9艇が決勝進出 総合優勝に挑む/全日本大学選手権

2015.08.23
 ボートの全日本大学選手権(インカレ)は22日までに準決勝を終え、明大からは男女計9種目が決勝に駒を進めた。悲願の男女総合優勝を懸け、23日の最終決戦に挑む。      

 男子部は3艇が敗退したものの、昨年と同じ5艇が決勝に進出した。そのうち4種目を制すことができれば、総合優勝が近付いてくるだろう。小林剛大副将(商4=岡谷南)が「一つ勝つと流れができて、みんな気合いが入る」と言うように、序盤でチームの勢いを加速できるか。午前中に行われるシングルスカル、舵手付きペアがカギを握っている。どの種目でも優勝を狙える位置におり、期待は高まる。
 出場した全4艇が決勝に進出した女子部は早大との一騎打ちに挑む。6連覇中の早大も4艇が決勝に進んだ。それぞれの種目でどれだけ早大より速くゴールできるか。一方で「早稲田にとらわれすぎず、自分たちがミスしないように圧倒的な速さでゴールしたい」(中尾)と、足下をしっかりと見つめながら、7年ぶりに女王の座を奪還してみせる。

 「本当に明治の端艇部全員で優勝を取りにいくという気持ちが生まれている」(小林)とチームの士気も高い。部員一丸となって、史上初の男女総合優勝を掴みにいく。

[坂本寛人]

決勝に向けた意気込み
小林剛大副将(商4=岡谷南)

「今年は総合優勝を狙えるところにいると思うけど、他の大学もレベルを上げているから油断はできない。一人一人の課題を潰せたところが勝てると思う。今の明治は予選から一本一本確実に力が伸びているから、決勝でぜひともみんなに化けてもらって、優勝してもらいたいなと思う。その実力はみんな絶対あるので、自信はあります。全部は決勝にいけていないが、残っている5艇は優勝を狙えるところにいる。4つ勝てれば、総合優勝は近づくと思う。午前中に行われるシングルスカルの古田と俺らの付きペアで優勝して流れをつけて、勢いを出したい。一つ勝つと流れができて、みんな気合いが入ると思う。今年は学年のつながりが強くなったし、男女間も雰囲気がいい。本当に明治の端艇部全員で優勝を取りにいくという気持ちが生まれている。昨年に比べると、一人一人が優勝したいという思いが強くなったと感じている。決勝に出ることで満足しないで、貪欲に優勝を目指す姿勢が大事。付きペアは絶対優勝するのを目標に、チームとしても史上初の総合優勝をして、俺らの代がやったんだぞと歴史に名前を刻みたい」

中村裕喜副将(法4=宮津)
「残念な部分はあったが、昨年と(決勝進出艇の)数は同じということで、少なくとも現状維持はできた。あとは何艇が優勝できるか。シングルスカルとクォドは確実にやってくれると思うが、付きフォア、なしフォアがかなり接戦になってくるのでカギを握っている。意外と今年は日大が決勝に進めていないので、男子は十分にチャンスはあると思いますし、女子も冨田がいない中で不安もあったが、実力をしっかり発揮できている。チーム一丸となって勝ちを狙っていきたい。今日の最後の付きフォアが決勝に進んだというのは、いい雰囲気をチームに持ってきてくれたと思う。上昇気流に乗っている。明日もそのまま続けられたらいいと思います。僕自身、なしフォアとしては殻を破らないと勝てないレースだと思うので、あとは4人でやるだけ。全体としてもなんとか総合優勝狙うスタートラインに立てたので、これまでの練習の成果を発揮できるように頑張りたい」

男子シングルスカルクルー・古田直輝(政経1=米子工)
「(初のインカレでの雰囲気や緊張感は)そんなに感じていない。どの大会もこんな感じなので。緊張というよりは楽しいという感じ。(予選、準決勝のレースは)決勝に向けてのイメージレースという形で、ちゃんと組み立てて焦ることもなく、決勝に向けて調子が合わせていけている。今日もイメージ通りに気持ち良くこぐことができた。(ワールドカップでの経験は)日本でやっていることが全く通じなかった。日本ではできない経験を積むことができて刺激になった。軽量級だったがそれでも筋肉量が同じ体重でも全然違った。インカレに向けてウエイトを減らすクルーが多いが、ウエイトをあまり減らさずに筋肉量をあまり減らさずにインカレに合わせてきた。(決勝でのレース展開の狙いは)前半で前に出て後半もそのまま突き放せていきたい。お前が一番最初に取って後にみんなが続くからという風にも言われているので、そんなにプレッシャーを感じずにチームに勢いを付けられたらなと思う」

