ルーキー特集(2) 菊池渉太 土佐真歩

2015.08.13
 今年こそ頂点へ。8月20~23日に戸田ボートコースで開催されるボートの全国大学選手権(インカレ)で、明大は史上初の男女総合優勝を目指す。昨年まで4年連続で男女ともに総合2位。それでも毎年着実にレベルアップし、チームに変革を起こしてきた。ここでは全8回にわたってインカレに挑む端艇部を特集する。

 2回目も今年明大端艇部に入部したルーキーを取り上げます。今までのボート人生や今後の目標について語ってもらいました。いずれ部の中心になるであろう彼らの今後の活躍に期待だ。

菊池渉太(政経1=猿投農林)

――ボートを始めたきっかけを教えてください
お父さんが日本代表の選手で、お父さんの練習を見に行ったときにボートに始めて乗らせてもらってボートが楽しいと思いました。中学2年の冬から始めました。元々バスケをやっていて、平日はバスケ、休日にボートを並行してやっていました。高校からボート一本に絞りました。

――今までのボート人生で最も印象に残っているレースを教えてください
高校2年生のインターハイで優勝することができたことです。仲間と切磋琢磨(せっさたくま)して時にはぶつかり合って、つかんだ優勝だったので自分の中では大きい経験でした。

――明大へ進学を決めた理由を教えてください
高校の先輩であった大久保(亮・農2=猿投農林)先輩が明治に入って、すごく尊敬していたので自分も明治に入りました。高2の時のインターハイも大久保先輩と一緒に優勝することができたので、大学でも一緒に優勝したいと思って進学を決めました。大久保先輩は誰よりもリーダーシップが強いんです。

――明大端艇部の雰囲気はどうですか
先輩がすごく優しくて溶け込みやすかったです。他の大学とかだと言いたいこともなかなか言えないと友達から聞いていますが、ここだと先輩とも仲が良いので言いたいことも言えて艇を進ませることができるので非常に良い環境だと思います。

――ご自身のこぎの特徴を教えてください
スプリンターなんですがあまり垂れないところが特徴です。あとはエントリーの動きにこだわっています。

――今伸ばしたいところはありますか
自分は持久力がないので、持久力を付けるトレーニングを頑張っています。長距離のランニングとか、長い時間こぐ練習メニューとかを積極的に取り入れています。

――父からのアドバイスなどはありますか
マネジャーさんにビデオを撮ってもらって、それをお父さんに送って自分のどこが足りないかなどのアドバイスを日々もらっています。地元の愛知から大会も家族で見に来てくれて、その分期待に応えたいと思って練習も頑張れます。

――趣味を教えてください
ロードバイクをやっていて、同期もロードバイクをやっているので、休日に遠いところまで行くのが趣味です。トレーニングの面もあるし、趣味としてリフレッシュすることもできます。

――大事なレースの前に決まってすることなどはありますか
イメージトレーニングは必須です。毎回3本はイメージトレーニングをします。

――最後に今後の目標を教えてください
インカレ総合優勝です。今はインカレ3連覇が懸かっている舵手なしフォアに乗っていて、対抗クルーということでプレッシャーもありますが、そこでしっかりと優勝してポイントを稼いでいきたいです。

土佐真歩(営1=横浜商業)

――ボートを始めたきっかけを教えてください
中学生の時は陸上をやっていたのですが、高校では何か新しいことがしたくて。候補としてはラクロスとボートがあったんですけど、なんとなくボートにしました。初めてボートに乗った時は5人乗りの艇に乗ったのですが、桜が満開で風が本当に気持ちよくて、隙になりました。

――ボートの魅力は何だと思いますか
やっぱり風を感じられるところだと思います。あと、自分との戦いという部分が大きい競技なので、自分の限界を突破していく感じが好きですね。それでもやめたいと思ったことは何度もあります。やめられなくて続けている時期もありました(笑)。

