4年生特集(2)バスケと本部、二刀流で大きく成長 加藤葉月
入学以来チームの中心であり続けた4年生。十人十色の13人のチームをまとめ上げる5人は個性派ぞろい。悲願としていた2部昇格も果たし、充実の最終年を迎えている。集大成となるリーグ戦までいよいよ1週間を切った。最後の舞台に臨む4年生それぞれの意気込みを伺った。2番目に紹介するのは附属高校である明大中野八王子出身で体育会本部委員長を務める加藤葉月(営4=明大中野八王子)。小さな体でチームを大きく盛り上げる、チームに欠かせない存在だ。(この取材は8月18日に行ったものです)

3Pシュートを得意とする
「体育会ってすごいなと思います」
――調子はいかがですか
「就活があって練習合宿を3日間欠席したので、家でラントレとか自分なりにはしたけど、全体でやってる練習よりは量が少ないと思います。もともとみんなより劣っているのに、そういうところで一歩後になっちゃったのでもっと早く同じラインに立てるようにしたいと思ってます」
――委員長を務められている体育会本部について教えてください
「正式なものがあるのかもしれないけど、本部は体育会45部を統括する組織で、明治大学体育会を盛り上げたり発展させるための組織ですね」
――どういった活動をしているのですか
「リーダーズキャンプをやったり明立開会式、閉会式をやったり、総会やったり新歓やったりとか例年通りの行事をやっています。でも例年通りにやってたら、せっかく力入れてやり始めてるのにもったいないと思うので、リーダーズキャンプだったら講演を有意義だったと思ってもらえる会にしようとしています。今までは理想のリーダー像とか強いチームになるために、とかをテーマにしてディベートとかだったけどそこにプラスして参加して良かったと思えるようにディスカッションが活発に行われるように最初にリクリエーションをやってディスカッションが活発になるようにしています」
――いろいろ工夫をしているんですね
「あとは和がスローガンじゃないですか。それを自分の中ですごい大事にしていて、やっぱり一つ一つの部が独立してあるんじゃなくて、オール明治だと私は思ってるから、横のつながりの面でもっと仲間意識を持って仲良くなってもらえるようにできたらいいと思ってます。例年通りの行事をやりつつ新しい企画も考えてて、例えば体育会の女子会をやろうとか、3年生会とか。まだ企画の段階なんですけど」
――本部の活動を通して感じたことはありますか
「体育会はすごいなというのを感じました。私たちがやってくださいって言わなくても勝手に食器とか並べてくれたり、時間に間に合うのが当たり前だったり。主将主務レベルの子が集まってるからなのかもしれないけど。自分が気持ち入れて行事をやるようになってから、体育会の主将主務が協力的になってくれてるなというのを感じていて、試合で休みますとかでも、何も言わずに代理を立ててくれたり参加する方向で考えたりしてくれる。体育会本部自体もまだまだだけど認知され始めてるし、体育会の人もちょっとは仲間意識とかを持ち始めてくれたのかなと。まだ主将主務だけの集まりにだからそこがすごいもったいないんですけど。ちょっとずつ本部も変わってきている。自分は本部の顔で、体育会とか体育会本部に対する思いは人一倍強いと思っています。でも仕事の面ではまだ町田(雄乙・ローバースカウト部4年)っていう副委員長がいるんですけど、その子に任せっきりで、町田がいるし後輩もすごいできる子が多いのでバランスがとれてるし後輩と同期にはすごい感謝です」
――やりがいはそういうところですか
「そうですね。あとは体育会本部自体もまだ改善すべきところが多くあるので、完成系だとまた新しいこと見つけるのは大変だと思うけど、明治の本部っていうのは慶應さんとかに比べたらまだまだ整ってないから変えようがあるし、こういう企画してみようとか提案もできるしマネジメントの方法が多くあるからそういうのもやりがいですね」

体育会本部では委員長を務める
――委員長になった経緯を教えてください
「絶対副委員長になると思ったんですよ。同期は私と町田しかいなくて、その町田が先に入ってて仕事もできるし。私は副委員長でいいかなと思ってたんですけど、私たちが3年生で村井さん(亮太・サッカー部平27卒)が委員長のときに次の委員長決めようってなって4年生それぞれで本部に対しての思いとかを聞かれて普通に話したら、委員長は加藤でって。3年生のときは総務だったのでいろんなところに出向いてたんですね。だから顔も一応広いし、本部に対する思いとか体育会に対する思いが強かったから体育会本部の顔としては加藤ってことで、そのフォローで町田っていう形がいいのかなと。町田の方はシャイだったりするからあんまり外に出たがらないんですよ、だから加藤のことちゃんと支えてねってなりましたね。