンバー入りではなくチームに貢献することが目標だった。絶対勝つという気持ちだった」(切詰)という思いがこもった勝利は、切詰にとっても、チームにとっても大きな1勝になった。

 最大のヤマ場はこれからだ。難敵・法大には勝利したが、昨年1、2位の早大、慶大戦が控えている。昨年はともに敗れている相手だが、上原監督は「昨年より地力も上がっていて、爆発力もある」と今年のチームに対する手ごたえを口にする。この日負け越したダブルスなど修正点もあるが、ともに単複で勝利した諱五貴(営3=松商学園)、西脇一樹(国際3=松商学園)が好調を維持していることは心強い。次戦の日大戦を圧勝し、勢いに乗ってヤマ場を迎えたい。

[高田悠太郎]

試合後のコメント
上原監督

「ダブルスは思ったような形で折り返せなかったですが、シングルスの最初の弓立、切詰、澁田の3人がしっかり役目を果たしてくれました。特に、澁田が真ん中のコートでストレート勝ちをしてくれたことは大きかったです。切詰も足をつって危なかったですが、あれこそ明治魂と言うか、最後まであきらめないプレーを見せてくれたことがチームの気持ちを一つにしてくれたと思います。ダブルスを1-2で折り返した中で、簡単に負けないこと、時間を使ったプレーをするという役目も果たしてくれました。弓立も第1セットをタイブレで取ってくれたのが大きくて、そこで相手にもプレッシャーを与えられたかなと。西脇、諱も落としてはいけないというプレッシャーの中で、よく戦ってくれました。伊藤に関しては、途中からは自分のプレーを見せてくれたと思います。(昨年と同じく開幕戦で法大に勝ちましたが)昨年の場合は拾った感が強かったですが、今回はもぎ取った勝利だと思います。ダブルスでビハインドを負った中で接戦を勝ち切れたので、明治はしつこいな、精神的にタフだな、と他校に思わせられたと思います。そういった意味では、昨年より地力も上がっていて、爆発力もあるのかなと。日大戦ではダブルスを修正したいですし、戦力を見直してオーダーは練り直したいと思います。いいスタートは切れたので、期待してほしいなと思います」

弓立
「ダブルスは4年生同士で組んで、相手も4年生だったので負けられないという気持ちが強かったです。強気でいきましたが、力で押される部分が多くて最後まで押されてしまいました。シングルスは相手の体力切れもあって、落ち着くようにして取りきれました。4年生というプレッシャーもありますが、最後だから全部出し切ろうと思っています。今日は3年生がしっかり取ってくれました。切詰の試合で、足をつりながらも勝ってくれて流れが来たと思います。王座を目指しているので、日大には大差をつけて勝たなければならないと思います。しっかりいつも通りのことをやって日大戦を最高の状態で挑めるようにしたいです」

澁田
「シングルスだけだった分、絶対に取らなければいけないと思っていたので、真ん中のコートで誰よりも早く終えることが出来て、チームに流れを与えるプレーが出来たことはよかったと思います。第1セットは第2セットにつなげるプレーを考えていて、ゆるいボールで攻めるのがハマって勝つことが出来ました。調子は、自分の感覚としては良くも悪くもないのですが、その中で勝てたことで自分にも力が付いたのかなという思いはあります。ですが、それに溺れることなく、チャレンジャー精神で出来ることをやっていこうという思いです。勝負は慶応、早稲田なので、そこまでにしっかり任されたポイントを獲れるようにしたいです」

切詰
「3年目にしてやっとメンバーに入れたことは単純にうれしかったですが、メンバー入りではなくチームに貢献することを目標としてきたので、出場が決まった時は絶対勝つという気持ちでした。ダブルスは思い切ってやりたかったのですが、初めてで力の入る部分もあって、普段のプレーが出来なかったです。シングルスはダブルスで思うようなプレーが出来なかった分、相手は強かったのですが、しっかり取ってやろうという思いでした。最終セットは2-5になってやばいなとは思いましたが、相手も足が来ているのも分かっていたので、とにかくコートに返せばチャンスは来るだろうと思って、コートに返すことだけを考えていました。(リーグ戦デビューは)シングルスは格上の相手に勝てて、いいスタートが切れたとは思います。これで満足せず、気持ちを盛り上げて、チームの雰囲気をよくしていきたいです」

西脇
「ダブルスは横2つが負けてしまったので、焦ってしまいました。周りが負けているのを見て、セカンドを一気にいけたところを引いてしまったのが良くなかったです。シングルスは、審判のいざこざでイライラしてしまい、セカンドを落としてしまいました。隣でやっている諱にプレッシャーをかけるわけにはいかないと思い、ファイナルでは最初から押していきました。もぎ取ってやるくらいの気持ちで攻めました。相手もミスが多くなって良かったです。まさか自分が試合の結果を決めるとは思わなかったのですが、結果を決めることができてうれしかったです。試合内容は満足いっていないですが、団体戦なのでとりあえず勝つことが大事だと思います。部員が少ない中、OBやOG、保護者の方々が沢山応援をしにきてくれて、言葉をかけてもらえて力になりました。王座を目指して頑張りたいです」