注目選手特集(1) 河井京介

2015.08.14
 今年こそ頂点へ。8月20~23日に戸田ボートコースで開催されるボートの全国大学選手権(インカレ)で、明大は史上初の男女総合優勝を目指す。昨年まで4年連続で男女ともに総合2位。それでも毎年着実にレベルアップし、チームに変革を起こしてきた。ここでは全8回にわたってインカレに挑む端艇部を特集する。

 3回目は今年のインカレ注目選手を特集します。

 誰よりも熱いハートの持ち主だ。昨年のインカレでは舵手なしフォアクルーとして連覇に大きく貢献した河井。クルー内最下級生ながら、パワフルなこぎと熱い気持ちを爆発させた。そして今年も乗るのは舵手なしフォア。2年生ながらクルーリーダーを務め、3連覇という偉業達成に挑む。
 挫折をバネに強くなった。昨年はルーキーながらインカレ優勝を経験。しかし、今冬に臨んだU23の選考レースではアクシデントにより断念を余儀なくされた。順調に歩みを続けていた河井の大学での競技生活に黄色信号が点った。「そこから1ヶ月くらい迷走し始めて、一回気持ちが切れて本当にボート部を辞めようかとも考えた」。ボートに人一倍真剣に打ち込むからこその苦しみだったが、そんな窮地から河井を救ったのもまたボートだった。「試合という目標があるから頑張れることを思い出した」。勝ちたいから努力を惜しまず、こぎ続ける。大好きなボートへの想いが折れかけていた気持ちを奮い立たせた。
 
 「優勝しか考えていない」。対抗クルーである舵手なしフォアに2年連続で乗り、同種目のインカレ3連覇を目指す男の決意は固い。そして今年はクルーに中村裕喜(法4=宮津)、野原啓(法4=美方)の4年生2人がいながらも、来年以降のことを考えて2年生の河井がクルーリーダーに抜擢された。「4年生にやってほしかったという考えもあった」が、選ばれたからには全力でやり通すのが男の性分。引っ張るのはあまり得意ではないとするが、リーダーとしてクルーの雰囲気作りを大切にしている。「練習から狙いどころを決めて自分から積極的に声を出すようにしている」。若きリーダー河井が舵手なしフォア3連覇のカギを握る。
 
[鈴木拓也]