男子舵手付きペアクルーリーダー・大竹崇寛(商3=東濃実)
「東日本が終わってから3か月、こぎの統一を中心にいい練習をしてこれました。自分が一番下級生なんですけど、クルーリーダーをやらせてもらって、自分の意見も積極的に出しながらクルー3人でつくり上げている感じが実感できました。決勝はみんなどっこいのレベル、タイムなので、しっかり見直していきたいと思います。クルーを組んでから最初はうまくいかないことが多くて、こぎのリズムをつくるのが合わなかったりしたのですが、したいことをしたいって言える雰囲気や、やりたいことをやらせてくださる雰囲気のおかげで、うまくいくようになったと思います。本当にきつい種目なんですけど、付きペアに乗るのが憧れだったので、小林さんと組めてうれしいです。クルーとしての課題はこぎの長さと強さです。この二つを合わせていかないとずれていってしまうので、今も意識しています。予選のラスト500mではレートを上げようとしてこぎが短くなってしまいました。それを踏まえて今日の敗者復活戦ではラスト500で長く長く伸ばすことができて、切り替えがうまくできてよかったかなと思います。決勝の意気込みは、とにかく優勝です。何が何でも1番で帰ってくること。それだけですね。4年生に優勝カップを渡したいです」

男子舵手なしフォアクルーリーダー・河井京介(法2=関西)
「(予選、準決勝のレースは)完璧というわけではないが、レースを重ねるごとに自分たちの理想のこぎに近づいている感覚はある。そこがすごく伸びている点だと思うので、決勝では完璧にできるようにしたい。(3連覇へのプレッシャーは)取らないといけないという、プレッシャーというか、周りからの目とかも結構あってしんどいところもある。でもそれさえも自分たちの武器にというか、プレッシャーを力に変えて3連覇をできるのは僕たちのクルーしかいないんだという気持ちでやっている。(4人のドライブの鋭さの体現はできているか)今右上がりにいい状態になっているので、あとは明日完璧に仕上げるだけ。(クルーの雰囲気は)試合が近づいて来るほど、いい雰囲気になってきた。(決勝でのレース展開の狙いは)スタートで出てそのまま逃げ切るという形が僕らのクルーにとっては一番いいし、それができれば間違いなく勝てると思う。(明日の決勝に向けてやるべきことは)いつもやっていることだが、夜にクルーでミーティングして明日に向けた心と体の準備が必要になる。それぞれが強い思いを持ってレースに向けた準備ができればいいと思う。(クルーリーダーを務めて)クルーをまとめるのはすごく大変だった。クルーの雰囲気を悪くしないように、僕からそっ先して励ます声を掛けたり、メリハリを付けるということが難しかった。先輩を敬ってどれだけ後輩を励ますことができるかを課題にやっていた。(決勝への意気込みは)4年生を笑って送り出したいし、送り出さなければならない。絶対に3連覇を成し遂げてみせる」

舵手なしクォドルプルクルーリーダー・櫻井克茂(法3=岐阜県立加茂)
「予選は比較的いいこぎができたんですけど、準決勝でだいぶきついこぎをしてしまった。でも決勝は開き直って楽にいけると思います。完成度は悪いですね(笑)。それでも伸びているのが結果なので、試合の前と試合の間でいいこぎができて、集中してやれていると思う。4年生の先輩は最後なので、勝たせてやりたいというクルーの思いがある。(レース展開については)序盤に出られてしまうとばたばたする未熟なクルーなので、できれば最初のうちに出て自信をつけたままゴールしたいです。今年は実力の差が激しい戦いではないので、相手を見ながら1位でゴールできたらいいと思います」

男子舵手なしクォドルプルクルー・濱口稜(政経3=法政二)
「(予選、準決勝のレースを振り返って)練習の段階からあまり良くなくて、安定感が出せなかった。今のところ予選、準決勝の2レースを終えて結果的には1位で通過できているが内容も良くなくて、船が伸びる動きがなくて、運が良かったという感じ。昨年も決勝ですごく良いのが出てそれで優勝できたので、今年も決勝で良いのを出して優勝したい。(連覇へのプレッシャーは)昨年までは舵手なしくぉドルプルで明治が優勝したことがなくて、挑戦者として臨んで初優勝することができた。今年も2年連続で乗るということで、明治のなしクォドのブランドを作りたいので勝たなくてはいけないという気持ちが強い」