まさか委員長になるとは思わなかったから最初めっちゃ重荷でハゲるかと思いました(笑)。村井さんは頭の回転早いしできる人だったからそのあと私?みたいな。でも村井さんと同じように自分が委員長やるのは無理だし比べても意味ないと思って、自分ができることを考えた時に自分附属で体育会に附属の子もいるし友達も結構いたから、みんなと仲良くなって本部と部の垣根をなくしていこうと。村井さんは部の人と自分から関わることをあんまりしてなかったけどとにかくオーラがすごいっていう委員長だったけど、私は喋るの好きだからそういうところで本部の存在意義とか体育会どうしてったらいいっていうのを直接聞けばいいかなって。どんな環境でもすぐ熱くなっちゃうから、自分の想いを本部ではしっかり伝えていこうかなって。村井さんと同じようにはできないけど自分なりの委員長ができればいいかなと」
――今年の本部のテーマを教えてください
「スローガンが和なんですけど、それに尽きるかなと。明治の体育会に入ったからにはオール明治っていう気持ちを持ってほしいし、横のつながりを強化して応援し合える関係を築いていけば自然と切磋琢磨し合えると思うので和っていうのが大事だなって。和をテーマにやっていきたいなと。一体感がないと」
――バスケと本部の両立は難しいですか
「就活もしてるから、どれが優先なのかを迷ったり。就活の前も、本部では委員長として自分がいないと成り立たないから必要とされてるし、部活ではスタメンじゃないからどの程度貢献できてるのかがわからなくなる時期があって、自分がいて意味あるかなって思うこともあったりしました。でも1年生から同期で頑張ろうってやってきてるので、スタメンじゃないしスキル面では劣ってるけど、自分ができることを考えた時に落ち込んでる後輩に声を掛けてあげたり話聞いてあげたり、まだまだできてない部分があるけどそういう面でのフォローはできるかなと。声出しとかも当たり前だけど、誰でもできることだから頑張ろうと思ってます。でもまだまだ足りないです。2つやるのは大変。でもその分成長できてるし、いいことはある。大変だと思うけど人との出会いとか周りの人に励まされたり支えられているのを、2つやる中で気付かされた。周りの人への感謝とか思いやりはこの2つがあったからこそ気付けたのかなって。もしバスケだけだったら周りの人に感謝するとか環境に感謝するなんてもしかしたら思ってなかったかもしれないけど、両方やったことでいろんな視点から見れるようになりました。人に支えられてることを実感して、一人じゃなにもできないなと。大変ながらも学びがあって、思いやりと周りの人に感謝することと出会いっていうのはすごい大事だなと思いました」
――本部のアピールをお願いできますか
「本部はみんなが体育会に入ってる人だから、大変な思いはあるけどみんなそれなりに体育会への想いはあって、熱い人が集まってると思います。私たちが魅力的な組織にならないと周りも引き込まれてこないから、いい人材が本部の中にはいるのでそれを生かしてもっと自分たちが魅力的な組織になれればなと思います。まだまだアピールするほどではないかなって、アピールできるほどの組織にはなれてないと思うのでアピールできる組織になるためにももっと頑張ります」

「せっかく入るならなにか成長したい」
――バスケに話を戻しますが、始めたきっかけを教えてください
「お母さんがママさんバスケをやっていて、小学校1年生からやりたかったんですけど小学校1年生からフィギュアスケートやってて、お金かかるから駄目って言われてたんですよ。スケートやってるからバスケは我慢してって言われてたんですけど、小学校3年生のときにお兄ちゃんの同級生の子からボールとバッシュをもらって、これやるしかなくない?ってなってやらせてもらうことになって、小学校3年生から6年生までは学校終わってスケートの練習行ってバスケの練習行ってみたいな日々を送っていました」
――結構ハードですね
「ハード。小学生の割に。全然遊ばなかったです」
――スケートをやめてバスケに絞ったのはなぜですか
「全然ジャンルが違うじゃないですか。バスケは髪の毛短い方が楽だし、でもスケートだと長い方が楽だったり。でもスケートは1日でも練習やらなかったら全然感覚がなまっちゃうからコンスタントにやってかなきゃいけないし、だからお金もすごいかかるし。あとバスケの方がそのときすごい楽しかったっていうのがあって。1番のきっかけになったのはやっぱりバスケが大好きだからっていうので、じゃあ次の大会終わったら辞めよっかってなって辞めました」
――そこから附属の高校を経て明大に入学されましたがスポーツ推薦の多い体育会に入部することに抵抗はなかったんですか
