PK戦で流経大に勝利! 2年越しの雪辱を果たす/総理大臣杯全日本大学トーナメント

2015.08.15
PK戦で流経大に勝利! 2年越しの雪辱を果たす/総理大臣杯全日本大学トーナメント
 2年越しの雪辱を果たした。準決勝は2年前の決勝で逆転負けを喫した流経大との大一番。明大は今大会初の3-4-3の布陣を用い試合を優位に運ぶと、前半9分には差波優人(商4=青森山田)のFKに鳥海晃司(商2=ジェフユナイテッド千葉U18)がダイビングヘッドで合わせ先制。後半は押し込まれる時間が続くも、最後の部分で相手に自由にさせず失点は許さず。しかし後半アディショナルタイムにCKから痛恨の同点弾を決められる。その後は、延長戦でも勝敗は決まらずPK戦へ。服部一輝(法3=札幌大谷)が3本目を止め、5-3で勝利。16日に行われる関西学大との決勝に駒を進めた。

 立ち上がると自らの右腕に咆えた。「最初は左に飛ぼうと思っていたけど、直感的に右に跳んだ」(服部)。流経大の3番目のキッカーが蹴った右枠へのシュートは、しっかりと服部の右腕に弾かれた。「いつもは読みで跳んでいる」GKが直感で、殊勲のPKストップを見せた。
 「今日は持っているからいけるかなって思っていた」。延長後半開始直後、あわやゴールのヘディングシュートを防ぐなどこの試合服部は再三のビッグセーブ。GKとしてあたりに当たっていた。「今日もファインセーブをやってくれましたし、その流れがPKにつながったと思う」と栗田大輔監督。6月のアミノ杯以降、正GKの座を射止めた服部が、その力をこの大舞台で証明した。
 
 逆転は許さなかった。後半アディショナルタイムのラストワンプレー。相手の右CKからヘディングを決められ、まさかの同点弾を決められた。しかし動じはしなかった。「やっぱりサッカー何が起こるか分からないなというのを感じた」と鳥海。試合前日のミーティングで2年前の逆転負けを喫したビデオを見ることで流経大の強さ、そしてトーナメントの怖さをチームは再確認していた。だから相手に流れが傾かざるを得ない展開でも、誰一人下を向かなかった。「PKでも良い」(小出悠太・政経3=市立船橋)と延長前半の入りから気持ちを切り替えてプレー。勢いに乗る流経大を、一瞬も集中を切らさず守り切りPK戦に持ち込んだ。試合後には「勝てたことが良かった。また一つ成長できた」と栗田監督。逆境を乗り越え勝利をつかんだ選手たちの成長をたしかに感じていた。

 「負けたら何の意味ないので」(和泉)。残すは関西王者の関西学大との決勝戦。2年前に流経大に逆転負けで逃した日本一のタイトル。再び立つ総理大臣杯決勝の舞台で求めるのは勝利だけだ。「相手どうこうで変えるのではなくて自分たちが取り組んでいることをやれば、結果は付いてくる」と差波。今まで積み上げてきた明大サッカーを出すだけだ。そして背負う思いもある。「チーム、応援してくれる人、流経や今まで戦ってきたチームの分もしっかり戦って優勝できるように」(和泉)と決勝で戦うことのできる重みも受け止めている。真夏の大阪で「2年前の忘れ物」(高橋)、創部初の日本一をつかみ新しい歴史を刻む。

[渡邊弘基]