男子舵手付きフォアクルーリーダー・川野陽平(政経2=熊本学園大付)
「(4年生がいる中でのクルーリーダー抜てきは)東日本の時とメンバーが同じで、その時のクルー編成の時に4年生から『お前やってみろ』と言われて、それがずっと続いていてという感じ。クルーの全員がマイペースで、みんな寝坊したり練習に遅れて来たりとかがしょっちゅうあって、練習への集中力も毎日まちまちで良いのを出すのに苦労した。でもここぞという時の集中力はすごい。(クルーの雰囲気は)予選が終わって葬式のようだったが、今日勝ってだいぶ良くなったと思う。もともとみんな和気あいあいしているので。本当に予選はこぎが悪くて、思い詰めていたが今日になってやるしかないと吹っ切れたことが良かった。(クルーの強みは)集中力があるときはすごく船が進む。お調子者が集まっているので勢いがあるクルーだと思う。(東日本からの成長は)東日本の決勝がすごい逆風でドベだった。今回の準決勝も逆風のレースだったが、自分たちのレースをすることができてしっかりと決勝に進むことができたので、逆風の対応とかはすごく成長したと思う。(決勝でのレース展開の狙いは)ラストスパートがすごく上がることが強みなので、中盤でコックスの原(勇二・法2=徳島市立)のコールでどれだけ上げられるか。ラストは絶対に上がるので、いかにいい形でラストスパートにつなげていくかがポイントになる」

女子舵手なしペアクルーリーダー・有山裕美子(文3=浦和一女)
「(予選、敗復、準決と3日間連続の出場で)疲労は溜まってるが、調子は上がってきている。(最後はきつそうだと思ったが)1500メートルくらいで足が動かなくなった。いつもは(ゴール前)500mくらいからスパートをかけるが今日は250mくらいからだった。でも前半責めれたから明日は後半の部分を修正して、各クオーター2秒ずつ縮めれば優勝できると思うので、明日は今日の反省も踏まえて頑張りたい。8月15日にクルーの変更があったので、ギリギリまでペアで出れるか出れないか分からない状態で練習していた。500mのクォーター意識の練習をやったりした。2000mのビジョンが立てやすいので。はじめはペア全然漕いだことなくて、ガタガタでど下手だったけど、今はだいぶ良くなった。4人でペアの選考したので、出れない2人の分も、4年生の4年間の分も、決勝で頑張りたい。でもあまり重く考えずに楽しんでやりたい。でも、そういういろんな人の思いがあるから、しっかり受け止めて、それを力に変えて明日は前半から攻めていきたい」

女子シングルスカルクルー・成瀬歩美(政経1=恵那)
「予選ですごく緊張してた。準決もいつミスするか分からないので、緊張感持って相手が予選で勝った人でも油断せずに、いつも決勝のつもりでやってきた。予選も準決も決勝のつもりでやろうって大会始まる前から決めていた。(インカレに向けて)2000メートルという距離に慣れて恐怖をなくすために、1500メートルをレースペースで漕いだり、中距離のレースペースの練習を主にしていた。(毎回全力だが)疲労は1日寝れば回復するから溜まらない。(明日への意気込みは)高校の時も大きく差をつけられて負けていて、ずっと勝てていない早稲田の子がいるから、明日はその子に勝ちたい」

女子ダブルスカルクルーリーダー・中尾真淋(農3=熊本学園大付)
「予選と準決勝でレースプランを変えたら、割とうまくいったかなと思います。それでも前半もたもたしてしまって、第2クォーターで龍谷大に差を詰められたのは良くなかったです。クルーの強みは、スプリントというか、前半が得意なところです。スイッチが入れば船が進む感じがすごくあります。学年は離れていますが、学年関係なくアツイです。決勝に向けては、どこの場面でも集中を切らさず、どんどん離していくことですね。あとはとにかく攻め続けること。女子が全艇決勝に進むのは昨年、一昨年にはなかったことなので、本当に良かったし、すごいなと思います。でも早稲田も全艇決勝に進んでいるので、早稲田に負けないように、また、早稲田にとらわれすぎず、自分たちがミスしないように圧倒的な速さでゴールしたいです。このインカレの4日間のために、361日必死にやってきたので、自分たちがやってきたことを信じてやるだけです」

女子舵手付きクォドルプルクルーリーダー・植松香穂(文2=岐阜県立加茂)
「今日は自分たちのこぎができなかったです。スタートは出れたのですが、ラストで法政に詰められてしまって。中盤で差をつけて、ラストは流して終わろうというプラン通りに運べなかったです。ラストは上げなかったというより上がらなかったです。ペースを持ってくことや、リズムを作ることができなかったからだと思います。落ち着いて反応することができなかったです。最後どれだけ落ち着いてやれるかがカギになると思います。インカレまでは、後半落とさないように、ラップタイムが落ちないようにすることを目標に練習してきました。タイムを測定してもらって、だんだん落ちなくなってきたという実感はあります。合宿中には3.5kmを止まらずに高めのレートでこぐということをやりました。普段だとその距離をノンストップでこぐことができないので、すごくいい練習になりました。決勝に向けては、優勝しかないですね。個人的には、去年も同じ種目で出させてもらって悔しい思いをしたので、リベンジの気持ちも大きいです。今日のタイムだと1500mが早稲田と1秒差だったので、十分優勝を狙える位置にいると思っています。自分たちのこぎを100パーセント以上出し切って優勝できるよう頑張ります」