「最初めっちゃありました。附属だからというより、体育会の女バスに入るっていうのに抵抗がありました。母が体育大出身で、体育大って上下関係やばいじゃないですか。それを聞いてたからちょっとなと。もちろん社会に出たら上下関係は大事だけどそこを気にしてのびのびできない環境でやるのかって思ったり。今まで高校でもつらい思いしてやってきたから楽しくやってもいいかなっていう考え方はあったけどサークルとか絶対無理と思って、体育会の女バスに入るか、体同連とクラブチームを兼部するかっていう選択肢があった。クラブチームにも高校引退してから行ってて体同連の練習にも行ってたけど物足りなかったりクラブチームの色があんまり好きじゃなくて、それで体育会に行ってみたらそのとき4年生だった内田さん(美緒・平25理工卒)とか佐藤さん(安澄・平25理工卒)とかがすごい良い人で、こういう雰囲気なんだって。思ってたのと全然違って。このスポーツ推薦の人たちがいっぱいいる中でやれば、迷惑はかけるもしれないけど自分のバスケのスキルはアップするだろうし、普通のサークルより厳しい環境じゃないですか。そういう環境の中に身を置いて人間的な成長だったり礼儀とかが身に着くんじゃないかなと思って。せっかく入るならなにか成長したいっていうのが自分の中にあったから決めました」
――1年次から成長したと思うことはありますか
「1年生のときはやっぱり自分のことに精いっぱいで自分のことしか考えてなかったから、部活をやらせてくれてる親にも全然感謝できてなかった。だけど1年生のときの4年生の内田さん、佐藤さん、徳永さん(早紀・平25理工卒)、工藤さん(安沙子・平25国際卒)の4人が私の中ではすごい理想的な人でした。佐藤さんとかは私みたいにスポ薦じゃないけど4年間頑張って、4年になって自分が出ることよりも後輩をもっと出させてあげようっていう、自分はもちろん出たいのにメイちゃん(加藤)出してあげてって渡辺さん(徹監督)にこそこそって聞こえるように言ってみたりとか、周りがすごい見えてるなと。自分だけが良ければいい人じゃなかった。周りが見れてる人がいたから自分もそういう先輩になりたいなって。スタメンになることは全然期待しないで入ってきたから、自分はこういう先輩になりたいっていう像が佐藤さんとか内田さんとかにあったから、そこを目指してやってきた。もちろん欲が出てきちゃうから試合に出たいなとか思うことはいっぱいあったけど、自分がスタメンで出れないからチームに貢献できないとかじゃなくて、スタメンで出られないってことは違う貢献の仕方があるんじゃないかなって。2年生の後半とか3年生になったときにやっと分かって、自分が良ければいいじゃないって。そういう面で考え方の幅っていうのは広がった。周りの人への配慮とか思いやりを自分は4年間で学んだし、そういう面で雰囲気に気を配るっていうより、個人個人に気を配るっていうことはできたんじゃないかな。分からないですけどね、まだ全然駄目だと思うんですけど」
――コートネームの由来は
「4年生の先輩がつけてくれるんですけど、リンがいいとかメイがいいとかキキちゃんがいいとか先輩たちが話してるの聞いてて、たぶん明八だからっていうのがあると思うんですけど、内田さんがいきなりあの子メイちゃんがいいって言ってほとんど独断でメイってことに決まりました。で、後付けで明治の命ってことでメイになったらしいです(笑)」
――自身の持ち味を教えてください
「全然ないなー。どこだろう。波あるけど3Pはまあまあ自信あるかなって。全然大外れの時もあるんですけど3Pは好きだし得意でありたいと思っています」

――役割は
「1年生にすごい子たちが入ってきたじゃないですか。やっぱりコウ(萱沼史織・情コミ3=埼玉栄)とかリキ(北浦彩加・国際4=大津)とかシン(川副舞・理工4=富士学苑)とかサエ(伴真衣香・文4=東京成徳)とかすごい活躍する子がいっぱいいるし、明治の女バスは人数もすごい多いわけじゃないから5人6人7人ぐらいでしか戦えない。自分はまだまだ2部のレベルには達してないから、自分が出るってことは難しい。3部に比べたら全然難しいと思っていて、チャンスがあれば全力で頑張りたいんですけどチャンスがいっぱいあるわけじゃないから、ベンチワークとかケガ人がいるんだったらもんであげようとか、今年もサポート面なのかなって。ボトルつくってあげるとか。体育会だし1年生がボトル作るとかあるけどそれだった自分の仕事なくなっちゃうから、自分が気付いたんだったらボトルつくろうとか、しっかりあおごうとか氷当ててあげようとかとかそういう意味での視野はすごい広げたいなって、サポートする面では。セイ(都筑ありな・理工2=富士学苑)とかも一生懸命スコア書いてくれたりボトルつくってくれたりツイッターで更新してくれたりとかいろいろやってくれてるし、マネジャーにばっかり甘えちゃいけないし、自分たちがやらせてもらってるんだからできることは自分たちでやりたいなと思ってます」