――明大への進学を決めた理由についてお聞かせください
角監督がずっと寮にいるということで、ボートはもちろん一人の人間として成長していける環境だと思いました。角監督は選手のことを本当によく見ています。あまり個人的に話すことはないのですが、ボートをやっている時も、普段でも変わらず見守ってくださっていることは常に感じますね。

――実際に入学してみていかがですか
2人1部屋で、今は冨田千愛さん(政経4=米子東)と一緒の部屋なんですけど。はじめは高校との環境の違いに戸惑うこともあったのですが、冨田さんの姿を見ていて自然と慣れることができました。冨田さんはひとつひとつ目の前の練習やこぎを全力でやっていらっしゃって。自分も悩んでいないで、目の前のことを必死にやろうと気持ちが変わりました。他の先輩方もフレンドリーで、いい方たちばかりで、楽しくできています。

――高校との環境の違いはどのような点で感じていましたか
高校の時は、練習時間がとにかく長くて、自分が納得できるまで好きなだけとことん練習ができました。大学では授業やボートコースの関係で限られた時間での練習になって、高校よりも2時間半くらい短くなりました。はじめは自分の思い通りの練習ができなかったのですが、ある日のミーティングで監督が「過去のことは捨てろ」という内容のお話をされて。今の環境に合わせて自分が変わっていかないと、と思いました。それからはやれるときに少しずつ練習して、中身の濃い内容ができるように工夫するようになりました。

――今までで印象に残っている試合はありますか
負けた試合の方が記憶に残っています。高校3年生の最後の大会ですね。長崎国体にシングルスカルで出させてもらったのですが、当日熱があって。「きょうはだめかな」と弱気になってしまって、負けてしまうという不安と戦いながらのレースでした。それでも体がいつも通り動いてくれて、苦しいレースながらも2位を取ることができたんです。どんな状況の中でも、恐れずにこいでいけば結果はついてくるのかもと気づくことができたレースでした。

――オフはどのように過ごされていますか
実家がそんなに遠くないので実家に帰ったり、あとは十条の商店街に行くのにはまっています。1個10円のチキンボールがおいしいんです。割とひとりで行くことが多いです(笑)。前までは寮にいることが多かったのですが、最近は外に出るようになりました。

――ご自身の持ち味は何だと思いますか
力強さです。特にここが、となると説明が難しいのですが…。強いて言えばウエイトやスクワットで他の選手よりも上げられることですね。普通のウエイトだと97.5kg上げられます。そういう力強さといった部分は最近ダブルスカルの練習を重ねるにつれて、生かしたこぎができるようになってきているかなと思います。

――ボートに関するこだわりがあれば教えてください
食事には気を使うようにしています。高校の時に大きな大会で負けてしまった時に、敗因の一つに食事が挙がって、それからはいろいろ勉強して工夫しています。具体的に言うと、普段からオレンジジュースを飲むことですね。ビタミンCを摂って疲労を回復する目的です。あとは試合の3時間前には炭水化物を摂って、1時間前にはバナナとオレンジジュースを摂ります。これは高3の夏からずっと続けています。

――どんな時にやりがいを感じますか
今まではシングルスカルに乗っていたのですが、最近先輩とダブルスカルに乗るようになって、複数でこぐ艇の楽しさを感じました。こぎと相手の気持ちとがシンクロして、船が進んでいると実感できたときは、やりがいを感じますね。今年のインカレには出られないかなと半分あきらめていた部分もありましたが、先輩がチャンスをつくってくださって、やってみようという気持ちに変わりました。そういった感謝の気持ちなどをこぎで返したいですし、それができたときにもやりがいを感じることができるのかなと思います。

――最後に今後の目標をお願いします
今後というか今年になってしまうのですが…。やはりインカレ総合優勝ですね。必ず成し遂げたいです。冨田さんがシニアの選考でインカレに出られないかもしれないので、その思いを受けついで絶対に総合優勝したいです。早稲田に勝ちたいですね。個人としては、日々の練習をひたすら一生懸命頑張って、総合優勝に貢献したいです。

――ありがとうございました。

[箭内桃子・鈴木拓也]