鮮烈なインカレデビューを果たした。明大からは11名が出場。約２射場を占める明大の選手が並ぶ姿から、層の厚さを見せつけた。「団体戦での優勝がとにかくうれしくて」（田之頭）と団体戦優勝でつけた勢いが田之頭に味方した。的が八寸的に変わってから脱落者が一気に増えていったが「（八寸的の）５本目から緊張し始めた」（田之頭）と達観していた。環境が変わってもあくまでいつも通りにと、余計な肩の力を抜いて引き続け着実に中てていった。八寸的を４本決め、とうとう２人まで絞られた。先に引き始め田之頭は見事的中。後ろから行射を見守っていた明大勢のもとに駆け寄り、勝負の行方を対戦者に委ねた。対戦者から放たれた矢から鈍い音がした瞬間、田之頭の優勝が確定した。「入賞はするかなと思っていたが、優勝できるなんて」（田之頭）と予想を上回る成績に驚きを隠せなかった。

　団体戦での連覇と二つの偉業を成し遂げ、明大は古豪復活を果たした。ルーキーらしからぬ堂々とした行射を見せた田之頭。秋季リーグ、王座決定戦と主軸としてチームを引っ張っていくことが期待される。