――川副さんは加藤さんはチームを鼓舞する存在だとおっしゃっていました
「みんなが頑張れるように声掛けとかはベンチでいっぱいしたいし盛り上げたい。指導者はバカ騒ぎするなって言うけどみんなが少しでも盛り上がるなら頑張れるような盛り上げ方をしたい。マイナスの声出してたらどんどんマイナスになるしそれはチームじゃない。チームなんだからチームメートのために盛り上げないとって。もしミスしてもどんまいって。引きずってたらせっかくのみんなの持ち味がもったいないし、それをえぐることはあんまりしたくない。明るい声掛けをしたいなと思います」
――今年も附属出身の1年生がいます
「ソウ(荻島碧・理工1=明大明治)は運動神経もいいし、しゅんってなる子じゃないから。なんだったらちょっとおとなしめの2年生のケイ(松本真衣・理工2=鵬学園)とかリコ(橋本みなみ・商2=県立柏)とかに声掛けをするようにしています。1年生がすごい勢いある子ばっかりなので」
――2年生の二人はだいぶ成長してますね
「そうですね、すごい頑張ってる。新人戦の期間はケイ(松本)がキャプテンみたいになってたのでケイがすごい声出ししてて、リコ(橋本)も声掛けして頑張ってるなと思って。新人戦終わった後にそれが終わるんじゃなくて二人とも頑張ってるなと思いました。うわべだけじゃなくてすごいなと、成長したなと。この勢いで1年生に負けないでほしい。新人戦を経験して強くなったし自信持てるところが見つかったと思います」
――憧れの先輩に近づいていますね
「なりたいからなろうとしてるんですよね。なれてるかどうかっていったら分からないけど、少しは近づいてるかなって。練習中はみんなに後れをとたりすることがあるんですけど、試合中になったらサポートとかポジティブにやるしかない。佐藤さんみたいにリコ(橋本)とかケイ(松本)が成長するように出してくださいとか後輩が成長できるようにしていかないと。自分が今までしてもらったことだから今度は自分が後輩にやってあげることが先輩への恩返しでもあるし自分がやるべきことかなって」
――あと大学生活も半年ですが
「部活はとにかく悔いなく自分ができる役割を全うして終わりたい。本部は新しい企画に向けて頑張っていきたいし、その中で自分もまた成長できるようにしていきたい。体育会を良くしていきたいなっていうのがあるし。本部にやりがいを感じているので部活が終わったら全部の熱を本部に捧げてもっといい本部にして、もっと本部を知ってもらいたいです。本部がやってることは意味あることだし、必要性をわかってもらえれば体育会が良くなることしかやってないので。それがいかに体育会生に届くかっていうのが大事だなと思っています。未熟だけど誇りもあって、体育会のトップなわけじゃないですか一応。だからやっぱり少しの誇りと大きな責任と自覚を持ってやっていきたい。本部も引退したら今まで楽しめなかった学生生活をめっちゃ楽しみたいですね。新しい趣味も見つけたいです。体動かすことをやりたいから引退した後タップダンスやりたいなとか。劇団四季見たらタップダンスあって超良い楽しそうって思って。それと英会話もやりたいし。新たなスキルアップをしたいですね」
――「和」を大事にする中で女子バスケ部も応援してほしいですか
「そうですね、でもやっぱり男バスみたいな体育館じゃないからおおっぴらにするっていうのはなかなか難しいかなって思うんですけど、みんなすごいから見てほしいですね。絶対面白いから」
――最後に意気込みを教えてください
「スーパースターみたいな子たちがいっぱいいるので、2部で戦って駄目だとかは思わないし対等以上に戦うし全然やってける感があるなって思います。不安はなくて全然いけるんじゃないかなって、みんなのかっこいい姿もっとみたいなって。クウ(藤野希生・国際1=埼玉栄)とかリズ(多久文乃・情コミ1=東京成徳)とかまた新しいメンツが入ってきて、今までと違う野性的というか持ってるものがすごいいい子たちが入ってきたので去年おととしとは全然違う明治の女バスのプレーになるんじゃないかなって思います」
――ありがとうございました
◆加藤葉月(かとう・はづき) 営4 明大中野八王子高 153㎝
コートネーム:メイ ポジション:PG(ポイントガード) 背番号:68 趣味:映画鑑賞とスポーツ観戦 特技:フィギュアスケート
◎関東大学女子2部リーグ戦開幕まであと5日!
初戦は対山梨学大戦
8月30日17時トスアップ
≫会場
日本女子体育大体育館
≫アクセス
京王線千歳烏山駅北口よりバスで7分
JR線/京王井の頭線吉祥寺駅よりバスで25分
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