試合後のコメント

栗田監督
「嬉しいですねやっぱり。やっぱり2連覇している流通経済大で、3連覇も公言していたし、関東1番の強豪だと思っているので厳しい試合になるとは想像していた。ベストメンバーでいかないと流通経済大さんには勝てないと思っていたので。流経には流経に対したベストメンバーを組んだ。流経はフィジルが強いし、縦に速いサッカー。やっぱりワイドのところがうちの特徴なのでそこを生かるようにイメージした。右が多かったと感じたけど、バランスよく左からも攻められれば効率よかったなと印象がある。(差波の交代について)よかったけど、守備のバランスという面で、縦のセカンドボールについての反応が、バランスが崩れている時間帯があったので、思い切って非常によかった伊池を決断した。今まで差波をあの時間帯に交代したことはない。ちょっと勝負にこだわっていた。いつもこだわっているけど。チームのためにできない選手は連れてきていないので。別に差波は、それはそれで、きちっと受け入れて次にチームのために何がでいるかを考えたと思う。やられるのはある程度想定したいたので、ゴールラインを割らせなければ、いいと思っていた。そういう意味では選手がよく頑張ってくれた。逃げ切れるとは思っていなくて、最後の最後まで、あのコーナーキックを流経は決めてくる力はあったので、守ってくれると願っていたけど、決められても別にまた次から切り替えた。延長戦前には、一昨年逆転負けをしているので、昨日も逆転負けしたVTRを見て、思い出していた。そういった意味では動じることなく、振り出しに戻ったという気持ちだった。(3-4-3について)どの形でも、どの選手がきても、4-4-2でも4-3-3でも対応できるトレーニングを積んできた。そこは効果的に出たと思う。今日は内容よりも、勝てたことが良かった。また一つ成長できた」

和泉
「前半は自分たちのサッカーができたし、その中で1点も取れた。でも、後半は相手のペースになって自分たちのペースに持っていくことができなかった。耐える、我慢の時間が続いた。その中でしっかり我慢ができていたけど、最後のワンプレーで追い付かれた。ただそこで下を向かずに、延長でもしっかり守備陣がしっかりとめてくれて、かんちん(服部)が止めてくれて、後ろは120分間集中を切らさずにやってくれた。僕としては得点という形でチームを助けたかったけど、次そういう悔しさだったり、自分のやるべきことをできる試合が残っているので決勝はチームのために何とか、チーム、応援してくれる人、流経だったり、今まで戦ってきたチームの分もしっかり戦って優勝できるようにしたい。2年前は、決勝で負けていて悔しい思いをしている代でもあるので、本当に決勝が1番大事な試合なので、そこに向けていい準備をしたい。(今日のコンディションはよかったか)正直、ユニバ帰って来てから、90分間出た試合もないし、コンディションも悪くてきつかったけど、きついとか言っている暇がないほど、来てない人もそうだし、出てない人も大勢いる中で自分が出ているという意味も考えながらプレーした。あとは結果表すことが出来なかったので、次は結果に表したい。ただ、優勝することが1番大事なので。自分が結果を出すことで優勝する確率も上がると思う。2年前は自分が点を取ったけど負けてしまって、負けたら何の意味もないので決勝は勝てるようにチーム一丸となりたい。今日は流経に勝ったということで少し喜んでもいいかなと思うけど、次勝たないとこの勝ちも意味なくなるので。しっかり次を見たい。監督もチームのことを考えてやってくださっているので、優勝して、優勝した監督にしてあげたい。そういう色んな人のために決勝を戦えるようにしたい。決勝で負けたというのを忘れずに、決勝で戦いたい。勝ったチームが強いので。上手いだけじゃ勝てない。やっぱり両方求めるのが明治のいいとこだと思うので、今日も内容では満足している人はいない。そこを目指して、勝ちにこだわりたい」

差波
「入りは良かったとは思うけれど、試合の流れでのボランチの2枚の関係のところでバランスが悪かったところを修正できなかったところがあの交代につながったと思う。切り替えてやっていくしかない。悔しいけれどそれがこの大会での僕の現状の立ち位置だと思うので、そこはもう受け入れて次に向かってやっていくことが次につながると思う。(先制点のアシストは)キックは誰にも負けない自信はあるし、そういうところは今日前半だけだったけれど最低限結果として残せたと思う。あの位置は割と得意な位置だったので、結果的に点が入ってよかった。(守備面での交代となったが)それは僕がずっと課題としている部分でもあるしそこは今後ももっともっとやっていかなくてはならないところだとは思いますし、そこが明治で求められている部分なのでそれはしっかり自分の中で受け入れて行動に移せていけたらいいかなと思う。(2年前なら納得できていたか)選手として前半で替えられるというのはあまり良くないと思うし、その中で僕自身の弱さとかも出たと思う。前半で替えられるというのは考えなくてはいけないことだと思うのでそこはしっかり自分の中で整理してまた頑張っていけたらいい。(流経大戦前に選手間で話したことは)向こうは2連覇していて勢いがあるチームということは分かっていたし、明治にとって流経大は高くライバル視しているところでもあるので絶対に負けられない固い試合にはなると思っていた。そこで流経の最後の最後の粘りというのを見せつけられて向こうに流れを持っていかれそうになったけれど、最後出ている選手が踏ん張ってくれてなんとか勝つことができたので試合に出ている選手みんなに感謝したい。(試合前に2年前の流経大戦のビデオを見て)悔しい思いがすごく強くて、僕自身全国優勝した経験がなくてずっと準優勝で終わっている中で2年前決勝の舞台に立たせてもらって、その時の悔しい持ちというのはあったけれどビデオを見てさらに思い出した。僕らの代が2年生の時にいっぱい出ていたのでああいうビデオを見ることによって悔しい気持ちというのはみんな思い出したと思うし、見て良かったと思う」

小出
「(今日の試合を振り返って)勝てたし気持ちを持ってみんな戦えていたからほんとに良かったが、ここで達成感を出さないで次戦に向けてしっかりコンディション整えていきたい。一昨年負けてしまったし絶対に負けたくないという強い気持ちを持っていた。ラストワンプレーで失点してしまったが、最後勝てればいいというメンタルでやっていたから勝てて本当に嬉しい。(失点後のDFはどうか)PKでも良いという割り切りもあったから、自分たちDFは泥臭い守備をするだけだった。(3ー4ー3のフォーメーションはどうだったか)相手は空中戦とフィジカルが強く、ボールを蹴っていると相手のリズムになってしまうから、しっかりパスをつないでディフェンスラインからビルドアップしていく作戦があったし、3ー4ー3はうまくいった。(相手には流柏の選手が多いが)FWの中村慶太君やDFの田上大地君など市船時代から流経大の選手とはよく戦っているから負けたくないった気持ちは強かった。これからも流経大と戦う時、ライバル心は持っていると思う。(一昨年の大臣杯の流経大戦のビデオについて)ビデオを見ることで再度悔しさを思い出したり、流経大の力強さを確認して今日の試合に向けて良いイメージとなったしモチベーションも上がった。(後半から流経大に押されていたが)相手も割り切って前からディフェンスにくるし、セカンドボールを拾うのもほとんど負けていたから流経大の球際の面ではリスペクトしなきゃいけない。自分たちもそういうったところで負けないにしっかり意識していきたい。(決勝に向けて)相手は関西の大学だが、関東の代表として、関東の大学であることを誇りに思って、また今日戦った流経大の選手の気持ちを背負って、覚悟とプライドと責任を持って戦いたい」

服部
「(決勝への意気込み)一昨年は準優勝という悔しい結果だったので、今年こそはチーム一丸となって優勝できるように頑張る。(PK戦を止められた気持ちは)嬉しいのもちろんだが、一昨年と同じ決勝の舞台に立てるだけで、次こそは勝てるようにチーム一丸となって準備していきたい。(止めたシーンは読みが当たったのか)いつもは読みで飛んでいるが、今回は直感で飛んだ。最初左に飛ぼうと思っていたが、直感的に右に飛んだらたまたま当たった。今日は当たってるかなって感じだった。(後半や延長戦では何度も止めていたが)延長で結構止めれたので、PKになったら、今日は持っているからいけるかなって思っていた。(三本目で止められたが、そろそろ止められるかなって思っていたか)本当は1、2本目から止めてキッカーを楽にさせてあげたかった。たとえ1、2本目で止められなくても、どこかで1本止められたらチームが勝てるなって自信があったから、そのまま止められて良かった。(東京都トーナメントではPK戦で負けたが)その悔しさももちろんあって、PKの練習も中1日の中で毎日やっていて、しっかり準備していたのが良かったのだと思う。(今日の試合の感想)前半凄い良い入りができて、1ー0で折り返せたが、後半はほとんど守備の時間で苦しい時間だった。でもやってきたことをしっかり徹底してやれたから、そんな相手にチャンスを与えることはなかったが、後半ロスタイムのセットプレーで1点取ってくるのが流経大の強さだと凄い感じた。延長入る時に下を向いてしまうと、どんどん流経の流れになってしまうので、それを弾き返し明治からいけるようにという意気込みでやった。(押し込まれる時間が多くなることにチームはそんなに焦ったりしなかったか)去年から守備の練習をずっとやってきているし、そのメンバーがほとんど残っているから、ストレスはあまりなかった。(PK戦は想定していたか)アミノの決勝と東京都トーナメントの国士大戦でPK戦をやって1勝1敗でPKで次は負けたくなかったし、これだけサッカーをしてきて、負けるのは悔しいから、PKの練習はずっとやってきていたのでそれが良かったのだと思う。(PKに自信があったか)自信がある」

室屋
「(優勝への思いは)2年前はスペインに行っていて出ていなかったので、チームが負けたのを海外で知った。チームとして決勝で勝てなかったことはみんな話していたし、流経戦の前もみんなで2年前の決勝のビデオを見て悔しさを忘れないようにと話をしていた。次こそはタイトルを取るというのが、誰しもが思っていること。(今日の試合は)いつも通りというのはあったが、流経は2連覇していて、トーナメントに強いというのもあったので、気持ちは入っていた。(応援の数にはだいぶ差があったが)野次られるのは慣れてるので(笑)。そんなに気にはならない。決勝はみんなも応援に来てくれるので、より強くなれると思う。(立ち上がりからいい入りができていたように見えたが)チームとしてどんどんスペースを突いていくというのができていたし、東洋戦からチームがいい形で入れていたので、立ち上がりは良かったし、早い時間帯で先制点を取れたのは良かった。(今大会の勝ち上がりについて)初戦は固くなるので仕方ない部分もあった。とにかくトーナメントなので、手堅く勝てているのはいいことだと思う。大会を通してサブだった選手も試合に絡んで、チャンスもらった選手が飛躍して、自分の持ち味を出してくれた。それでチームも勢いが付いたと思うので、チーム力の高さを感じている。(終了間際の失点で同点に追い付かれたが)さすがにちょっと(笑)。ラストワンプレーだったので、さすがにやばいと思ったが、負けたわけじゃなかった。とにかく割り切って、落ち着いてみんなもプレーできたと思う。(決勝への意気込みは)創部初というのもあるが、個人としても明治に来て大きいタイトルを取っていない。個人としてもタイトルを取りたいというのはあるし、2年前にできなかったことを今回自分が勝利に貢献して達成したい」

鳥海
「内容的には前半は良かったけれど、後半は耐えるだけで正直内容はあまり良くない試合だった。でも、何より勝てたことが一番大きい。(今大会初スタメンだったが)自分は初日の練習で足首をケガしてしまっていた。今日は3バックで、上で強い相手に対して下で徹底的につなごうというのはチームで決めていて、そのための3バックだったので回しがうまい選手を使いたくて河面さん(政経3=作陽)や自分が使われたと思う。前半はすごく手応えがあって右から結構良いパスを入れられていたけれど後半がちょっと問題だった。あまり自分たちが思うような形が攻撃でも守備でも取れなくて、そこが課題だと思う。(先制点のシーンは)あれはさしくん(差波)の良いボールで、あとはもう正直気持ちだったよく覚えてなくて絶対決めようという気持ちだった。気持ちでしかなかった。(2年前の流経大戦のビデオを見て印象は)2点入れてて追い付かれて逆転されてという展開を見て、やっぱりサッカー何が起こるか分からないなというのを感じたし、自分たちは出てないけれどそれを見て絶対4年生たちを決勝に連れて行きたいという気持ちになった。だから見て良かった。(決勝は関学大との一戦となるが)関学の印象は去年インカレで見ていて強いというものしかないけれど、東京にいる仲間もみんな来てくれるので4年生のためにも仲間のためにも絶対勝つ」